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商店街への思い(過去)(スライド36)

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 続いて、商店主の方々から見た商店街の過去・現在・未来についての考察を発表します。商店街の方々は商店街の過去の姿をどのように捉え、現在活性化に向けてどんな活動を行っているのか、そして将来への考えや望みは何かということを、私たちは商店主のみなさんのインタビュー内容から考察していきました。
 まず、商店街の過去に対する思いについて述べていきます。インタビューした商店主の方々の中には、お客さんが商店街に来なくなった理由をその人個人の視点から分析している発言が見られました。私たちはその部分に注目し、過去への思いとしてまとめました。
お客さんが来店しなくなった理由にはまず、お店の独自性がなくなってしまったことが挙げられていました。
 牛島屋で働く武内さんはこう語られました。「ここのお店に行ってもあそこの店に行っても、同じものが置いてあるとね、そのお店に行かなきゃならない理由っていうのが、やっぱりどんどんどんどん減っていったんですね」。
 昔は、そのお店でしか手に入らないものやそのお店にしかいない名物店主の存在といった、そのお店独特の魅力があったそうです。しかし徐々に、どのお店でも同じ商品を仕入れるようになっていったそうです。
 また武内さんは次のようにも語られました。
「業種がすごく偏っていってしまって、やっぱりこの10年、20年来のなかで、割とファッションに特化してしまった部分というのがあるんですね。独自性というか、そういうものが若干低下した一つの理由になるかもしれないですね」。
 商品の画一化、業種の偏りにより、お客さんをひきつけるための「オリジナリティー」がなくなってしまったと言えます。どこにいっても同じなら、車でアクセスしやすい郊外店のほうが便利だという意識をお客さんに持たせてしまったのではないでしょうか。
 また他の理由に、商店街にお客さんが多数来訪していた当時の店側の態度についても述べられていました。 石谷もち屋を営む石谷さんは、「人間いい時になると、やっぱり多少天狗になるということじゃないけれど、お店に来るお客さんに、中央通りとか総曲輪の店の人は、いらっしゃいませの気持ちが全然見えないということを言われました。たぶん自分のお店のことも含まれていると思います」と語られました。
 また武内さんも、商店街という人が集まる環境に商店側が甘んじてしまった部分が大変あるのではないかと語られました。当時の商店街のお店の中には、お客さんを迎える気持ちやお客さんを呼び込む努力を怠ってしまったお店があったのではないかと思われます。そしてその態度が、お店の居心地を悪くしてしまったのではないでしょうか。
 以上のことから、商店街衰退には商店街の外部の要因だけでなく、お店のあり方といった内部の要因も関係していることが分かります。お客さんを再び呼び戻すには、外へ情報発信し注目を集めることも必要ですが、個々のお店が魅力を磨く努力をすることも欠かせないことだと考えました。


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