資料(第4章別紙)

:私自身のインタビュー、参与観察を参考
:ふれあい祭のホームページを参考
:山田村メーリングリストを参考
(学生):大学生、あるいは大学院生
(学生OB):昨年ふれあい祭に参加した人で、現在は社会人
(社会人):昨年ふれあい祭に参加していない、あるいは参加したかどうか分からない社会人(学生OB以外の社会人)
(社会人グループ):富山政策研究サロンや山田村を勝手に応援する会などのNPO
(こうりゃく隊):こうりゃく隊に入っている村民
(村民):こうりゃく隊に入っていない村民
・学生OB・社会人の区別はあまりはっきりついていないが、資料にはさほど影響が無い。

1.インターネット(コンピュータも含む)に対する考え方

[1](観)行政側は、インターネットを導入することで村民の視野を広げ、交流を深め、UターンやIターン、定住化につながる可能性があると考えている。特に、視野を広げるということについては、山田村では義務教育(中学卒業)後に村の外へでる人は多いが、それ以前は外との接触がなく、村民と外から来る人(観光客など)との接点がないので日常のつながりがない。そのため、村の外へ出た時に、刺激が増加してしまうため、インターネットによって免疫を付け、いわばインターネットをクッションの役目として、またギャップをうめる道具として利用しようと考えている。また、インターネットを生活と密接に結びついたものにし、水や空気のような存在にしたいと考えている。
[2](メ・社会人):(昨年の地酒ワークショップから続いている地酒の話において)私個人的には、東京にいながら本州の反対側の山田村のお手伝いができるなんて、不思議な感じだったことです。つまり、それほど距離を感じなかったのですね。これもやはり、インターネットのすごいところです。
[3](ホ・こうりゃく隊):女性の力を大切にしたいと考えています。高齢者は好奇心旺盛な方が多いのですが、いかんせんパソコンはまだまだ難しいようです。あとは、子供達をどう巻き込んでいくかが、今後の課題だと考えています。いずれにしても、じっくりと広がりを進めていければと期待しています。「ゲートボールをする友達はいるが、コンピュータをする友達がいない」こういった老人に、友人を紹介できれば素晴らしいのではないでしょうか。
[4](ホ・学生):コンピュータの情報化は、単にコンピュータが使えればいいというものではなく、あくまでも人と人とのふれあいが大切にされなければならないと思う。

2.インターネットとふれあい祭の関係

[5](メ・学生):今回、初めてふれあい祭に参加して、はじめはいろいろと戸惑いもあったし、不安もあったけど、今はそういう気持ちはすべて消えて、本当に行って・皆さんに会って・話して・呑んで、本当によかったなぁって思います。だって、一生知り合わなかったかもしれない、けど、すっごい人達に出会えたんですから。いっつも同じ話で「聞き飽きた!」って思われるかもしれませんが、このような奇跡的な出会いに感謝です。
[6](メ・学生):私は山田村に初めて出かけました。楽しく充実した2日間でした。全国各地の有志があつまってひとつのイベントに取り組む。本当にネットワークのチカラって素晴らしい。感激でした。
[7](ホ・学生代表):僕がやりたいと思っている事は、この素晴らしい集まりをこれからも続けていきたいということです。また、続けていくほどの価値がある企画だと思います。コンピュータのネットワークが人を結び付けるネットワークとして成長してきました。
[8](メ・社会人):MLを通じて知り合った方々と実際に初めて会ってネットワークのすばらしさみたいなものを今更ながら実感しました。この{原体験}をもっとたくさんの人と分かち合いたいと思いました。
[9](メ・社会人):(昨年のふれあい祭において)村民のみなさんと私達学生(今では「元」も大勢いますが)は、「お互いの名前と『メール口調』は知ってるけど、顔も声も知らない同志」という不思議な関係になっていました。いくらメールでコミュニケーションをとっていても、やっぱり知らない者同志。初対面の時のときにはなかなか打ち解けないかも、、、と多少の心配もしていたものでした。ですがそんな心配はどこへやら。いざ村に行ってみると「あ、○○さんですか〜、いや〜どうもどうも」みたいな乗りで、まるでずっと前からの友達のように距離を感じないのだから不思議です。
[10](ホ・学生):参加者の学生の多くはそうなのだが、都会に暮らし、学生という身分であることで、情報ネットワークを何か非常に硬いもの、難しいもののように考えてしまう。しかし、昨年山田村のイベントに参加することで「自分の楽しい生活」というもののために情報ネットワークがどのように必要なのかを考えるようになった。
[11](ホ・こうりゃく隊):こういったイベントを成功させた最も素晴らしい武器はメーリングリストだと思います。発信はしなくても、読んでいるだけでふれあい祭に参加したという充実感を味わう事ができます。こういったメリットを生かしてイベントを盛り上げていきましょう。
[12](ホ・こうりゃく隊):もう少し学生と村民がふれあえるようなイベントをメールなどを通じて話し合っていって欲しいと思います。
[13](ホ・こうりゃく隊代表):今年のふれあい祭は、3月のオフ会から始まり、それからメーリングリストなどで、メールで連絡が飛び交い、また各地のオフ会があったりして今日があるわけです。これは素晴らしいことだなぁと思っております。2年前には想像もできなかったことです。これを村民も一緒に喜びたい。

