+Mother Goose+  
童話作品・その1
Mother Goose

[作品解説]
  マザー・グースやマザー・ハバードなど大勢のキャラクターが登場し、なぞなぞ、尻取り歌、早口言葉、子守歌、文字遊び、格言、お祈り、宗教攻撃歌などからなり、機知、諧謔、風刺などが盛り込まれ、何世代にもわたって親から子へと伝承されてきたわらべ唄を集めた「ナーサリー・ライム」(童謡)。
  バラッド(ballads)や民話(folk tales)などの民間伝承(folklore)同様に、作者は不詳。
  ジョン・ニューベリー(John Newbery)編『マザー・グースのメロディ――子守歌』(Mother Goose's Melody or Sonnets for the Cradle 1765?)が「マザー・グース」という名称を冠した最初のまとまったナーサリー・ライム集といえるが、体系的に収集されたものとしては、オーピー夫妻(Iona&Peter Opie)編『オックスフォード・ナーサリー・ライム・ブック』(Oxford Nursery Rhyme Book 1951)が挙げられる。
  18世紀以降、様々な形で収集、編纂が行われ現在に至っているが、その数は1000篇を越すと言われている。オーピー夫妻のオックスフォード版『ナーサリー・ライム辞典』(Oxford Dictionary of Nursery Rhymes 1997)では549篇に絞り込まれており、その1篇1篇についての詳細な研究結果が解説されている。日本では、平野敬一の先駆的な研究がある。
  邦訳は北原白秋による翻訳童話集『まざあ・ぐうす』(『赤い鳥』所蔵)が最初で、松原至大の『マザアグウス子供の唄』、竹友藻風らから現代の谷川俊太郎まで多数ある。

▼1916年の初版以来50回以上も版を重ねてきた絵本『リアル・マザー・グース』の表紙。▼