+Alice+  
童話作品・その6
Alice

[主な作品]
『不思議の国のアリス』(Alice's Adventures in Wonderland 1865)
『鏡の国のアリス』(Through the Looking-Glass And What Alice Found There 1871)

[作品解説]
  『不思議の国のアリス』(『アリスの地中の冒険』[Alice's Adventures under Ground]が原題)では、読書をしていた姉と土手の上に坐っているうちにアリスはいつのまにか眠ってしまい、夢のなかで不思議な世界に入る。ウサギ穴に落ちて、地中の国でチェシャー猫、アオムシ、おかしな帽子屋、三月兎、ハートの王様と女王らさまざまなキャラクターとの出会いとナンセンスな出来事を経験する。最後に、トランプたちとの対決の末、正気を主張するうち夢から覚める。
  続篇『鏡の国のアリス』では、猫と戯れているうちに眠って夢の世界に入る。最後に、赤い女王を抱いているうちに、女王が猫の姿に戻って目が覚める。チェス盤の上で逆さまの世界が展開される明確な社会風刺となっている。

[作者]
  ルイス・キャロル(Lewis Carroll 1832-98)
  イングランド、リンカーンシャー州生まれ。父は牧師。本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(Charles Lutwidge Dodgson)。ペンネームは、本名をラテン語で言い換え、それをばらばらにして、さらに英語で言い換えて作ったもの。オックスフォード大学の数学教授。同大学の学寮長リデルの娘をモデルにして、アリスを書く。29歳で英国国教会の牧師となるが、生来の内気な性格のために、説教もままならなかった。小さな子どもとの交流と写真の趣味に慰藉を見出したといわれる。

▼『不思議の国のアリス』のウサギ。"Oh dear!Oh dear!I shall be too late!"▼