3.ふれあい祭やメーリングリストを知ったきっかけ

[14](メ・学生):MLに参加させて頂きたいきっかけとしましては、今回卒論で「ヨコ型ネットワーク社会」をテーマとして、実際に山田村のネットワークを取り扱うつもりでいまして、(お恥ずかしい話ですが山田村の、やの字も活動もゼミの教授から伺うまで全く知りませんでした。)にわか山田村ネットワーク研究者として少しでも山田村について知りたく思い、おもいきって登録することにしました。
[15](メ・学生):(参加のきっかけ)教授から「この活動を知って、今の学生も軟弱なばかりじゃないんだなと、思った」という話を聞いて、この存在を知りました。そして、さっそくHPを見てみたら、話の通り皆さんの活動がパワフルかつすばらしいものだったので、自分も参加したいと思い、このMLに入った次第です。
[16](メ・学生):(参加のきっかけ)最近パソ通からインターネットにやってきてそろそろホームページ見るのもあきたな・・・って時に山田村のホームページを見つけてやっとメールアドレスが役に立つ!とか思ったもので。
[17](メ・社会人):わたしも55歳ですが、偶然、パソコンを仕事のツールとして使用する機会がなければ、このように手紙を書いていないように思います。友人、知人にも進めますが、いまさら---の気持ちが多いようです。さて、今回、電脳山田村のMLに入らせていただいたのは、パソコンが苦手なために、いろいろな人とのe-mail等での対話を諦めている人々がなんらかの方法で、できないものかなと考えています。できれば、パソコンができる、できないに関係なく、internet社会に参加できる手段ができればとの夢をもっています。
[18](メ・学生):東京出身で田舎もないので、普通の村に泊り込めるなんて楽しそうだー、という単純な理由で興味を持ちました。
[19](メ・学生):(参加のきっかけ)以前から山田村のことをインターネットマガジンなどで知っていたのですが、某MLで参加者を募集していて興味を持ったので参加させていただきました。

4.ふれあい祭の存在について

(1)目的について

[20](観)ふれあい祭は、学生と学生、学生と村民のふれあいの場と考えており、学生が主催となり、サポート役として、「こうりゃく隊」が行政とのパイプ役をしており、祭前には公民館や自宅に集まる。行政は、あくまで側面支援。
[21](ホ・村長):村民の取り組みはまだまだ手間取っておりますが、皆さんのようなボランティアのお力を頂いて村民も村を見てもらえるように、受け入れ易いようにと活動しております。過疎に悩む村が多い中、交流を通じて変化と活気を生みだし、ふれあいの中で文化を深めていきたいと考えております。
[22](ホ・こうりゃく隊):目的や意義はなければ困るものであるが、それを頭の上にのせて動くことは大変だと思う。結果としてそれがついてくればいいのであって、皆で楽しめるようなイベントとして考えていけばいいのではないか。交流の場をつくる、というのが大切なのではないだろうか。
[23](観・こうりゃく隊):学生同士のふれあいの場を提供していると思っている。
[24](ホ・こうりゃく隊):水に入るように自然に村の中に溶け込めるようなイベントを企画していければと考えています。
[25](観・学生OB):パソコンを広めよう、覚えてもらおうという気はなく、ふれあう方に重点を置いている。
[26](ホ・こうりゃく隊):学生と付き合うことで、こりかたまった自分の考えを崩していって欲しい。
[27](ホ・こうりゃく隊):山田村の良いところや悪いところを教えてください。山田村の活性化につなげます。

