部落問題に関する「表現」の構造

−人権意識調査の自由回答項目の計量分析−


1.はじめに


 本論文は山田論文と同じく、A市における「同和問題に関する市民意識アンケート」の自由回答項目の回答の分析であるが、山田論文とは違った方法、すなわち計量的な方法を用いて分析を試みる。
 質問紙調査では調査票の最後などに、自由に意見などを書く欄が設けてあることが多い。この部分の回答は、いわば回答者の「生の声」が現れており、分析の対象として興味深いデータである。特に部落問題に関する意識調査の場合では、かなり多くの回答者がこの欄に記入し、また、一人当たりの回答もかなり長いという傾向があり、分析を行う上で非常に重要な項目だと言えるだろう。
 しかし、これまでの調査では、自由回答項目のデータは十分には活用されてこなかったように思える。特に、計量的な分析は非常に少ない(1)。
 自由回答項目の計量的な分析がほとんど行われなかった理由の多くは、その技術的な困難さにあるように思う。自由回答の文章データを計量分析に適用するには、データの数値化、すなわちコーディングが必要であるが、このプロセスが多大な労力を必要とするのみならず、コーディング過程でのデータの信頼性の低下の危険が大きいため、これまであまり顧みられなかったのではないだろうか。
 そこで、今回の分析では、筆者が開発したコンピュータプログラムを用いた自動コーディングを行った。この方法は、コーディングにかかる労力を節約し、データの信頼性を向上させるだけでなく、マルチコーディング、すなわち回答の単なる分類ではなく、1つの回答から複数の要素を抜き出してコード化することをより現実的なものとし、分析の幅を広げることにも成功した。

2.コーディング


 今回使用する自由回答データは、調査票の末尾近く、フェイスシートの前にある「問19」の回答である。質問文は、「部落差別問題について、あなたが日頃からお思いのことやお感じのことを、自由にお書きください。」というものであった。
 この質問になんらかの回答をした人は、全有効回答1342のうち、609ケース(45.4%)であった。回答者の属性は全サンプルと比較して、性別、年齢、職業において大きな偏りはなく、学歴では「大学短大」がやや多かった。

 データのコーディングには、筆者が開発した自由回答自動コーディングプログラム、「AUTOCODE」を用いた(2)。このプログラムは、テキストファイル化した回答文データから特定の文字列を検索し、みつかった場合に対応するコードを出力するというものである。この方法では、あらかじめコーディングの規則を文字列とコードの対応表として作成し、これをコーディングルールファイルとしてプログラムに読み込ませることになる。また、コーディングルールファイルは、前後の文字列を参照することによって、ある程度の文脈判断を行うルールも記述できるようになっている。
 コーディングルールファイルの作成は次のように行った。まず回答文からコード化が必要と思われる部分を抜き出し、それを整理して、同じ意味を持つと考えられるものを集め、いくつかのカテゴリーに分類した。次にこれらの文字列がどのような文脈で使われているかをもう一度原データでチェックし、カテゴリーを変更したり、補助的なルールを付加したりし(3)、最後にそれぞれのカテゴリーにコード名をつけた。こうして作成したコーディングルールファイルを入力すると、「AUTOCODE」はこれと原データと照らし合わせ、コーディングを行う。コーディングルールファイルは、単にプログラムに指示を与えるという目的だけでなく、第三者にもコーディングの基準を明示するというねらいもある。本論文の最後に、コーディングルールファイルを掲載するので参照していただきたい。

 回答文からの文字列の抽出の方針は、分析の方向性を決定する非常に大きなポイントである。例えば特定の表現や参照される事象に着目したり、あるいは「同和」「差別」などの単語を抽出するという方法も考えられるだろう。これらの方針も興味深いものではあるが、今回は、まず回答の全般的傾向をとらえたいという意図から、回答文の表現をなるべく活かすような形でコードできるように文字列の抽出を行った。
 また、それぞれの表現を独立したものとしてとりだし、回答文の他の部分をもとにした解釈をできるだけ行わないようにした。これは、例えば回答文中に差別的な表現と反差別的な表現が同時に現れるというような、ある意味では矛盾した解答も、その「矛盾」も含めてコードとして表現したいと考えたためである。
 コーディングの結果は表1に示した通りである。この中には、現状認識に関するものもあれば、差別問題のとらえ方に関するもの、運動や行政施策に関する評価や反発、提言、また、自己評価や態度表明のようなものまであり、非常にバラエティに富んでいる。しかし、以下の分析では、回答カテゴリーを、「現状認知」「評価」「態度」などの概念で分類したり構造化したりはしなかった。これは、文章では現状認識として表現されているものが、実はある態度の表明であったり、あるいは逆に批判や提言が特定の現状認識を前提にしている場合もあると考えられるからである。そこで、これらのカテゴリーは、すべて回答文中に現れた「表現」として同列に扱うことにする。

表1 コード

コード名ケース数
差別は現在もある26
差別はなくなってきている33
昔は差別はひどかった
身近に差別はない10
高齢者が問題だ19
若い人は問題ない24
部落問題は大切な問題だ
同じ人間だ58
差別はいけない69
差別はなくならない
意識の問題だ15
人間性の問題だ28
差別は根強い36
昔のことだ25
自然になくなる47
政治的に作られた12
他にも問題はある33
問題にしすぎ66
逆効果になる35
逆差別になっている48
優遇されすぎ75
行政施策は不公平16
行政施策の度が過ぎる19
行政のやり方が問題28
職員が問題
被害者意識11
甘えている
こわい11
被差別者に問題がある28
運動に問題がある43
寝た子をおこすことになる62
教育啓発の行きすぎ10
研修内容への不満14
研修が強制的13
本音が出ない13
競争も大切
その他の教育啓発への批判30
差別してしまうかもしれない11
普通に付き合っている24
自分が変わってきた
自分は差別していない28
なぜ続いているのかわからない
知らないほうがよかった13
反発を感じる14
実感がわかない
よくわからない40
実態がわからない10
なぜ差別があるのかわからない
差別への怒り
差別がなくなってほしい55
反省
同情26
接し方が重要12
相手の気持ちになって10
他の差別問題への取り組みも
行政は主体性を
基本法が必要13
行政の施策が必要10
運動は必要10
被差別者が努力すべき22
教育啓発の改善提案22
教育啓発は不要19
言わないほうがいい77
教育啓発が必要63
関心がない29
努力したい25
知らなかった25

3.自由回答の構造


 まず、コーディングによって得られた回答カテゴリーの相互の関係を調べてみることにする。分析方法は多次元尺度構成法(MDS)を用いた。これは、様々な対象の相互の類似性を、2次元、3次元あるいはさらに高次の空間における距離として表現し、それぞれの対象をその空間に配置することによってデータの構造を浮き上がらせようとするものである(5)。

