+Tales from Shakespeare+  
童話作品・その17
Tales from Shakespeare

[主な作品]
『シェイクスピア物語』(Tales from Shakespeare Designed for the Use of Young Persons 1807)

[作品解説]
  メアリーとチャールズのラム姉弟の手になる。第1版の序文には「シェイクスピア研究入門書」とあり、「大部分をメアリーが執筆した」とチャールズが友人への手紙で記している。取り上げられた20篇中、5篇の悲劇(『リア王』『マクベス』『ロミオとジュリエット』『ハムレット』『オセロ』)はチャールズが執筆し、残る『あらし』『夏の夜の夢』『冬物語』『から騒ぎ』『お気に召すまま』『ヴェローナの2紳士』『ヴェニスの商人』『シンベリン』『終わりよければすべてよし』『じゃじゃ馬ならし』『間違いの喜劇』『尺には尺を』『12夜、またはお気に召すまま』『アテネのタイモン』『タイア公ペリクリーズ』の15篇はメアリーが執筆した。

[作者]
  メアリー・ラム(Mary Lamb 1764-1847)、チャールズ・ラム(Charles Lamb 1775-1834)
  チャールズは東インド会社に事務員として30年間勤める。この間、1796年には精神異常の発作から姉メアリーが母親をナイフで刺殺し、一時、精神病院に収容される。退院したメアリーはチャールズの支えで、1807年に『シェイクスピア物語』、1809年には『子どもたちのための詩』を共同執筆する。チャールズは『エリア随筆集』のような児童書以外の著作でも認められるようになる。1820年代になって、2人は孤児を養女に引き取る。日本では、福原麟太郎のラム研究が広く知られている。

▼シェイクスピア。▼