(2)コンセプトについて

[28](ホ・学生代表):今年のコンセプトは「継続できるイベント」にすることです。システムとしてのコンピュータが山田村に定着するにはあと数年かかると思われます。今年はこうりゃく隊と連携を強化し、村の人たちが自分で伸びていけるような形で支援をしていきたいと考えています。また、山田村の若者達とも積極的な交流を行ない、よりよい形でイベントを進めていきたいと考えています。
[29](メ・学生OB):ふれあい祭は「山田村で何かを楽しみたい人、始めたい人、考えたい人、いろんな人が、どうせならこの10日間でいっぺんにやってみませんか」というイベントのように思っています。良くも悪くも、様々な考えと手法を持った人が緩やかに集い、皆がそれぞれに参加して、あるいは見て知ることで、村と僕らに良い活気が生まれるように思っています。
[30](ホ・社会人グループ代表):社会人のグループはそれぞれ持ったノウハウを活かして、縁の下の力持ちをつとめていきます。
[31](ホ・社会人グループ代表):社会人が参加することで、調和のとれたイベントを作り上げていきたい。
[32](ホ・社会人グループ代表):今年は、必要があれば手伝っていきたいが、こちらから主体的に動くことは考えていない。

(3)魅力について

[33](ホ・学生OB):去年のイベントでは、そのイベントを作り上げていくプロセスが非常に面白かった。今年もいろいろなバックボーンを持つ人々は自らの意志で参加することで、よりよいイベントを作っていきたいと思う。
[34](ホ・社会人グ):手伝っているうちに、学生達の多くは初対面でありながら、一つのものを作り上げていく、といった活動に参加することに気づいた。このことは、自分が学生の頃にはなかった経験で、非常にうらやましいと思う。イベントを通じて端で見ていて恐ろしいほどの成長を見せた人がいた。こういったイベントを積み上げることで、それぞれが変わっていければと思う。
[35](ホ・こうりゃく隊):何が楽しいといえば、こうやって皆さんと一緒に話していることが一番楽しい。こういったきっかけを通じて、山田村の今まで話したことのない人ともゆっくり話す機会を持つことができた。
[36](メ・学生OB):今年のふれあい祭で最も僕がうれしかったことは、様々な年代、立場の人と結びつくことができていることです。地域ぐるみで取り組んでいる山田村の情報化による村おこしを応援する上でそれはとても大切なことだったと思います。それが今年は達成できました。(中略)はじめてのふれあい祭の準備をしていた頃も、まずは同じ年代で協力してくれる人をさがそうとしました。でも。うまくいきませんでした。得体が知らないことを持ち出していた上に、俺がまあ自分からうちとけようとするほうでなかったですから…うーんやはり田舎出身の性か?今年はドライブとかお互い手探りでありながらも、共によい関係を見出そうとしていることに喜びながら帰ってきました。よい関係の中によいアイディアの灯が点れば、きっとすごいことができるでしょう。そんなわくわくさせてくれるところが山田村のもっとも魅力的なところです。
[37](メ・社会人):思うんだけど、ふれあい祭って、10日間だけではなくて、実は年中無休だったりすると思う。ふれあい祭に関わったという名目で、みんな集まってわいわい騒いでるし、「ふれあい祭」期間じゃないけど、山田村にみんなで行って、わいわい騒いだり、スキーしたりしてる。こういう集まりから形成される人間関係って、めったに築かれるものではないんだよね。だから、めちゃくちゃに大切にしたくなる。実際、何軒かパソコンお助け隊に行ったけど、パソコンのことをレクチャーした時間よりも、いろいろな世間話をした時間のほうが実際おもしろかったりするのね。あと、ミーティング終わってからの座談会、眠たかったけど、ついつい参加してしまった。
[38](ホ・学生):いろいろな人との出会いを楽しみにしています。
[39](ホ・学生):あちこちに行って、いろいろな人とふれあいたいです。
[40](メ・こうりゃく隊):村の中で村の人を見つけたら、できるだけ多くの人に気軽に声をかけてみてください。畑仕事しているおばあちゃんとか、うれしい気持ちになりますから。
[41](メ・村民):「電脳村ふれあい祭」の経過とコンセプトも理解できました。「お助け隊」の活動も、若者の情熱と村民の寛容さから生まれたことが分かりました。特に、山田村のパソコンネットの将来と、この活用に、若者らしいアイデアが、議論のあちこちに出ており、オフ会の意義を知りました。「お助け隊」のメンバーは、学校の寄宿舎に泊まるとのことですが、会期中の2泊ぐらい、2人づつ村の各部落の家庭に分宿しては如何でしょうか?一宿一飯の付き合いは、相互の関係を親密にさせますし、学生さん達が何か新しい発想を生む原動力になると思います。
 →(社会人):ふれあい祭りの期間中より、むしろ祭りが終わった後にお助け隊と村民の方の間で「じゃあ今度遊びにきますね」「どうぞどうぞ」というのが良いのではと思います。イベント中の宿泊だと、なにか一過性のものに終わりそうなので、まずはそんな出会いのきっかけを作る「ふれあい祭り」であればいいなぁと私は考えています。