  分析に用いた変数は、回答パターンの中から次のような考え方で選択した。まず、反応数が20に満たない回答パターンは基本的に除外した。これは、他の回答パターンとの関連を調べるときに、誤差が大きくなりすぎるためである。ただし、1つの回答パターンの反応数が少なくても、他のパターンと併合して1つのカテゴリーにまとめることができ、その結果反応数が20を越える場合には、併合したカテゴリーを採用した(表2)。さらに、残余カテゴリーである回答パターンや言及対象のみに注目してまとめたカテゴリーなども除外した。具体的には、「行政のやり方が問題」「その他の教育啓発への批判」「同和教育の改善提案」であり、これらは実際の回答文(中の「主張」)がかなり多様なため、他のカテゴリーとの類似性が安定しないと考えられるからである。また、「わからない」「関心がない」「知らなかった」も除外した。

表2 併合したカテゴリー

併合したカテゴリー名もとのコード名
被差別者に問題がある被害者意識
甘えている
こわい
被差別者に問題がある
取り組みが必要基本法が必要
行政施策が必要
運動が必要

 このような方法で、最終的に29のカテゴリー(ないしは併合したカテゴリー)を抽出し、それぞれについて、「回答あり」「回答なし」の2つの値を持つ変数を作成した。
 回答パターン間の類似性は、2つのパターンが同じ人の回答に同時に出現する相対的頻度として定義する。すなわち、Aという回答パターンとBという回答パターンが同じ人によって同時に使用される可能性が高ければ,AとBの類似性は高いと考えるわけである。このような定義を満たす指標としては、ピアソンの積率相関係数などを用いることもできるが、本分析では、それぞれの変数の分布が非常に偏っているため(「回答あり」の割合が全有効サンプルの2〜5%、自由回答になんらかの回答をした人数に対する割合でもたかだか10%)、Jaccardの類似性測度として知られている指数を用いた(6)。
 分析に用いたプログラムは、SPSS統計パッケージに収録されているALSCALである。これに先に述べた方法で計算した類似性行列を入力し、これを順序尺度として扱って、非計量多次元尺度構成法を行った。
 分析の最初の段階は、次元数を特定することから始まる。表3は5次元から2次元までの適合度(STRESSとRSQ)であるが、全体的にSTRESSの値はかなり高く、4次元から3次元でも0.062と大きく値が変化している。そのため、適合度だけから見ると、4次元ないしはさらに高次の解が要求されるが、それらは視覚的に表現することが困難であり、なおかつ3次元解でも十分解釈可能であったため、3次元解を採用した(7)。

表3 各次元数での適合度

次元数STRESSSTRESSの差RSQ
0.108 0.797
0.1420.0340.729
0.2040.0620.616
0.2920.0880.507


 3次元解の各変数の座標は表4の通りで、これをプロットしたものが図1である。横軸が第1次元、手前から奥への前後の軸が第2次元、高さが第3次元を表している。3次元空間をむりやり平面上に表現しているので、あまり判りやすいとは言えないが、それでも、表4の数値なども手掛かりにしながら見ていくと、互いに近接するいくつかのグループを見出すことができる。図1では、同じグループに属すると思われる変数を同じ記号で表した。
 まず、○印で表したグループは、図の右手前、中間からやや高い位置に展開していおり、「差別はある」「努力したい」「取り組みが必要」などを含む、厳しい現状認識と積極的な姿勢を共有するグループであると考えられる。以下、このグループを「積極グループ」と呼ぶことにする。●印で表したグループは、右奥、やや低い位置に展開し、「同情」「なくなってほしい」「差別はいけない」などの同情的ないしは建前的な表現を共有するグループである。これを「建前グループ」とする。△印で表したグループは、中央やや奥の高い位置に展開し、「差別はなくなってきている」「自分は差別していない」「若い人は問題ない」などの、差別の存在を否認するような表現を共有している。これを「否認グループ」とする。▲印で表したグループは、中央の低い位置に展開し、「被差別者の努力が必要」「被差別者に問題がある」「運動に問題がある」など、被差別者に対する批判や攻撃を共有している。これを「攻撃グループ」とする。□印で表したグループは、左のやや高い位置に展開し、「自然になくなる」「問題にしすぎ」「言わないほうがいい」など、差別の隠蔽と楽観的な見通しを共有している。これを「隠蔽グループ」とする。最後の■印で表したグループは、左の中間からやや手前、中間からやや低い位置に展開し、「逆差別である」「寝た子を起こすな」「優遇しすぎ」など、行政施策等への反発を共有している。これを「反発グループ」とする。

