第2節 講座見学(1

 今回の調査ではそれぞれ数回ずつ、3つの講座を見学した。そのうち、シュガークラフト講座・シュガーアート講座に関しては、講師の先生が同じで、また両方の講座を受講している人もいるので、第2節でまとめて紹介する。

 なおこの先、“シュガークラフト講座”“シュガーアート講座”“シュガークラフト”という言葉が出てきてややこしいと思うので簡単に補足しておく。“シュガークラフト講座”“シュガーアート講座”は文字通り講座の名前である。“シュガークラフト”は、砂糖を使った芸術の総称として、本論文中では「シュガークラフトをする」などというふうに述べているということに注意していただきたい。 

 

第1項 シュガークラフト講座・シュガーアート講座

「シュガークラフト入門編−シュガーデコレーションでいつものお菓子を“贈るお菓子に”」

「シュガーアート 世界にひとつのオリジナルケーキ」

 

aタイプ

「シュガークラフト入門編−シュガーデコレーションでいつものお菓子を“贈る”お菓子に」

県民カレッジにおいて今年で5年目の講座

講師:A先生(会社員、2000年より県民教授)

受講者数:7名(全て女性)

年齢層:20代後半〜30代前半の人が圧倒的に多い。1人、60代くらいの人

曜日:隔週土曜日の全6回講座(今年度は529日〜925日)

時間:9:0012:00

場所:県教育文化会館がメイン。お菓子を作るときはサンフォルテの調理実習室

費用:自遊塾運営費2,000円、材料費2,500

クラフトとは「工芸」を意味し、お菓子の工芸・芸術に初めて触れるクラスである。課題作品の制作を中心とし、基本的な技術を学ぶことを目的としている。

 

bタイプ

「シュガーアート 世界にひとつのオリジナルケーキ」

県民カレッジにおいて今年で5年目の講座

講師:A先生(会社員、2000年より県民教授)

受講者数:9名(全て女性)

年齢層:非常に幅広い(20代後半〜50代、60代くらいまで)

曜日:隔週土曜日の全6回講座(今年度は522日〜109日)

時間:9:0012:00

場所:県教育文化会館

費用:自遊塾運営費500円、講座運営費1,500円、各自の作品により3,000円〜5,000円程度必要

この講座ではアートという言葉を「創造的な芸術作品」とし、基礎的な技術を応用して、自分のアイデアとセンスでオリジナル作品に挑戦する。

 

 少しではあるが体験し感じたことを分かりやすく言うと、シュガークラフトとは「お菓子で自分の好きな世界を作り出す」という感じである。ドライフルーツが入ったパウンドケーキやクッキーのお菓子の家に自分で思い思いのデコレーションを施していき、オリジナルの作品が完成する、その過程が楽しい。また、同じ材料で作っても完成品は十人十色なのも魅力だと思う。

 2つの講座があるが、A先生は2つとも担当している。

 

「シュガークラフト」と「シュガーアート」という2つの言葉があると、全く違う意味のものなのかと思ってしまうが、基本的に明確な違いはないという。ウエディングケーキのようなものには「シュガーデコレーション」という言い方をしたり、「シュガークリエーション」という言葉を使っている人もいる。なお、この論文では砂糖を使った芸術の総称としては「シュガークラフト」という言葉を用いる。

 

 シュガークラフトと言ってもあまりなじみがないと思うので、簡単に紹介しておく。

 シュガークラフトについて

 シュガークラフトは、イギリスに伝わる伝統的なケーキとしての「シュガーデコレーション」を起源と見るのが通説となっている。シュガーデコレーションケーキは1840年のヴィクトリア女王の結婚式、その王子・王女たちのロイヤルウエディングケーキで一躍有名になった。美しく、繊細なケーキは当時大変な人気を呼び、一般市民の憧れや上流志向の波に乗って、たちまち流行し、今日に至るまで盛んに作られている。

 イギリスでは、この砂糖のデコレーションケーキはウエディングケーキだけでなく、誕生日、洗礼式等のセレモニーに欠くことのできないものであり、ケーキといえば、フルーツケーキにシュガーデコレーションを施したものを指すほどである。

 

シュガークラフトの難しいところ・楽しいところ

 受講者がはじめに苦労するのは、砂糖をベースにしたペースト(粘土状で、めん棒のような木の棒でその生地を伸ばすタイプのもの)を扱うことなのだという。砂糖のほかに水飴やゼラチンなどが配合されたペーストなので、その日の湿度、扱う人の手の温度や乾燥具合などでも同じ状態にあるとは限らない、とてもデリケートなものである。まずは自分の扱いやすいペーストの状態を体得することに苦労するようだ。また、外界の影響も大きく受ける。

 

ある受講者は、砂糖をベースにした粘土状のペーストを扱うのに苦労しているようだ。机の上に粉を広げ、そのペーストをめん棒でのばし、講座で習っているために使用している発泡スチロールでできたホールケーキ(ダミーケーキ)にかぶせるのだが、うまくいかないようで、何度も何度も挑戦している。それでもうまくいかないようで、先生が手伝うことになった。

                            (918日 講座より)

 

シュガークラフトというものは、湿気や水分に弱く、ある受講者が持ってきた作品を入れている箱の中にもたくさんの乾燥剤が入っている。保存という面でも大変そうだ。住んでいる所でも影響が違うという。シュガークラフトは、湿気の少ないヨーロッパ生まれだから、日本でも特に湿気の多い北陸では、扱いに苦労するそうだ。たったこれだけの話でも私は、シュガークラフトの意外な一面を知ったような気分になった。