5.山田村の反応

[42](メ・学生):今年は予想していた以上に村の人と親しくなれました。こうりゃく隊をはじめとする中年層の方々は去年にもまして、僕らと同年代や小学生など若年層とも仲良くなれ、かつら寮にも気軽に遊びにきてくれていたのを見ると、今年の目標はある程度達成出来たと思います。
[43](ホ・学生):温かく迎えられてびっくりしています。
[44](メ)村のおじいちゃん達に見事に打ちのめされて帰ってきた感じです。○○くんや、ゲートボール部長××くんなどは、立ち直る事ができないほどです。予想していたのはアットホームな井戸端的ゲートボールでしたが、やはり山田村のおじいさんおばあさんは違います。パワフルです。一打一打に激しい言葉の応酬があり、我々のフォームを矯正する姿はプロ野球の打撃コーチのようでした。なかなか思うようにボールを転がしたり、当てたりする事ができない学生の姿に笑いがおこったり、ビギナーズラックで活躍して大喜びする学生に拍手を送ってもらったり、楽しい時間を過ごしました。「山田村の印象に残ってもらえればいいガヤ」−いい想い出になりましたよ。−
[45](観)チームを作るのは主催者側で、学生3人+村民1〜2人のチームで練習。その後、人数が増えたため再度チーム作り。学生2人+村民2〜4人のチームで再び練習。この時のチームわけは、最初に組んだ人とは別の人と組んだ。
 お互いの名前は知らなくても、1ポイント入れたりすると手を叩き合って喜んでいる。試合後は、大学の話や試合のことを話している。
 優勝チーム、2位チーム、敗者復活戦1位チームには、ジャガイモやTシャツのプレゼントがあり、ジャガイモは山田村の特産品であり、Tシャツは山田村のロゴ入りで、山田村にしかない物だった。また、村民で賞品をもらった人は同じチームの学生にあげていた。
 イベント終了後は、外で輪になってビールやおつまみを食べ、近くに座った人同士で仲良くなっていた。村民で主婦の人は学生に、どこから嫁いできたとか子供の話を、知り合いの村民がいる学生は、その人を見かけると挨拶に行っていた。
[46](観)材料を切っていると、村民が「自炊しているの」と話し掛けてきてくれてる。また、学生も「いも(小芋の煮っころがし)どうやって作るの」とか「こんな小さないも売っていない」というように会話が弾んでいる。そして、「関西に来たら案内します」とか「ツアーの企画しよう」とか「去年、(村民が)大阪に遊びにいったら○○が案内してくれた」という会話もあった。
 村民は1度手本を見せたらその後は学生にさせ、おはぎ作りやいも作りのように比較的簡単な料理は学生が主体で作っていて、その間、学生同士は大学の話や生まれた年(自分より早いとか遅いとか)で盛り上がっている。
 子供もプールに行く前や帰りに遊びに来て、皿洗いやあんこつぶしのお手伝いをしてくれる。
[47](メ・学生):今回のふれあい祭を通じて、村民のみなさんのあたたかいご協力とご理解の気持ちに触れる事ができてほんとにうれしかったです。例えば、村にある電光掲示板に「電脳村ふれあい祭‘98」の言葉を見たときは、もう飛び上がりたいくらい超うれしかった!など。これだけではないですが、ほんといろんな所で村の人達の暖かい気持ちに出会えることができました。今は同じ県に第二の故郷ができた気分です。(実際、富山に帰っていながら実家にいるより村にいる日数の方が多かった)
[48](観・こうりゃく隊):去年は参加しなかったが、今年参加してよかった。
[49](観・こうりゃく隊):山田村民でよかった。
[50](観)昨年ふれあい祭に参加した学生OBが、土・日曜日を利用して遊びに来ている。昨年のふれあい祭はいもまつりと重なっていて、その時見た花火(近くであげるため頭上から降ってくるようにあがる)が近くで見れて綺麗だったらしく、また来ようと思って参加したらしい。OB会も兼ねている。男女20人ほどで、一部の人は村民の家に宿泊したらしい。
 いもまつりでは、昨年仲良くなった村民に会うと挨拶を交わし、私に村民を紹介してくれて、村民は、ビールやおつまみを(初対面の私にも)差し入れてくれた。
 いもまつりの後は、村民(こうりゃく隊)と一緒に酒を飲んで、仕事のことや昨年のふれあい祭のイベントの1つである地酒ワークショップの話などを語り合っている。OBは、自分の名刺を村民やOBに配っていた。ふれあい祭後、1ヶ月おきくらいに関東と関西を行き来し、いっそう親しくなったらしい。
[51](ホ・学生):お助け隊に関しては、1泊程度のホームステイなどを通じて、より密着した形でお助け隊をしていけないでしょうか?
 →(こうりゃく隊):山田村の村民は、まだまだ客人を泊めることになれていない。難しいと思うが、検討する価値はあると思う。
