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デイサービス「地球の子」の小規模介護施設としての特質:自らの介護体験実習と対照して(スライド7〜9)


(スライド7)
 みなさん、こんにちは。私は小規模介護施設の特質について考察したことを、ある大規模介護施設とこの「地球の子」を比較して発表します。
 まず、初めてこの介護施設を調査して思ったことは「雰囲気がとても明るい」ということです。
誰一人として退屈そうにしている人がいなかったり、スタッフと利用者の仲が大規模介護施設よりも良好に見えました。
 調査していくうちにその理由が分かりました。スタッフも一緒になって利用者さんとのレクリエーションを楽しんだり、トレーニング中に健康についてのちょっとした勉強会が始まったりと、スタッフが中心になって「地球の子」の雰囲気を盛り上げているからです。
 私は夏休み中、介護等体験でとある大規模介護施設にお世話になっていました。そこは、三階建てで、私は主に長期入居のスペースで体験させてもらいました。
 ここで言及しておきたいことがあります。それは、各施設を利用している人たちの違いについてです。「地球の子」の利用者さんは、パーキンソン病で動きに制限がありますが、頭ははっきりしていて普通に話せる人も多いです。しかし、大規模施設の方は認知症の人も多く上手く意思疎通がとれない人もいます。あと、デイサービスと長期入居では元々の施設内の雰囲気に違いがあるかもしれません。ご了承願います。

(スライド8)
 この報告会では両施設の特徴を比較するために、「お風呂」の様子を例にあげます。「地球の子」のスタッフさんにインタビューしたところ、「地球の子」では利用者さんにお風呂の時間を楽しんでもらうための工夫をしていることがわかりました。特注の信楽焼の大きな浴槽にケガ・転倒防止の石床。聞けば、湯船の中のお湯には井戸水を使用しているそうです。スタッフさんが言っていた通り、浴室に一歩入っただけで他の施設とは違うこだわりがあることが分かりました。
 また、小規模施設だからこその利点があることも分かりました。それは、いつもみなさんがトレーニングやおしゃべりに使っているこの大部屋と浴室が近いので、冬でも体が冷えることがないという点です。他にもほぼ毎回お風呂に入れたり、個別対応のため担当スタッフとの会話が弾むといった長所があることも分かりました。
 利用者さんにお風呂の感想を聞いてみると、

・スタッフの配慮が行き届いているので、安心して洗ってもらえる。
・文字通りの「裸の付き合い」で、オープンにいろいろと話すことができる。
・毎回のお風呂が楽しみ
といった声を聞くことができました。

 大規模施設では、ここでは対応しきれないような寝たきりの人向けの浴槽があったりと、4種類の入浴設備を使用し、身体状況に応じた方法で入浴を行います。しかし、人数が多い分どうしても利用者さんとの会話が減ってしまったり、要望全てに応えきれない部分があることが分かりました。このことについては、スタッフさんも問題に感じていると言っていました。詳しく話を聞いてみたところ、大規模の所のスタッフさんも問題解決のため努力や模索はしているものの中々答えは見つからないと言っていました。

(ここでスライドB)
 最後にまとめとして、先行研究の「小規模介護施設は難病を持つ人の『居場所』たりうるか」を参考にしながら小規模介護施設と大規模介護施設の問題点についてまとめてみました。こちらをご覧ください。
 全般的に小規模介護施設には、医療・技術面や経営面に不安がある所が多いそうです。しかし、大規模のところでは提供できないような細やかなサービスや施設ごとの特色や個性を発揮し、利用者との濃い関係を築いているところもあります。
それこそが小規模介護施設ならではの魅力なのではないでしょうか?
                                 (山崎 佳奈子)