+The Hobbit+  
童話作品・その20
The Hobbit

[主な作品]
『ホビットの冒険』(The Hobbit or There and Back Again 1937)

[作品解説]
  オックスフォード大学に勤めはじめたころ、トールキンが4人の子供たちに話して聞かせたビルボの話を1冊にまとめ、1937年スタンレー・アンウィン社から出版したもの。その成功により続篇(全3部からなる『指輪物語』)執筆を依頼される。ドワーフよりも小さく、『ガリバー旅行記』に出てくるリリパット人よりも大きい小人のホビット族は、代々冒険家を輩出した本家母方のトック家、平穏無事な暮らし向きの父方のバギンズ家の血筋を引く。空想の国、中つ国の「袋小路屋敷」に住む主人公ホビット族のビルボ・バギンズは、50歳ぐらいで、『指輪物語』の主人公フロドの養父。生来冒険を好まないはずのビルボは、ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフたちの誘いに乗って、宝の奪回のためにドワーフたちとさまざまな冒険をした末、ドラゴンのスマウグと戦い、これを倒す。帰宅して平和な生活の持つ意義をしみじみと味わうようになるビルボ・バギンズの成長ぶりを描いた物語。

[作者]
  ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン(John Ronald Reuel Tolkien 1892-1973)
  南アフリカ、ブレオムフォンテン生まれ。4歳で銀行員だった父を失い、母とイングランド、バーミンガムの田園生活を送る。12歳で母を亡くし、カトリック司祭の保護を受ける。オックスフォード大学英語英文学を首席で卒業。結婚と同時にフランス戦線に従軍。オックスフォード大学の古英語・英語学教授。自分の子どもたちのために創作活動をはじめる。ほかに『指輪物語』(The Lord of the Rings)3部作、「旅の仲間」「2つの塔」「王の帰還」など。

▼『ホビットの冒険』の表紙。▼