[52](メ・こうりゃく隊):「こんなイベントに村の予算を使うのはもったいない」「お助け隊はどうせ村から指導料をもらってるのだろう」みたいな会話があった事を耳にしました。前者は祭りに交われなかったヒガミが言葉になったものと思われるし後者は全くの無知というか、我々のPR不足が原因です。ここで問題にしたいのは前者だと思います。回を重ねるごとにこんな村民が増えそうで心配なのです。我々は”急がなくてもよい、関心を持った人から順に参加して頂こう”のスタンスで進めて来たのですが、これから前者の村民が増えるとすれば何かの策が必要になると思います。
[53](観・こうりゃく隊):新しいこと(ふれあい祭や地酒‘雪の舞’の開発)をすると、長老のような新しいことがはいるのが嫌な人は嫌な顔をする。しかし、ふれあい祭は、村民が中心になって活動しているのではなく、あくまで学生主体で、村民はお手伝い。パソコンをいれる時はパソコンが何かわからなかったから問題はなかった。
[54](観・こうりゃく隊):問題が起こると「やっぱりふれあい祭なんて・・・・」といわれる。
[55](メ・こうりゃく隊):思ったことは、やっぱり村の若者があまり参加していないことです。老若男女問わずですけど、一番年齢的にも近い若い人が少ないのは、ちょっと寂しいです。私の同級生は、私しか参加していません。友達に話してみても、興味なさげです。村の若者はやっぱり村の若者がひっぱってくるしかないんでしょうか。どうやったら興味がわいてよってくるのか、それが課題です。無理やり連れてきても収穫は得られないですし。最初にみなさんに会った時はすごく仲がよくて、私はその中には入っていけませんでした。なにかちょっとした壁があって。
[56](メ・学生):いくら学生サイドが真剣に歩み寄っても結局は村民の方々の目には、「なんかだか知らないが、よそから学生が遊び半分で来て村を荒らして帰っていった。」としか映らないのではないか? おそらく、ふれあい祭とは村では、浮いた存在なのではないかと考えていました。それゆえにオープニング会場の出迎えの温かみには正直驚きましたね。お助け隊&各イベントに参加してみても然りで、これだけ村民と外部が緩やかな共同体を築き上げられているのは外部の度重なる歩み寄りと村民の理解お互いの努力の結晶なのだと深く感じました。しかし、これら積極的に運営&イベントへ参加して来る村民とは結局はこうした活動を好意的に受け入れている方々であり、以然不安は残されたままなのです。自分自身の内面的な反省点では、自分と村民との間の壁を打破出来無かったと。オフ会でも言いましたが、かつら寮の厨房で○○くん(こうりゃく隊)が私に「手伝うから何でも言って!」と言ってくれた際、「お客様にそんなことさせられないよ〜」となにげなく言い返してしまいました。その後「俺はお客さんではないよ!」 と直ぐに言われて気がつきました。私は知らず知らずのうちに自らで、村民の方々と自分との間に壁を作っているのだと。かなりショックでした。自分では村にいち早くとけ込もうとしていて、結構自分なりには上手くやっていたと思っていたはずなのに、なんでこんな言葉が出て来るのだろう?それ以来、なんだか村民の方々に対して接する自分の行動が偽りの様な気がして、なんだかとてもぎこちなくなってしまったのが残念でした。
[57](観)パソコンリーダーは、お助け隊(たいてい1軒に2・3人で組む)を連れて家まで案内し、一緒に玄関まで来て家の人に紹介して、時間がある場合は、家にあがって一緒に勉強する。また、お助け隊の時以外で、わからないことがある家があったら、教えに行っているらしい。
 お助け隊では、1つ1つ復習しながら、なるべくパソコンに触ってもらって教えた。1つ教えたら同じ事をもう1度させて覚えてもらい、「忘れそうだ」と言ったら紙にメモをしてあげた。
 1軒めでは、相方の「ダブルクリック、初めて使うのに上手ですね」という言葉で会話が進んでいった。また、娘さんが私の地元にいたことがあるということで、いっそう話やすくなった。1人がパソコンをいじっていたら、もう1人が会話をして退屈させないようにしている。
 2軒めでは、はがきソフトの宛名書きについて聞かれたのだが、お助け隊3人とも触ったことのないソフトだったため四苦八苦しながら、しかし、住所をいれてみて使い方が分かったので、3人の住所を入力してお助け隊を終了した。
 休憩の時、2軒ともお茶やメロンを出してくれて、「メロンがおいしい」とか「どこから来たの」というような会話をした。
 帰りには、ビールやおつまみなど、かつら寮(宿泊場所)への差し入れを渡してくれた。

