第11回 表現の自由と差別
1.「表現の自由と差別」問題の構図
- 文化・思想の発展への悪影響
- 「思想の自由市場」論
→「差別的な思想」も含めて多様な思想が競いあうことにより、優れた思想が生き残ってゆくという考え方。
- 人間の「醜い部分」「暗い部分」を描くことも必要。表現の規制は文化の発展を阻害する
- マスメディアの影響力の大きさ
- 現在ではメスメディアを通じて流れる情報は、送り手の意図を超えて様々な影響を受け手に及ぼしてしまう。
- 受け手の多様性、受け取り方の多様性
- 規制の方法への批判
- 「言葉狩り」−特定の「言葉」を規制することに対する批判
- 表現者ではなく、放送局や出版社による「自己規制」
→表現者の不満
- 国家の関与への批判
- 国家権力による「検閲」の正当化につながるという懸念
2.表現内容について
1)「差別の意図」をめぐる混乱
差別表現の基準として用いられる論理
- 偏見の再生産
- 「傷つける表現」
- 差別の意図
しかし、1と2は「偶発的」な問題であり、解決は比較的容易。もっとも困難な問題は3の「差別の意図」の理解にある。また、1や2もその背景に「差別の意図」を仮定してしまう。
「差別の意図」は侮辱や攻撃の意図だけなのだろうか?
2)「差別表現」の事例
→資料参照
3.規制の方法について
規制の基準の問題
- 特定の「言葉」の禁止という安易な方法
- 「差別論」の貧困さ
問題解決の方法
- 産業としてのメディアの構造的な問題
- 表現者のすそ野の拡大
- 第三者機関の必要性
4.インターネット時代の新たな問題
- だれもが情報発信ができる
- メリットであると同時に無責任な情報発信の増大ももたらす
- 規制の技術的困難さ
- 規制の論理の拡大
- 支配者にとって都合の悪い情報を規制しようとする試みと連動する可能性
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