ホーム :第1章 高岡漆器についての導入的説明 :第2節 工程と分業 (坂田 美紀) :

木地

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 高岡漆器の木地には、指物木地、曲物木地、挽物木地、くり木地の4種類がある。

@指物木地
 指物木地とは、板の組み合わせによって作る木地である。いちょう、桂、しななどの木から作られていて、角盆、膳、茶棚や箱物ができるそうだ。

A曲物木地
 曲物木地とは、側面の板を円形や楕円形などに曲げて作る木地で、いちょうやしななどの木から作られている。やはり、形が丸くなるということで、茶盆や火鉢などができる。
 工程の中に「蒸煮」というものがある。これは、木材をスライスして2、3時間熱湯の中につけて煮込むという作業だ。その後に、柔らかくなった板をローラーに通す。
 今回、インタビューに伺ったSRさんの所では曲物木地を作っている。天然のものを曲げるということで、木が折れたり割れたりすることが非常に多いそうだ。なので、ロスをいかに少なくしていくかが難しいと言っていた。

B挽物木地
 ろくろを使用し、円形に内側、外側を削って作るのが挽物木地である。栃やけやきが原木で、盆や菓子鉢などができる。
 挽物は庄川にもある。

Cくり木地
 くり木地は、ノミや小鉋などで自由な形をくり出して作るものである。桂などが原木で、菓子器や火鉢ができる。

 木地は、木を製材して2,3年は乾かすそうだ。乾かしている間にも木がねじれたり、反ったりするので、まっすぐそのまま乾くということはないようだ。 


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