ホーム :第1章 高岡漆器についての導入的説明 :第3節 組織と活動 (山田 実季) :

みどり会

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 「みどり会」は、高岡の漆器職人のみで構成される集団である。1919年(大正8年)に設立され、現在に至るまで80年以上も営々とその活動を続けている。この会は、「技術をもっと磨きたい」という学校の卒業生が集まる研究会からスタートした。
 学校とは、伝統産業に従事する徒弟の商工教育機関として設立された「高岡商工実修学校」のことで、「みどり会」の名称は、当時、実修学校の講師であった生駒弘先生が、若々しい職人に因んで名付けたという。
 主な活動は、展示会とそれに伴う研究会、そして各地の産地視察であった。会の発足当時、展示会は高岡駅前の富山県工芸品陳列場で年一回催された。後に高岡市商工奨励館、旧高岡市立美術館と会場が移る。展示会には、漆器問屋が作品を商品見本にするため、先を争って買い付けに来たという。また戦前には、東京の三越や高島屋、大阪では大丸などのデパートで展示会を行った。
 現在、職人集団「みどり会」は、今後さらに社会環境が変化する中で、先人たちが築いてきた職人の誇りを忘れずに、次世代にどうバトンタッチしていくかがこれからの課題である。

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