第1回 「差別問題」とは何か?
差別の定義
差別の(客観的)定義の例 →資料参照
定義のポイント
- 集団ないし社会的カテゴリー
- 不利益または格差
- 不当性
客観的定義は可能か?
- 「不当性」とは何か? 何をもって「不当」とするのか?
- 「平等」のとらえ方のバリエーション
- 結果の平等
- 機会の平等
- 投資した資源(努力)と結果のバランス
- 「不当性」の基準は文化によって、時代によって変化するため、「差別」を包括的に定義することは非常に困難。
差別問題にとって「差別の定義」とは何か?
- もし、誰もが納得する完璧な「差別の定義」ができれば、それで差別問題の大部分は解決する。個々具体的な場面にその「定義」を適用して、「差別」であることが分かれば、それを禁止したり修正したり、処罰すればよい。
- しかし、現実はそうではない。むしろ「何が差別か」がつねに争われているのが「差別問題」の特徴である。
- この授業では、「差別」を「争われている問題」としてとらえる。
「告発」による定義
客観的定義とはまったく異なった定義として、差別を「告発」によって定義する方法がある。
- 差別問題を一連の社会的なプロセスとしてとらえる。
- ある根拠によって「差別」が告発される
- それに対して様々なリアクションが引き起こされる
- 様々な状況が告発とリアクションに影響を与える
- 問題点
- 「告発」がなければ差別はないのか?
- なぜ「告発」されるような状況が生じるのか?
原因としての差別、結果としての差別
差別は「結果」なのか、「原因」なのか?
- 例えば、収入に格差があることが「差別」なのか? それともその格差が生じた原因が「差別」なのか?
この授業では「原因」としてとらえることにする
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