古代に関する「研究ごっこ」には、いくつもの定番テーマがあります。それらを「研究」する自称「研究家」は「頭の固い学者の固定観念を打破する画期的な研究」を標榜していますが、プロの学者はもちろんことごとく無視しています。
彼らは学者を「頭が固い」だの「固定観念にとらわれている」だの「既得権益を侵害されるのを恐れて新しい考えを認めようとしない」だのと罵りますが、人は誰しも判官びいきの傾向がありますから、こうした自称「研究家」に対して「頭の固い学者連中に不当に排除されている気の毒な人」と同情する人もいると思います。
プロの学者はただ無視するだけで、それらの説がどうして「研究ごっこ」なのかということまでは語ってくれません。それ故「不当に排除されている」という自称「研究家」の言い分も、真実味を帯びて聞えてしまうのかもしれません。
そこでこれから古代に関する「研究ごっこ」の定番テーマをいくつか取り上げて、それのどこに問題があるのかを解説してみようと思います。