ルイス・キャロル(Lewis Carroll)について


 「ルイス・キャロル」というのはペンネームで、本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドジスンです。イギリスの童話作家であり、聖職者、数学者、記号論理学者でもあります。著作は255点にのぼります。
 奇術やゲーム(チェスやビリヤード)が大好きで、数学的パズルや言語ゲーム、暗号解読法、数字記憶法などを発明しました。
 チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン(ルイス・キャロル)は、1832年11人兄弟の長男として生まれます。牧師の父と愛情豊かな母のもと、宗教心の厚い、誠実で克己心のある人間に育っていきます。
 1850年にオックスフォード大学に入学、「特別研究生」の資格を得、生涯クライスト・チャーチにとどまって自由な研究を行うことが保障されます。1854年にオックスフォード大学を卒業、23歳の時にオックスフォード大学の数学講師になります。
 1855年、年老いた学寮長の突然の死去で、ヘンリー・リデルがその地位に着き、大学の改革を行います。キャロルも機構改革に伴うさまざまな議論に関心を持ちます。私生活の面でも、キャロルはリデル一家の影響を受けます。
 学者、数学者、聖職者といった公的な役割のほかに、キャロルは演劇や詩や美術、物語の創作、写真術への興味を膨らませます。四つの案の中から「ルイス・キャロル」というペンネームを選び、雑誌『トレイン』の1856年の三月号に掲載された「孤独」というシリアスな詩の作者としてデビューを果たします。『トレイン』に発表されたキャロルの作品の中には、ワーズワースの詩「決意と自決」をパロディにした「人なき荒野にて」があり、それは後に『鏡の国のアリス』の中で、形を変えて白の騎士によって歌われることになります。
 1865年に『不思議の国のアリス』を自費出版、39歳の時に『鏡の国のアリス』を出版します。1876年に『スナーク狩り』、1896年には『記号倫理学 第一部』を出版します。
 1898年1月14日に気管支炎が悪化し、66歳の誕生日の2週間前に65歳で死去します。




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