+Grimm's Fairy Tales+
童話作品・その2
Grimm's Fairly Tales
[主な作品]
『子どもと家庭のための童話』(Kinder-und Hausnaerchen)
[作品解説]
1812年の初版では、1,2巻合わせて156篇が所蔵されていた。1823年、英訳版出版。1857年までに17回編集が重ねられ、生前には200篇の昔話と10編の聖人伝を合わせたものがまとめられたが、最終的には240篇が所蔵されている。邦訳は菅了法による『西洋故事神仙叢話』(1887)が最も古く、全訳では金田鬼一の『グリム童話集』(1924)がある。
民話伝承者のフィメンニン、ラミュ姉妹、ハクストハウゼン家などからの聞き書きで、「灰かぶり」「赤ずきん」「青ひげ」「白雪姫」「カエルの王子」「いばら姫」「ヘンゼルとグレーテル」「ブレーメンの町の音楽隊」「おおかみと7ひきの子やぎ」「命の水」「かわいそうな粉屋の若者と子ねこ」「鉄のハンス」などの物語が次々に収集された。因果応報の倫理観にもとづく筋の展開による教訓的物語となっているが、性差別、封建的な父権制度の要素が含まれるため7度にわたって改稿が行われたことから、口承伝承の色彩が弱められたという批判もある。
[編集者]
ヤーコブ・グリム(Jakob Ludwig Carl Grimm 1785-1863)、ヴィルヘルム・グリム(Wilhelm Carl Grimm 1786-1859)
マールブルク大学で出会った教授の知人の童話集『少年の魔法の角笛』の続編を出版するために、昔話の収集を始めた。ともに図書館員を経て、ゲティンゲン大学のゲルマン言語学教授となり、ほかにも『ドイツ語大辞典』全16巻の編纂に8年間携わったが、生前には完成せず、約1世紀かかって死後出版された。
▼1823年から出した英訳本『グリム童話集』の扉の挿絵。19世紀の漫画家クルックシャンクの絵。物語を聞いて喜んでいるところ。▼