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それぞれの希望(スライド17〜19)


(スライド17)
 私は地球の子の存在が与えるそれぞれの利用者の希望について考察しました。考察するにあたり、代表として二人の利用者の方を取り上げました。
 まず一人目にCさんの語りを取り上げました。Cさんは、去年の7月から娘さんから勧められて、ここ、デイサービス「地球の子」に通っています。週2回のここでのリハビリのほかに、地球の子に行かない日は病院に行ったりマッサージをしてもらったり、家では発声練習もしています。とてもリハビリに対して積極的な方です。その理由として、Cさんの希望である「おしゃべりがもっとスムーズにできるようになりたい」ということが考えられると思いました。Cさんはもともと人付き合いが苦手でしたが、地球の子に通うようになって、人と会う機会が増えたことから、自分からもおしゃべりしたいという気持ちになったと語ってくれました。ここに来るようになって笑顔も増えたそうです。
 そして、Cさんは「みんなと楽しくおしゃべりすること」を目標に、最近、「地球の子」ではキーボードで話すことをやめることで、声を出す機会を増やしています。

(スライド18)
 二人目にDさんの語りを取り上げました。Dさんは、地球の子に週2回通っていて、ほかのデイサービスにも週2回で通い、リハビリに熱心に取り組んでいます。もう一つのデイサービスでは機械を使ったリハビリを淡々とこなすだけなので、「地球の子」でのリハビリの方が楽しいそうです。そんなDさんは「地球の子」に通うなかで、中川さんと接するうちに何でもやってやろう!と気合が入るようになり、何にでも興味を持つようになったとおっしゃっていて、季節のイベントや旅行に積極的に参加したいというのもその表れだと感じました。今は高校のときにしていたバレーボールもやってみたいともおっしゃっていました。
 また、最初はご近所の方にパーキンソン病のことを知られるのは嫌だったが、今は、(自分がパーキンソン病だということを)素直に話すといいます。周りが知っていると気が楽だし、治るわけではないが少しでも楽にしたいと話します。このことから、Dさんの希望は「パーキンソン病は治るわけではないが、少しでも楽にしたい」ということです。救急車に何度も運ばれて、そして戻って来たときに、Dさんは「死にぞこないが帰ってきた」と周りの人に言うそうです。そして「誰が死にぞこないなんだ?」と聞かれると「誰でもない私が」と答えると笑いながら語ってました。。スタッフから、特に中川さんの刺激を受け、前向きに考えられるようになったと感じます。自分自身でブラックジョークを笑いながら話すことからもそう感じました。

(スライド19)
 まとめとして、「治るというよりも、みんなと楽しくおしゃべりしたい、少しでも楽になりたいという目標の語られ方」や「スタッフや利用者の影響を受けた前向きな発言が多いこと」、「ブラックジョークを自ら語る人もいること」がわかりました。以上のことから、それぞれの希望には、スタッフや利用者の存在が大きく関わっていると考えられます。病気である自分を受け入れ、今を生きる喜びや価値を「地球の子」では見出すことができているのではないでしょうか。
                                (徳田有咲)