表4 各回答パターンの座標

回答パターン     図1での記号 次元1 次元2 次元3





差別は現在もある     1    1.3626 -1.7913 -0.4203


差別はなくなってきている 2    0.2592  0.2610  1.7161


若い人は問題ない     3    -0.7359  0.7420  1.5059


同じ人間だ        4    0.3378  1.0262 -0.8031


差別はいけない      5    1.1151  0.2146 -0.7292


人間性の問題だ      6    1.4253  0.8531 -0.6463


差別は根強い       7    1.1916 -0.7451  1.0204


昔のことだ		     8       -1.0320  -1.4493  -0.3932


自然になくなる		 8       -0.8785  -0.5931   1.4274


他にも問題はある	       A       -1.2292   0.0389  -0.9646


問題にしすぎ		   B       -1.2652  -0.0269   0.6497


逆効果になる		   C       -0.2859  -1.5242  -0.1661


逆差別になっている	     D       -1.4746   0.2849  -0.7032


優遇されすぎ		   E       -1.1112  -0.2402  -0.9468


被差別者に問題がある	   F       -0.3362   0.6682  -1.2685


運動に問題がある	       G	0.1492   0.0507  -1.6284


寝た子をおこすことになる       H       -1.5278  -0.6727   0.0788


普通に付き合っている	   I       -0.5463   2.1796   1.0818


自分は差別していない	   J       -0.2070   1.9159   0.9890


差別がなくなってほしい	 K	1.6095   0.2405   0.3016


同情			   L	1.1371   1.0609  -0.5065


取り組みが必要		 M	1.4113  -0.1778   1.1481


被差別者が努力すべき	   N       -0.2834   0.2776  -1.5744


言わないほうがいい	     O       -1.2964  -0.2362   0.7250


教育啓発が必要		 P	0.9857  -0.6096   0.2352


努力したい		     Q	1.2248  -1.7476  -0.1283

図1

























□<隠蔽グループ>
9 自然になくなる
B 問題にしすぎ
O 言わないほうがいい

■<反発グループ>
8 昔のことだ
A 他にも問題はある
C 逆効果になる
D 逆差別になっている
E 優遇されすぎ
H 寝た子をおこすことになる

△<否認グループ>
2 差別はなくなってきている
3 若い人は問題ない
I 普通に付き合っている
J 自分は差別していない

▲<攻撃グループ>
F 被差別者に問題がある
G 運動に問題がある
N 被差別者が努力すべき

●<建前グループ>
4 同じ人間だ
5 差別はいけない
6 人間性の問題だ
K 差別がなくなってほしい
L 同情

○<積極グループ>
1 差別は現在もある
7 差別は根強い
M 取り組みが必要
P 教育啓発が必要
Q 努力したい


 これらのグループの相互の位置関係は次のようになっている。「積極グループ」と「建前グループ」は隣接した位置にあり、大雑把に見れば、前後に広がりのある1つのゆるやかな連続体を構成しているとも考えられる。この連続体の内部では、最も手前にある「努力したい」などの積極的な回答から、「取り組みが必要」などの中間的な回答を経て、一番奥の「同じ人間だ」など一般論を述べるにすぎないグループへと変化しており、前後方向の変移が「自己と部落問題との距離感」を示しているとも考えられる。
 「隠蔽グループ」と「反発グループ」は上下に隣接しいる。この2つのグループは、同和対策事業などに対して否定的である点で共通しているが、「隠蔽グループ」の方が、「否認グループ」と近い位置にあり、「部落差別は解消しつつある」という認識と親和性があるのに対して、「反発グループ」は「攻撃グループ」により近く、「彼らと我々」という対抗的な社会認識と親和的だと見ることができる。
 「否認グループ」は他のいずれのグループとも距離を置いている。このグループは、内部での相互の距離が比較的大きく、さらに「自分は差別していない」「普通に付き合っている」と、「差別はなくなってきている」「若い人は問題ない」の2つのサブグループに分けることもできる。
 「攻撃グループ」も他のいずれのグループからの距離が大きく、かなりはっきりと識別できるグループである。

 以上のような各グループの位置関係をもう少し統一的な視点で見るために、各次元の意味を考えてみよう。MDSは、因子分析や数量化3類とは違い、結果の解釈において、次元(因子や軸)の解釈を重視しない。これは、MDSが各変数間の距離(非類似性)を多次元空間において表現するための解析法であり、各次元の方向を決定する基準を特に持たないためである。
 しかし、空間での各変数の位置がなんらかの規則性を持っていることは十分考えられるので、空間上の位置と他の変数との関連を手掛かりにして、規則性を調べてみよう。
 まず、選択肢項目の変数の中から基準となりうる変数(以下基準変数、表5)をいくつかピックアップし、自由回答の各パターンについて、それぞれの基準変数の平均値を求めた。この平均値と、MDSで得られた各次元の座標(右、奥、上がそれぞれプラス方向)の相関を計算したのが表6である。
 これを見ると、次元2、次元3と高い相関を持つ基準変数はないが、次元1は
表5 基準変数

広報記事を読む頻度
質問文:「(A市の広報誌名)」には、いつも同和問題の記事がのっていま す。あなたは、こうした記事をどの程度読みますか。
選択肢:「いつも読む」(1)から「まったく読まない」(5)の5点尺度
前処理:大きいほど頻度が高くなるように調整

意識改革の必要性因子
質問文:部落問題をなくすためには、市民にどのような意識が広がればよい と思いますか。次のそれぞれの項目について、あなたのお考えに一 番近い番号に○をつくてください。
1)「みんな同じ人間だ」という意識
2)「差別はあってはならない」という意識
3)「差別する人はみにくい」という意識
4)「差別された人の痛みをわかってあげよう」という意識
5)「差別をなくすのは私だ」という意識
選択肢:「そう思う」(1)から「そう思わない」(4)の4点尺度
前処理:因子分析によって1つの因子を抽出。固有値は2.53、寄与率は 50.6%であった。大きいほど必要性を感じているように調整

結婚における身元調査
質問文:結婚をめぐり、次のような2つの考え方があります。
甲:子どもの結婚は本人同士だけの問題でないので、親や身内と して結婚相手の身元を調べるのは当然だ。
乙:子どもの結婚は本人同士の問題なので、親や身内として結婚 相手の身元を調べる必要はない。
これについて、あなたのお考えに最も近いところの番号に○をつけ てください。
選択肢:「甲に近い」(1)から「乙に近い」(4)の4点尺度
大きいほど必要はないと考えている

同和対策の必要性因子・同和対策の公正感因子
質問文:世の中には、次のような意見があります。あなたはそのような意見 に共感をおぼえますか、それとも反発を感じますか。次のそれぞれ について、一番近い番号に○をつけてください。
1)同和対策事業は、環境改善など全体を良くするのに役立った。
2)行政は運動団体の要求を受け入れすぎている。もっと主体性を持 つべきだ。
3)一人ひとりを大切にするという同和教育の精神は、すべての学校 教育の基本だから、学校は同和教育に力を入れるべきだ。
4)同和対策とかいって、行政が同和地区の人にだけ特別の施策をす るのは不公平だ。
5)差別差別と言うから、いつまでも差別が残るのだ。そっとしてお けば、部落差別は自然になくなる。
6)差別される立場の人が解放運動に立ち上がるのは、当然のことだ。
7)同和問題はむずかしい社会問題なので、自分のような人間は関ら ないほうがよい。
前処理:因子分析で2つの因子を抽出。第1因子の固有値は2.51、寄与 率は35.8%で、1)、3)、5)、6)、7)の因子負荷量が高い(5)、 7)は負の値)。これを、同和対策の必要性因子とする(大きいほど 必要性を感じているように調整)。第2因子の固有値は1.49、 寄与率は21.3%で、2)、4)の因子負荷量が高い。これを同和対 策の公正感因子とする(大きいほど公正だと感じているように調整)。

研修会出席頻度
質問文:あなたは、これまでに、同和問題についての「(A市の行っている 地域学習会名)」に参加したことがありますか。当てはまる番号を 1つ選び、○をつけてください。
選択肢:「何度もある」(1)から「ない」(3)までの3点尺度
前処理:大きいほど出席頻度が高いように調整。

表6 基準変数との相関係数

広報記事 意識改革 身元調査 対策必要性 対策公正感 研修会

次元1 .7158 .7171 -.7432 .8909 -.2392 .5735
次元2 .1551 .0977 .0732 -.0661 .1918 .0931
次元3 .0893 .0172 -.2456 .1292 -.1563 -.1565