6.ふれあい祭を通しての山田村に対する考え方

[58](観・学生):去年も来たが、今年また来て 山田村が好きになった。
[59](ホ・学生):1年の間に5日来ました。山田村が田舎のような気持ちです。
[60](ホ・学生):将来住みたいな。
[61](ホ・学生OB):(ふれあい祭の)10日間が過ぎた後でふと考えてみると、自分は山田村のことをよく知らないのではないか、と思った。ふれあい祭は、顔合わせ的な意味合いのもので、これからずっと付き合いを続けていきたいと思う。
[62](ホ・社会人グループ代表):NPOとして活動をしている個人のグループとして関わっていく中で、このような新しい試みが行なわれるのは、非常にいい事だと思う。
[63](ホ)今年は村の子供達との交流イベントが多々あったのだが、最近幾つかのマスコミ媒体でも報道されているように、ここの情報化事業の成果が顕著に表れつつあるのはやはり彼らではないだろうか。
 去年はただパソコンが「使える=動かせる」というだけで驚きの目で子供達を見ていただけだったのだが、今年彼らと接していると次のステージに上がりつつあるのを実感した。
 ここの子供達は、パソコンを使ってうちわや絵はがきを作るといった遊びの面1つとっても、情報にまつわる一連のプロセス、つまり『情報を収集→選択→加工→発信/外化』という流れをすでに身に付けているようであった。
 5年、10年くらいの「長期的展望」こそが今後の山田村の事業の成否に大きく関わるであろうことを、今年のふれあい祭に参加してくれた村の少年・青年・中年層との交流で昨年にもまして実感させられた。

