+Peter Rabbit+  
童話作品・その3
Peter Rabbit

[主な作品]
『ピーター・ラビットのおはなし』(The Tale of Peter Rabbit 1902)

[作品解説]
  私家版として出版したものに手を加え、フレデリック・ウォーン社から出版。
  物語は、26枚の挿絵とことばからなる。4匹のきょうだい兎の末っ子ピーターは、お母さん兎と樅の木の根元の穴に住んでいる。お母さんが子兎たちに注意したにもかかわらず、留守中に、ピーターだけが禁じられたマクレガーさんの家の畑に入って、野菜を食べる。見つかって追いかけられ、逃げる途中で靴が脱げ、上着は網に引っかかってしまう。雀の励ましで物置の如露のなかに隠れるが、見つかって右往左往したあげく、やっと家に帰り着く。3匹の姉たちは、美味しい晩ご飯を与えられるが、お腹をこわしたピーターは、煎じ薬を飲まされただけだった。

[作者]
  ベアトリックス・ポッター(Beatrix Potter 1866-1943)
  イギリス、ロンドン生まれ。父親は法廷弁護士。病気の5歳の少年ノエル・ムーアにピーター・ラビットの絵手紙を送る。後年、『グロースターの仕立屋』『りすのナトキンのおはなし』『ベンジャミン・バニーのおはなし』『2ひきのわるいねずみのおはなし』を2年のうちに立て続けに出版。叔母の遺産と本の印税で、ヒル・トップ農場を購入。その後、隣村に住む弁護士と結婚し、視力が衰える1916年ごろまで、ほぼ毎年2冊の割合で、ピーター・ラビットを取り巻く動物たちを村に採り、合わせて20篇以上の作品を執筆。世界各国で翻訳され、親しまれている。77歳で病没。遺灰は、ジマイマの森に撒かれた。財産のほとんどがナショナル・トラストに寄付されている。

▼『ピーター・ラビットのおはなし』の有名な挿し絵のひとつ。▼