いくつかの基準変数と高い相関をもっていることがわかる。特に、「対策事業の必要性因子」との相関は、0.89と非常に高い。このことから、3次元プロットの次元1(左右方向)は、同和対策事業の必要性の認識度とほぼ対応し、右へ行くほど必要だと感じていると言えるだろう。また、啓発などに対する接触頻度(広報記事、研修会)や「意識改革の必要性因子」との相関も高く(右へ行くほど接触頻度が大きく必要性を感じている)、選択肢項目の変動との関連が大きいという意味で、最も主要な次元であると言えるだろう。
 次元1に注目してもう一度図1のプロットを見ると、先の6つのグループは、右、中間、左に2つずつ存在している。右に位置する、すなわち、啓発接触が大きく対策事業や教育啓発活動の必要性を認めるのは、「積極グループ」と「同情グループ」である。左側に位置するのは「隠蔽グループ」と「反発グループ」、そしてその中間には「否定グループ」と「攻撃グループ」がある、という配置になっている。
 このように分類した上で、基準変数との関連では意味を特定できなかった次元2、3について考えてみよう。右側の2つのグループは、上下方向よりも前後方向に広がっているのに対して、中間と左の4つのグループは、前後よりも上下方向に広がっている。このように、プロットの右と左で広がりの方向が違っているのは、左右の(類似性の)構造が異なっており、しかもそれらが互いに接合していないということを意味していると考えられる。
 右側の2つのグループの前後方向の変移は、先に触れたように、「自己と部落問題との距離感」だと考えられる。それでは、中間と左のグループの上下方向の変移は何を意味しているだろうか。




4.2つの「回路」


 図1のプロットの上下方向の変移を説明するために、もう一度左と中間の4つのグループについて考えてみよう。まず、最も上に位置する「否認グループ」は差別の存在の否認を基調としており、これは、次に上位にある「隠蔽グループ」もある程度共有している。これに対して、最も下に位置する「攻撃グループ」は被差別者に対する批判や攻撃を基調としており、次に下位にある「反発グループ」の特徴と合わせて考えると「彼らと我々」という対抗的な社会認識が下に位置するグループの共通性だと考えられる。
 とするならば、(プロットの左側の)上下の変移は、ある1つの基準での大小というような量的な変移ではなく、質的な差異であると考えるほうが現実的であろう。すなわち、「差別は解消しつつある」という認識と「対抗的な関係にある」という認識の質的な差異が上下方向の変移として表現されているのである。

 中間の2つのグループ(「否認グループ」と「攻撃グループ」)では、こうした質的な差異が大きな距離として表現されており、いわば純粋な形で2つの認識(「差別は解消しつつある」と「対抗的な関係にある」)が現れている。注意すべき点は、これらの2つのグループが、左右の次元において中間的な位置にあるということである。すなわち、「差別は解消しつつある」あるいは「対抗的な関係にある」という認識の純粋な表現形態は、同和対策などに対して最も反発するグループにあるのではないということである。
 同和対策などに反対する左側の2つのグループでは、「差別は解消しつつある」と「対抗的な関係にある」という2つの認識は、より近い距離で表現されている。すなわち、2つの認識が重なりあって「逆差別」「寝た子を起こすな」などの特徴的な表現を産み出しているのではないだろうか(図2)。
 このように考えると、中間の2つのグループが(純粋に)表現している2つの認識は大変重要である。「差別は解消しつつある」と「対抗的な関係にある」という2つの認識は、それ自体が独立して存在している限り、同和対策などに反対する立場に結び付くとは必ずしも言えないが、この2つの認識が組み合わさったときには、「逆差別」などを含む、同和対策などに反対するグループを産み出すのである。従って、「差別は解消しつつある」と「対抗的な関係にある」という2つの認識は、いわば「反同和対策」意識へと向かう2つの「回路」として機能していると考えることができるだろう。

5.おわりに


 今回の分析は、全く探索的なものであったにも関らず、「反同和対策」意識への2つの「回路」の発見という大きな成果を得ることができた。もちろん、分析の性格上、これらはまだ仮説にすぎず、今後のより精密な研究によって検討されなければならない。
 また、本分析はデータと分析方法がやや特殊であるため、これに由来する問題点も指摘しておかねばならないだろう。
 まず、データについては、自由回答一般がそうであるように、回答率が低いことがあげられる。今回のデータの場合は45.4%と比較的回答率が高いが、それでも半数以上の人が答えていないことになる。そのため本分析は、あくまでも「自由回答項目に答えた人」のみの分析にすぎない。ただ、最初に述べたように、フェイスシート項目の分布にはあまり片よりはないため、ある程度は全体の意識を反映したものだと言えるだろう。
 また、選択肢項目とは違って、コーディングの段階で研究者の主観の入り込む余地が大きいという問題もある。しかし本研究では、コーディングルールファイルを公開することにより、そのプロセスを明らかにしてあるため、読者はその妥当性をある程度は判断できるだろう。
 付け加えるならば、これは今回用いたコーディング方法の大きなメリットである。コーディングルールファイルという形で、コーディングの基準を明らかにすることにより、第三者がそれを検討することができるのみならず、同じ基準によって別のデータを分析し、今回の分析結果を再検討したり、比較したりすることが可能になるからである。

 分析方法については、回答パターン間の「類似性」を鍵にして分析を行っている点が、最も注意深く検討されなければならない点であろう。ここで用いた「類似性」とは、「回答パターンが同じ一人の人によって同時に使用されている頻度」ということである。
 本来一人の人が、全く異なった意見や立場表明を行う可能性は非常に低いはずである。しかし今回のデータでは、全く違った意見を同時に述べるような、ある意味では矛盾した回答が多く見られた。この「矛盾」を、例えば一方が「建前」であり、もう一方が「本音」であるというように見るならば、本分析で用いた「類似性」は疑わしくなる。しかし、回答者が本音と建前を使い分けているかどうかは回答文からだけでは知ることができず、また仮にそれが本音と建前であったとしても、ある種の本音とある種の建前に親和性が認められることから、何らかの構造が明らかにできるかもしれないと考えた。
 こういったことからも明らかなように、今回の分析は、回答者の「表現」をそのまま用いた、表層的な分析である。今後の分析では、全く違った視点から回答文をコード化したデータによって、より深層の構造を明らかにするような分析も行っていかねばならないだろう。





1)数少ない自由回答の計量分析の例として次の研究がある。

八木晃介、「差別意識のパーソナルイメージ」、
関西大学人権問題研究室紀要 12、1986

 これは、大阪府箕面市が1982年に行った「人権問題に関する市民意識調査」の自由回答欄を分析したものである。八木氏の分析は、「回答者がもっとも主張したがっている論点」を求めるという視点から、回答を8つのカテゴリーに分類し、そのカテゴリーと様々な選択肢項目との関連を調べている。
八木氏の方法は本論文の方法と多くの点で共通性を持っているが、最も異なるのは、八木氏が回答を分類しようとしたのに対して、本論文では、マルチコーディング、すなわち、1つの回答に対して2つ以上のコードがつけられることを許した、という点にある。