7.ふれあい祭から生まれる交流について

[64](観)設定が終わらないうちからイベント会場には、ポツポツと村の方が訪れ始めた。普通のイベントならここでパニックになるところだが、すかさず手のあいている学生が「こんにちは」と隣に座り、和気あいあいと会話が始まるところがいかにも「ふれあい祭」である。普段なら絶対聞けないお話をたくさんしていただいた。思うに「ふれあい祭」ではこれが何より楽しい時間なのかもしれない。「ほんわか講習会」を、決して非難せず、暖かい目で協力してくださる山田村の方々がいなければ、オンラインゲーム大会はもちろん、どの講習会も成功しなかったはずである。そんな懐の広さも「山田村のすごさなんだろうなぁ」と私は思うのである。
[65](メ・こうりゃく隊):今日1日を通して参加者はお互いに色々な面でふれあい仲良くなったと思います。
[66](ホ)「去年はあんまり仲良くなれなかった山田村の若い連中を1人でも多くふれあい祭に引き込む!」という意気込みではじまったこの企画。村側の協力もあって、見事に当初の目的を果たすことので来たイベントの1つだったと思います。
[67](ホ)試合は思った以上に盛り上がり、みんな良い汗をかいたと思います。また、同じチームになった人同士が仲良くなり、交流が深められたのではないでしょうか。これぞ、まさに「ふれあいスポーツ」といった感じです。競技終了後は体育館の外の星空の下で皆でビールを飲みながら、またまた、ふれあい交流が行なわれました。
[68](観)望遠鏡が1つしかないため、待っている間に、学生は子供と遊んだり 、8日に行われる星空地酒パーティーのこと(天候は大丈夫だとか楽しみだとか)を話していた。
星が見やすいように、情報センターの電気のついている部屋にはブラインドを下げてくれた。
[69](観)すべてのイベントの中で1番参加者が多いらしく、100人近くが参加していた。また、OBの参加者が多く、このイベントだけ参加しに来た人もいる。
 近くにいる人と話を始め、知っている人がその人の知っている人を紹介してくれて輪が広がっていく。また、社会人はお互いに名刺交換をしている。
[70](メ・学生):村の方との交流ですが、一部の方ですが、今までメールでのやりとりのみだった方、合同オフ会で少ししか話さなかった方たちと交流が持てて良かったです。
[71](メ・学生):今回、初めて山田村にお邪魔しました。何もかもが初めてで、何も分からず、正直うまく村の皆さんとコミュニケーションがとれるかどうか心配でしたが、皆さんとってもいい方達ばかりで、本当に行ってよかった!と思いました。学生のなかも含め、普段はメール上でしか交流のない方達と実際にお会いして、生で話すことができました。[72](メ・社会人):ふれあい祭に参加した人はみんな思っているようですが、今年は去年以上に、村の人たち(とくに同年代の)とつながりを持てたことが、収穫でした。祭りの後も、関西まで来てくれたし(京都も来てね)、今後も、このつながりが続いて欲しいです。で、村の方々には、同年代の若者達をもっともっと山田村ネットワークに引き込んでもらえれば、と思います。そうして、僕が村に行ったとき、気軽に遊んでくれる飲み友達みたいな関係になればいいなぁ。まだ、ごく一部の人しか知らないけれど、なんだか、おもしろそうな人が多そうです。
[73](メ・社会人):PC お助け隊は案外村民同士の交流をもお助けしているのではないか、と感じています。私の3回のお助けのうち2回はパソコン・リーダーさんが同行して下さいました。もし今回のイベントが無かったら、御近所とはいえパソコン・リーダーさんがあれだけの時間上がり込んでパソコンの話をすることは無かったのではないでしょうか。またこの機会にパソコン・リーダーさんがパソコン・リーダーとして、改めて認知が深まったと思います。近所にちゃんと分かる人があったと。
パソコンを別にしても何か近隣の親睦の機会を提供しているように感じました。普段の村の様子を知らないので私の思い込みかも知れませんが。
[74](ホ・学生):10月のふれあい祭の反省会で、初めて村の人たちとゆっくり話すことができた。そのことで初めて“ふれあえた”という実感を持つことができた。
[75](メ・学生):僕が思うのは、去年、結局ふれあい祭って、終わってからが本当のふれあい祭だったんじゃないか、ってことです。去年、僕はふれあい祭本番中は、関東オフで会った人以外とはほとんどしゃべりませんでした。事務的なお仕事に追われてたりして、本当にそんな余裕なかったから。今年も、忙しかったり、一部しか参加できなくて、ほとんどみんなとしゃべらずに、帰った人も多いかと思いますが、それはしょせんは祭りのほんの10日間のこと。去年はふれあい祭以降、月に何遍も会ったりして、ふれあい祭でしゃべらなかったり、むかついたりした人たちともだんだん仲良くなっていきました。今ではみんな社会人になっても、月に1遍以上会ってたりアホみたいに騒いだりしてます。そんなわけで、ふれあい祭期間中にどんな関係であったとしても、これからいろんなところ、山田村であっていったりして、ほんとうのふれあい祭が始まり、続いていくんじゃないかな〜、とか思います。
[76](ホ・学生):去年からの交流が続いています。これからもずっと続けたいです。
[77](ホ・学生):月一村民○○です。先週も先々週も来ました。
[78](観・学生):ふれあいの場を大事にしたい。
[79](観・結婚する社会人):新婚旅行は山田村。来年は奥さんも連れてくるかも。