2)「AUTOCODE」を使ったコーディング法については現在の所まとまった 文献が存在しないが、基本的な考え方については、以下を参照してほしい。

佐藤 裕 「自由回答のコンピュータコーディング」
第14回数理社会学会大会研究報告要旨集、1992

 また、プログラムそのものについては、パソコン通信ネットワーク上でフリーウェアとして公開している(NIFTY-Serve、心理学フォーラムデータライブラリ)。

3)例えば、「逆差別である」という意味で「逆差別」という文字列を抜き出した いとき、もし「逆差別だというのは間違っている」という回答文があったとす ると、これをコードするのは適当ではない。そこで、「逆差別」という文字列 の直後に「だというのは間違っている」という文字列が出現した場合にはコー ドしない、というルールを付加する。

4)例えば「研修会に出席した」「学校で初めて知った」など研修経験や認知経路 に関する表現は今回の分析には用いなかった。

5)多次元尺度構成法については以下の文献を参考にした

Kruskal,Joseph B. & Myron With, Multidimentional Scaling, Sage, 1978
高根芳雄訳、『多次元尺度法』、1980
Shepard,Roger N.,A.Kimball Romney & Sara Beth Nerlove eds.,
Multidimentional Scaling Volume1: theory Volume2: Applications,
Seminar Press, 1972
岡太彬訓、渡邊惠子訳、『多次元尺度構成法 I、II』、1976,1977
三宅一郎・山本嘉一郎・垂水共之・白倉幸男・小野寺孝義、
『新版SPSSX III 解析編2』、東洋経済新報社、1991


6)Jaccardの類似性測度の計算法は以下のとおりである。
  変数1と変数2が、ある特性の「あり」と「なし」の2つの値を持つ変数で あるとき、ともに特性「あり」のケース数をa、どちらかが特性「あり」でも う一方が特性「なし」のケース数をそれぞれb、cとすると、Jaccardの類似性 測度は

a / (a+b+c)

により求められる。

これについては、以下の文献を参考にした。

垂水共之・西脇二一・石田千代子・小野寺孝義、
『新版SPSSX II 解析編1』、東洋経済新報社、1990

7)MDSの次元数の決定は、1)適合度、2)安定性、3)解釈可能性、4)表現しやす さ、の4つの基準を総合的に判断すべきで、特に3)、4)が決め手になる場合が 多い(Shepard他前掲書 訳書P11)。

付録 コーディングルールファイル


・MDSで用いたコードのみの抜粋し、さらに類似した表現を削除するなどの編集を行っている。
・<>で囲まれた部分はコード名であり、それに続いて、そのコードに対応する文字列が列挙されている。
・文字列中の「*」は、その部分にどのような文字(列)が入っていてもよい、というルールを示している。
・「>」は、それに続く文字列がその上の行の文字列の直後に出現した場合にはコードをしないというルールを示している。また、「<」は、それに続 く文字列がその上の行の文字列の直前に出現した場合はコードをしないというルールを示している。




<差別は現在もある>
へんけんがある
まだまだ陰口を耳にします
まだまだ差別問題が残存する
家柄や出身は重要視されているのは、本当
学校や職場などで差別されている
楽観的な見方をしていましたが、安易
間違った考えをもった人が多い
結婚”ということになると差別が
結婚となると気にする人がいる
結婚に際して障害のあった実情をおききする
結婚はいまだに身元調査をする
古い慣習にとらわれている方が多い
今日なお部落差別きびしく
差別意識を持っている人もいる
差別戒名をお寺の住職が 堂々とつけている
精神面での差別はある
特殊部落は依然として厳しい差別を受けて
部落差別は確かに現存している

<差別はなくなってきている>
そんなに根強く差別が残っているのかな?
皆考え方が変って来てゐます
月日と共に人間の根深さは薄れていっている
現在実質的に部落差別があるとは思へない
今そんなに部落差別があるとは思えない
今の世の中は部落民の事はあまり興味がない
今頃の人達は、何も知らない
今日では差別はない
差別はなくなってきている
差別を受けたと云う人が 近頃はもういない
思っているほど回りは差別していない
私をふくめわだかまりはないと思っている
時代は、変わってます
徐々に改善されている
人々は何とも思はずにおつきあいを
他の人はその事を気にはしていなかった
知らない友のほうが多かったように思います
同和事業の環境改善は全体に良くなっている
部落と言う言葉を知らない時代
部落の人だといって差別していない
部落差別があるとか無いとかは耳にしなく
平等に生在する様になって居ると思います
平民として差別はなかった
法律、社会制度には全く差別がない

<若い人は問題ない>
(20〜30代)では*いちいち気にしない
現代の若人は 別に差別を気にしていない
今の子供は*差別などしておりません
子供たちは、差別なく*仲良く遊んでいます
私達の子供はほとんど意識しなくなっている
私達の年代はあまり差別にこだわらなく
私達四十代*差別問題がどうこうとは
児童、生徒は*素直な心で差別意識はない
若い人たちは*差別はしていない
若い人は昔の人に比べると、心が広い
若い人は知らない
若い人は問題ない
若い人は余り気にしない
若い人達*部落と言う事さえ知らない
若い世代の人は、差別*関心はあまりない
戦後生れの人間は*あまり意識はない

<同じ人間だ>
どこの出身であろうと 人間に変わりはない
みんな平等
>にしてほしい
みんな人間同志
れっきとした同民族
人は平等です
人間は生れながらにして平等
人間皆同じ
人種も同じ日本人同志
同じ血の流れている人間
同じ人間
>なのだというのは ちがう
同じ日本人
日本人は皆同じ
部落の人とて一人の人間です

<差別はいけない>
あってはならない
<無感心で
いかなる差別行為はなされてはならない
いつまでもひきづるのはよくない
いわれなき差別と思う
すべての差別に反対
なくしていかなければと思います
一日も早い解決がされなければならない
経済大国の信じられない恥部である
血の差別は良くない
現在も引続き差別されているのは問題
現代の時期にそれは、まちがいと思います
差別があってはいけない
差別があることは許されないこと
差別が悪い事は、わかっている
差別される人、差別する人、ともに悪い人
差別したりすることは、根本的に不自然
差別してはならない
差別するのは 絶対にいけない
差別するのはおかしい
差別する人もいけないと思う
差別する理由はない
差別に対しては悪い事だと思っています
差別は、なくさなければいけない
差別はあつてならない
差別はいけない
>といいながら
>と学びながら
>と的に見えても仕方ない
>と判っていながら
差別はすベきではない
差別はなくさなければいけない
差別はまちがっている
差別は悪だと思う
差別は絶対に許してはいけない
差別問題が残存*憂慮する
人を不幸に追いやり、利用するのは社会悪
人間としてあってはいけない
人間としてみにくいこと。 つまり差別
同じ人間同志でありながら*許せない
部落解放問題は*根絶されねば ならない
部落差別は人として、人にあらず
部落差別は反対

<人間性の問題>
おもいやり
すべての物に感謝
すベての生命を大切にする気持
ひとりひとりを大切に
みとめ合うこと
やさしさをもって接しているかどうか
一人一人が大きくむねを広げて飛立つべき
互いに自分の行く道にそんけいをして
公共性、常識人間のほこりや尊巌など
広い心の持主であってほしい
差別をしない優しさ
思いやりを持って
手をつないで 助け合って
色いろな人間がいるのだと認識して
人の心を改めるべき人作り教育こそ大切
人の命の大切さを教えるベき
人の立場になって考えるきもち
人を大切にするよう
人格を尊重する
人格的向上
人間はみんないっしょになか良く
人間性の問題
人問の調和
人様に迷惑をかけるな
心がきれいにならなければ
心と心の通いがあれば幸せ
心の教育が必要
世の大人の生き方を、考えねば
全ての人が大切にされ、愛され、
相互にいたわり合う 優しさ
他の人を愛することが出来るように
暖かい気持の持てる人間形成作り
毎日の生活に感謝

<差別は根強い>
そう簡単にはかたずくまい
なかなか無くならない
むずかしい事
むづかしい問題
解决には永い時間がかかる
改革は難しそう
簡単には直らない
急に解決出来る事ではない
根強い
<気質が
>運動
>私達には
>知識
根強く
>差別が残っているのかな?
根深い
根絶はむづかしい
時間の経過によって払拭されるものではない
人間の根源の問題
早急に解決出来る問題ではなく
大変な努力と時間が必要
部落問題は何年たってもなくならないですね
本当に大変な事

<昔のことだ>
いつまでも同和ではない
遠い昔の話のような事
遠き江戸時代に作られた
過去の遺跡
過去は過去
古い話
江戸時代にされた事
今さら、とやかく言うもんだいでは
今どき古い
終っていること
昔からの言い伝えみたいな
昔がそうであったからと云って
昔とちがって
昔のこと
>が頭にある
昔のバカげた習慣
昔は昔
昔差別を受けたからといって
歴史上のことで過去のこと

<自然になくなる>
10〜20年先には
30年後には差別はなくなる
そっとしとけば消滅する
ほっておけばなくなる
何年かするとそんな話もしなくなる
子供たちの時代には なくなるもの
私達の子供が結婚する時代
時間が解決してくれる
時代が変れば自然に解決する
自然と差別がなくなって行く
自然になくなる
自然にわすれる
自然に解決してゆく
自然に解消して行
自然に消えていく
自然に消滅する
若い人々が親になるころには
若い人達の時代になれば
十年後にはなくなる
段々と知らなく分らなくなるの
二世代をこせばわからなくなる
話を聞かなければ何にも知らず

<他にも問題はある>
その問題より、*学校でのいじめ
それいがいに まだまだする事がたくさん
それ以外に差別は色々とたくさんある
もっと 身近*考えなければならないことが
もっと市でやる事がありはしないか
もっと障害者などの差別をなくする事が大切
もっと人間として*だいじな事がある
一般の人も多少の差別は受けており
国際化*差別だの言い合ってる時ではない
困っている人は皆んないっしょ
差別は部落ばかりでなく
差別ばかり目くじらを立てるより
私の町の中でも人間の感情的差別
人主差別等まだまだ大きな問題もある
世の中それ以上に苦しみ*人が沢山います
他に福祉、道路、老人等
長女とか次女と差別*も有る事ですのに
同和だけが差別ではない
同和の事だけが問題ではない
同和地区以外にも 差別されている人*いる
白人と 黒人の差別の方が もっとひどい
不当な差別*を受け 戦っている人もあり
部落差別だけが差別ではない
部落差別だけではなく ほかの*差別はある
部落差別だけを取上げないもっと全体の事

<問題にしすぎ>
あまりおおげさに取立てて言うと抵抗がある
あまり重視しすぎ
あまり問題にしすぎ
あんまり同和問題 同和問題といわれると
いつまでもいつまでもその事にこだわって
いろいろと言ったりするからよけい悪い
とりあげすぎる
とりあげるから、差別がなくならない
わざわざ大きくしているようなもんだ
言葉でうめつくし
口に出しすぎ
今更さわぐ事ではない
差別、と言い過ぎてはないですか?
差別だのと云って 公報するのは
差別とあまりさわがないでほしい
差別といいすぎる
差別という言葉がありすぎて
差別とか、言うから
差別と騷ぐ
事ある毎に鳴らしてる
少々意識し過ぎるのでは
騒ぎすぎ
大きく問題にしすぎ
同和運動を強くとなえると
同和同和と気にしすぎだ
部落差別、部落差別とあまり活発にするより
無理に問題を大きくし ねじ曲げている
余りにも過度に提唱されたり
余り社会問題にしない方がよかった
余り重視し過ぎ
余り同和問題を持ち出すこと

<逆効果になる>
いろいろと言ったりするからよけい悪い
かえって深みに落ちる
そうするともっとその地区が浮き上がって
むしろ問題の解決を さまたげている
めぐまれすぎて、 差別を大きくしている
もんくが多くなる
よけいに警戒してしまう
わざわざ大きくしている
逆くに知人などは*普通に生活がしにくく
逆に、勉強する意欲、やる気を失わせる
逆に市民に不公平感を与えている
逆教育
逆効果
逆差別意識まで生まれ
取組む程、問題が根深くなる
反感をかう
反感を持たせ
反感を買う
反発を感じられます
反発心を招くのは当前
反面、そういう意識がいつまでも残っていく
部落差別を問題にするから いつまでも残る
返って差別意識を助長
目立つ事をすれば 増々差別を招く
問題解決に逆行する
裏目に出る

<逆差別になっている>
そういうこと自体が差別
その方が差別
どちらか差別されているか解らない
むしろこちらが差別されてる
一般の人の方が差別をされている
一般の人達は、不十分な事が多い
我々の方が苦しい生活を送っている
逆に我々が差別されている
逆差別
>にならない様に
>にふられていない
>意識まで生まれて来る
@0516
金利や家賃でも安い*これこそ差別
現世になってひっくり返した様な事
差別がひどい*ガ−ドレ−ルをつけたり
差別されていない人の方が 苦しい生活
差別されているのは一般市民
私達の方が差別されています
他地区では、なかなか要求が認められない
同和の人だけ良くされている、これが差別
同和の方が 差別を我々にして居る
特別な施策を する方が差別
特別のあつかいをして それがかえって差別
反対に考えれば差別
反対に私達が差別されている
反対の差別
部落の子供さんだけ*これこそ差別
部落の人から一般人差別
優遇を されているらしい 今の方も 差別
余りにもよくしている*それこそ差別