8.ふれあい祭の問題

[80](メ・学生):去年はふれあいの面を強調していた。情報化など、オタク系に偏りがちな面をさけ、ふれあうことを念頭におくのもいいが、やはり学生が集まってただたのしむだけでなく、理念としてあるべきお助け隊の姿がもうちょっと強調されるべき。
[81](メ・学生):去年からの目標としてオフ会参加と決めていたが、結局理解しないで参加した人や学生のみで終始した人もいた。
 →(学生OB):ふれあい祭のイベントに参加しない人、運営しない人には参加資格のないように関西オフで言われてしまったようなのはちょっと心外でした。
[82](メ・学生):おもしろかったがなんでここに来ているのかわかっていない人もなかにはいた。
[83](メ・学生):常識的なことが守れてない。ミーティングの話を聞いていない。
[84](メ・学生):昨年の反省をもとに運営を行ったみたいですが、一部の人に業務が集中していたなぁというものがあります。生活面(食事・掃除・ゴミ)も、みんなで行うということだったが、結局は割り当てられた人間が中心となって行われていました。
[85](メ・学生):一部の人が忙しそうだった。
[86](メ・学生OB):去年の反省が生かされていないところがあった。日程の問題や、仕事の割り振りなどうまくひきつげていなかった。
[87](メ・学生):イベントを少なくしようという反省が生かされていない。
[88](メ・学生):村民データの管理が不徹底。本部のコミが不足のせいか、かなり険悪のものを感じた。お助けも重要だけど、お助けは交流のための1ツール。そのため、本部の負担がメチャ大
[89](メ・学生OB):実は、去年は参加させて頂いたものの自分の居場所を見つける事で精一杯でした。ただ、ただ各代表としてがんばってくれた人達は、同じ学生なのに”すげぇな”なんて思いながら、劣等感を抱えながら参加していたような気がします。今年も、ふれあい祭を通して、自分の居場所がみつけられなかった人、参加したものの不完全燃焼のまま終わってしまった人がいるかもしれませんね。そんな人がもし居たとしても、落ち込まないでね。深く考え込まないでね。大丈夫!!大丈夫!!そこに居たこと、みんなと同じ時間を共有した事に、大変意味があったんだよ。山田村村民の方々のとっても大きな懐の中に、自ら飛び込んで行こうと思ったこと自体が、非常に意味ある行動だったんだよ。[90](メ・学生):思った以上にこっちから話しかけた人は打ち解けてくれる。挨拶では、挨拶だけ。話しかけることからスタート。
[91](メ・学生):村の人と学生の区別が私的にあった。何らかの壁があって、自分でコミュニケーションをとりずらくしていた。イベント参加村民は、好意的な方のみで、他の方に出会うことができなかった。学生同士のコミュニケーションに終始し、それを打破できなかったのは反省している。
[92](メ・学生):初めて会う人ばかりでしたので、学生との交流を優先してしまい、ちょっとしたイベントで話したぐらい。いろんな地域の学生とのふれあいになってしまって、自分的にはちょっと反省。
[93](メ・学生):フツーの村民との交流ができなかったなぁ・・・学生同士で完結してしまうイベントが多い。年齢層を絞り込んだイベントが多くて、村民一般というのを来年盛り込もう。
[94](メ・学生):ふれあった村民はごく一部。お助け隊の時間のみで、そのあとの交流がなかったのが悔やむ。
[95](ホ・こうりゃく隊):今回は、前回の反省を基に早めに企画などの話し合いが始まっていますが、新しい参加者にも参加できる余地を残しておいて欲しいと考えています。
[96](メ・学生):村民の若者と学生の考えをぶつけ合う場があればいいと思う。
[97](メ・学生):お助け隊からふれあいを広げていく。お助け隊に行った家庭にメールで連絡を取ったほうがいいですね。
[98](メ・社会人):いきなり村の人とコミュニケーションをとるのは難しい。そこで前から村人を知っているOB/OGを通じて仲良くなるといいのではないか。


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