<優遇されすぎ>
あまやかし すぎ
いろいろなせつびなどが*ていきょうされて
トイレットペ−パ−をもらえたり
安く 住ませたり
家賃*安い
過保護侍偶
気をつかいすぎる
金利は安い
建築費用等、貸付等、考えてほしい
公務員とかいう職に入りやすい
差別されている人に優先
市営住宅の家賃と同和住宅の家賃*差が有る
自動車学校が安かったり
借金しても有る時拂ひ
就職の場合優先的に入れてもらえる
住宅別とか いろんなこうじょ問題
住宅問題進絡の関係
待遇が良すぎる
貸付にしても地域の人だけ安い
低金利で貸してもらえる
同盟員の優先権
同和差別地区を優偶
同和地区の人達は幸せな人達
同和地区は、公園、集会所などがあるが
同和地区は早い改善があるものの
同和地区優先の行政
同和問題の差別にしてる事、会館とか
道につけ夜向(ガイトウ)電気があって
道路などきれいにしすぎ
特典を與へる事は不可
特別あつかいをしている
特別な施策
特別に扱っている
特別教育をしたり
特別同和差別をしすぎ
部落だからと言って 社会的に対ぐうが違う
部落に市から授助が充分で
部落の人はめぐまれすぎ
部落の人達ばかりがいい目をしている
部落は有先に早くやってもらえる
部落地区を見ると何事も十分に
物品(道路とか他いろいろ)的な支援
勉強会”というのに 特定の人だけ
保育料半額でいい
母子手帳*無料チケットの枚数が
無利子の金も貸している
優遇
>上限を決めての

<被害者意識>
そういう目でみている*と思うのもよくない
むしろ本人自身が気にしていた
差別なのか*考え方一つでどうにでもなる
思っているほど回りは差別していない
自分に差別があると感じるじたいに問題
自分は部落なんだ」という心がある
自分達が差別を受けていると思いすぎている
被害者意識を持たぬ事。
貧しいと かみじめだとか*思いすぎている

<甘えている>
“甘え”が生じる
あまえすぎ
あまえてはいけない
してもらって当然と言う意識
権利ばかり要求する
行政にたよるばかりでなく
差別されたから*くじけているのも あまい
自分の権利意識ばかり主張
特別扱いしてもらう事に安住してはいけない
部落民も、あまえをなくして強く生きる事

<こわい>
あくどい主張が強くおそろしい
こわい人達だという意識がぬぐいきれない
なんとなくこわいと*思いました
解放運動団体は恐いという印象
恐しかった
教員も行政も恐れおののき
市民に恐怖を与え
同和地区の人はこわいと云うイメ−ジ
部落の人は ほんとにこわい
部落の人は態度がきつい
部落民を大集が恐れている

<被差別者に問題がある>
”私達は同和”っていう特別な意識
ちょっとのことでかみつく
づにのって人間道からはずれてる
何かいばっているようです
血*は 一概に否定できるものでもない
今それを取返すと言うきたない気持
差別される人、差別する人、ともに悪い人
最近部落の方々の一部ですが 横暴な言動
市の税金を個人があてにするような人間
自分の事を棚に上げ
人間はどこの家にうまれてくるかが問題
昔の罪(?)という話を聞いた事がある
昔は畠荒しする人がいて
態度の悪さ
同和であることを前面に*交際をしようとす
同和の方は 非常識の方が多い
同和地区で幹部の人は 人間としてゆるせない
同和地区の人々の態度も最近では、高慢
特権意識がつよく
特定の人の主張が一人歩きしている
部落の人だって差別したような言葉を
部落の人はうそを平気でいっている
部落の人は人柄が悪いと思って居ます
部落出身ということを傘に暴力的な行為

<運動に問題がある>
その地区としても 自粛が必要
どうこうしろと言う強要では改善出来ない
ゼッケン登校*そんな運動は 無意味
悪徳商法は市民に わびてあやまるべき
圧力団体としての地区の人
運動によって無くしようとする事は逆効果
運動の度が過ぎる
運動団体のやり方は、逆効果である
押しつけがましい
解放団体のゴリ押し
糾弾というやり方は*こわい”という意識を
強制的な面も多分にあり
肩ひじ張らずに運動していくベき
今の部落問題のあり方には 疑問を感じる
差別だ!権利だ!と言うより
差別の運動のやり方には本当に腹が立つ
市民の自由を浸害している
自分達のまわりを豊かにしようとしている
自分達は特別なんだと皆に公表している
集団的な行動をつつしむこと
人の目のつかない水面下でやるベき
暖か味の無い過度な(言葉ミスなど)責め方
地域リ−ダ−等の、押付的な面がある
吊し上げをしたと云う
同和問題 差別開放運動等*疑問に思う
徳をもって運動を進める事が肝要
部落解放、同和教育の運動のし方に疑問
部落解放運動が*政治活動化 権力化
法律を悪利用している
余り求めるものを表面に出さない
立場を過度に利用

<寝た子をおこすことになる>
くわしく教えるから変な意識を もってくる
意識しない人までかえって*意識してしまう
何も知らない人でも*興味を持ってしまう
学習会を開いて参加すると、かえって*浸透
子供が知ってしまう
子供らに わざわざ教え込んでいる
授業があるから 若い人達がわかってしまう
寝た子をおこすようなことは しない方が良い
寝た子を起してしまった様なものだ
全然知らない*ことまで知りすぎ
騒ぐから市民の全部が分かる
大人が子供に そんな話をするから
知らない子供でも知り
知らない子供まで、おもしろがって
知らない者まで知って来る
知らない小供にまで 教えている
知らなくても良いことを知らされて
部落差別とか、言うから子供から知る
返って興味を持たせている
忘れていても跡 想起する
眠っている事が起こされて
無知の人に知らしめる
薮をつついて蛇を出す

<普通につ付き合っている>
あの地区の友達とも、仲良くしています
あまり意識してつき合った事がない
現在その人たちに大変お世話になっています
私の主人のおいは部落の人と結婚をしました
私は友達としてよく遊びました
身近にも同和の人達が居ますが*親しくして
同地区人と良く遊んで*問題はありません
同和の人と*思って 接した事もありません
同和の人と同じ仕事をして居りました
同和の人達と兄弟の様な付き合いをして
普通の交際をしております
部落の人と結婚をした一人です
部落の人の中で私は、沢山の友達がいる
部落出身の主人と結婚
部落出身者の方と一しょに仕事をしている
友達が大勢います

<自分は差別していない>
結婚の時も*問い聞き等は致しませんでした
差別した事は 自分ではないと思っています
差別など考えた事はない
差別はしていません
差別意識はありません
最終的には、子供の幸せを願って、折れる
子供等の結婚相手は*全く気にしません
私は部落差別をしない
私をふくめわだかまりはないと思っている
私自身、部落差別*は気にしていません
持別 差別するわけでもなく
自分は差別をした事もない
身元調査はしませんでした
特に差別に対し意識を持たない
特別意識して行動したこともなく
日頃から差別を意識していない
部落差別などぜんぜん気にせず、接して
部落差別をしたつもりはありません

<差別がなくなってほしい>
1日も早く 解決するようにしませう
1日も早く差別のない社会がくればいい
がんばって下さい。 応援しています
はやく部落差別問題をなくしてほしい
みんながめざしていかなければいけない
よい方向へ進んで欲しい
一般人として自由な生活ができる社会に
改名にも差別があるとか*なくしてほしい
結婚問題も両者が悩まないですむよう
差別がなくなる事を祈ります
差別のない、明るい竹原市でありたい
差別のない世の中にしていくべき
差別のない明るい社会にしたい
差別はないに越した事はないと思います
差別をなくすると云う事は大変良い事
差別問題に取り組んでいかなければならない
住みよい社会が出来ることを願ってます
少しづつでも差別がなくなって行ったらよい
早く解決をつけて下さい
早く差別がなくなるといいですね
部落差別がなくなり平和になればよい
部落差別がなくなるまで頑張って欲しい
部落差別の完全解放を願っている
部落差別はなくすベきである思う
部落差別問題は早くなくなってほしい
平和な明るい社会を望んで居ります
良い時代がきてほしいと願います

<同情>
かわいそう
たいへん悲しいことだと思う
とても残念
気のどく
胸が痛くなりました
自分がもし その人達だったら さぞつらい
他人事では ありません
大変不幸だと思う
同情しております

<基本法が必要>
1日も早く部落解放基本法が整立されます様
やはり行政の方で法律をつくり
皆で協力して一日も早く新法を作り
基本的な法律が必要だ”この意見に賛成
基本法が継続必要
罰則ある法律ができればかなり減少する
部落解放基本法の早期制定を希望します
部落解放基本法を制定しなければ
法を用いないかぎり解決はない

<行政の施策が必要>
官民一体となって*取り組んでいかなければ
行政の力も必要
行政は弱いもの*バックアップする必要
国をあげてよくしてあげて当然
市が差別をなくすように力を入れて下さい
市が積極的にとりんでいるのは いいこと
市全体で考えて行かなければならない
市役所が*今以上にとりくんでもらいたい
同和対策で特別の施策をするのは良い

<運動は必要>
この度のステッカ−も全家庭、貼ってほしい
ねばり強い運動が必要
運動が盛んに行なわれた。 これは良かった
運動は続けなくてはいけない
解放運動のお陰
開放運動*効果的に推進していただきたい
根強い運動
色々の運動が必要かも知れん
全国的な運動が必要
要求、糾弾はある程度正当性もある

<被差別者が努力すべき>
いろんな場で献身的に社会的活動に参加して
もう少し考えないと孤立してしまう
もっと自分自身強くなり努力すれば
差別されたくなかったら*人間性をみがく
差別をされている人達が*強い人になって
自分から、自分の心のもち方を変えると良い
自分が強くないと*解放にはならない
自分の技術や何か見つけ 努力してほしい
自分達で努力する事も必要
周違の人、社会に感謝の気を持つこと
職業を次々と変らない事
人のために働ける”姿を見せる
人の金をあてにしない運動をしてほしい
地域の人達も皆心を開いて来ないと
同和の方も*自分自身を高めて
同和地区の方の意識改善も必要
同和地区の方は*勉強会や講演会に出席して
部落の人も考えを変えて行かなければ駄目
部落民の人々も「昔の事は 言わない
勇気をもって*問題点にたち向っていかないと

<言わないほうがいい>
あまり 部落の事は問題にしない方が良い
あまり公表しない方が良い
あまり特別に問題いしないで
くわしく教えたりするのは まちがい
そっとしておいた方が
ふつうにしてればいい
ほっておけば
むやみにあおりたてなければ
わざわざ知らす必要はない
差別とあまりいわない方がいい
差別問題はなるベくさけて
差別問題を改めて取り上げるのではなく
子供には部落差別*おしえたくありません
子供にまで部落差別のことを教えない方が
子供達にも私から何ま云いません
自然でいいのではないでしょうか
自然に消滅させる方に努るべき
自然体が良いのではないか
自然忘却を持つのが 感銘かと思います
若い人にわざわざ知らす必要はない
人々の心から忘れさせる事の方が
声を大にしてとり上げない方がよい
騒がない方が良と思います
知らない顔をしておく方が良い
同和のことを子供にしらさない事
部落差別反対だの言はない方が良い
唯も いわなくなれば 良い
騷がずにいれば

<教育啓発が必要>
1人1人が 差別意識をなくして
1人1人の気持ちを変える
なぜ政府.行政の責任かを市民に知らしめる
まだまだ人権意識を高めていく必要がある
みんなが 感じ考えることが 必要
もっとはっきり、正しく治していく
もっと多くの人に知ってもらい
マスコミを利用した啓発活動
意識改革こそが先決
一人 一人の心の中から変えて行く必要
一人一人が気をつけて直すことが 大切
一人一人が自ら自分の胸に問いただしてみる
一人一人の意識を 変えていかなければ
一般市民への同和教育が不足
学校で同和教育の徹底がよい
学校教育が大きな役割をもっている
学習の場を多く持つ事は大変良い事
企業内での同和教育を広く進めるベき
近くの人を誘い参加に努める
啓蒙運動が必要
研修会を、もっと回数を増やして
個人の意識を変える以外にはない
考えを広くひろめることが大切
講演会等を通して意識を変えるのが良い
今までの考えをしないようにすること
差別しているほうも 考えなければ
差別とたたかえる強さを教える
差別に対しての心の持ち方を、変えなければ
差別の禺かさを皆なが意識しなければ
差別をしない人を育てる 学びの場を作って
差別意識に気づく事が大切
差別問題について教えることが必要
子供の頃から、差別をなくすことを教育
自己改革が必要
社会全体の考えを変えないといけない
受講する様にPRし
小地域別学習会には 全員で行って
大手企業及上層部の心を入れ変えるのが第一
大人の教育をして下さい
同和教育も必要
同和地区の人だけの問題でない事*理解さす
同和問題の勉強も必要である
部落問題を知る事は 大切
無感心であってはならない
歴史を学ぶことは重要

<努力したい>
これを機会に反省したい
しっかりした意識をもっていきたい
できることがあれば、実行してゆきたい
もっと強くならなければと思っています
もっと勉強(同和教育)していかなければ
意識の改革に努めたい
近くの人を誘い参加に努める
研修会や 講演会があれば 参加したい
今までのまちがった考えを、改めていこう
今后共差別徹廃に努力する
差別のない様、注意してみまもりたい
差別はいけない事だとおしえていきたい
差別意識をできるだけもたないようにしたい
正しい考え方に近づくよう努力できればと
責任があるのは、自分達だと思う
前向きに取り組んでゆきたい
相手の 気持がわかる。 人間になりたい
努力していきたい
部落差別がなくなるように運動したい