また、楽しいが、頭を悩ませるのは作品をイメージしたり、デコレーションする段階だという。イメージできずにアドバイスを求める人もいれば、楽しく進めていく人もいるそうだ。同じパーツや材料を渡しても様々な作品が生まれ、先生が楽しみにしているところでもあるそうだ。

 

これ(お菓子の家)にあとはデコレーションを施してしくのだ。受講者は「こんな風にしたい」というのがあったのだろうか、スイスイと作業が進む。私は特に「こんな風にしたい」というのを考えていなかったので、しばし悩む。でも、とにかく手をつけてみる。最初は屋根に※1、アイシングを塗ってその上に白いコンペイトウを乗せてみる。「あっ、こんなふうにすればいいのか」と、急に楽しくなってくる。「アイシングは白いから雪に例えれるなー」とか「この抹茶のチョコレートは草代わりにしよう」とか、次々と想像できるようになる。(中略)受講者は今までは楽しく話しながら作業をしていたのに、今はものすごく静かである。集中しているのだ。確かに、私も「次はどうしよう」「何を乗せよう」と考えると、しゃべらなくなる。でも、とても楽しい。

                            (9月25日 講座より)

 

A先生はシュガークラフトを「砂糖を使った芸術」と考えているそうだ。「なぜそれを砂糖で作るのか」ということを常に外さないようにすることにこだわっているという。

 

 

第2項       インタビュー調査

今回インタビューに協力してくれた方の一覧は以下の通りである。2つの講座で4人に話を聞くことができたが、その中からCさんとEさんについてはさらに深く分析していく。

 

シュガークラフト講座・シュガーアート講座受講者一覧 

 

Cさん

Dさん

Eさん

Fさん

性別

女性

女性

女性

女性

年齢

非公開

34

32

29

住まい

富山県内在住

富山県内在住

富山県内在住

富山県内在住

職業

会社員・主婦

会社員

主婦(自宅は自営業)

シュガークラフト受講時は無職

参加講座

 

シュガーアート講座

シュガーアート講座

シュガークラフト講座・シュガーアート講座

シュガークラフト講座

県民カレッジ講座受講歴

8年目

2年目

1年目

1年目

 

1、Cさんの場合

Cさん

富山県内在住の女性。主婦だが、勤めている。

県民カレッジで講座を受講して今年で8年目。現在はシュガーアート講座のみ受講。

 

 
 

 

 

 

 


(1)富山県民生涯学習カレッジとの出会い

 Cさんは県民カレッジの存在を知らなかった。仕事のために、会社の同僚とある高校で開かれていたエクセルの講習会に参加。5回の講座で2,000円だったという。ただ、仕事のためだったのだが、「行って終わったときに修了証がきて『えっ、何?』って感じで」、そのとき初めて自分の参加していたものが県民カレッジの講座であることを知ったという。

それからは、県民カレッジから送られてくるパンフレットを見て、受講したい講座に積極的に参加している。これまでも、シュガーアート講座を始め、入門タイプのシュガークラフト・掛け軸・折り紙・アクリルペイント・合唱等の講座に参加してきている。毎年、県民カレッジの講座を受けるというのが前提にあるそうだ。

 

(2)これまで受講してきた講座について

 さきほども触れたように、Cさんは掛け軸・折り紙・アクリルペイント・合唱等の講座に参加してきた。その中からいくつか紹介する。

 

掛け軸

 掛け軸の講座は、県民カレッジで講座を受講し始めて2年目に参加した。そもそものきっかけは、Cさんが小学校のときに書いたお気に入りの習字を掛け軸にしたいという思いからである。今振り返ると、最も印象に残っている講座だそうだ。「やっぱり自分でいちばん最初にやりたいって思ったのが、あの掛け軸だったんで。掛け軸がいちばん、印象に残っている。小杉のラポールまで遠くて、それまでそんな遠いとこまで1人で運転なんてしたことなかった。ちょっとそれも冒険で、地図を見ながら何回か止まって」と語っている。

 

折り紙

 この講座はCさんの子供が小学生のときに親子で一緒に参加した講座である。一緒に車に乗って富山市まで出かけるのだが、それも楽しかったと言っている。また、同じように親子で参加している他の子供が嫌になって走り回ったりしても、子供はじっくりと折り紙をしていたそうだ。分からなくなったら自分で先生に聞きに行くということも子供の成長のためにいいと思ったそうだ。Cさん自身はというと、鶴や朝顔の折り方ぐらいしか知らなかったからもっと折り方を覚えたかったし、指先を使うのはいいという思いで参加したという。

 

アクリルペイント 

 この講座も子供が小学生のときに親子で参加したという。県民カレッジの新川地区センターで受講したそうだ。親は先生に言われた課題をこなし、子供は好きな絵を描いていいという形でドラゴンボールの孫悟空を描いたりしていたそうだ。当時はアクリルペイントはどういうものなのか知らなかったという。

 

(3)現在受講しているシュガーアート講座について

Cさんは現在受講しているシュガーアート講座に参加する前に、この講座の入門タイプの“シュガークラフト講座”に参加していた(4年前)。次の年(3年前)は受講者を選ぶ抽選に外れて、去年と今年は受講できた。つまり3回目の参加となる。

 もとはシュガークラフトというものを全く知らなかったCさん。毎年何かしらの講座を受講しており、何を受講しようかとパンフレットを見ていて、先生の書いたキャッチコピーに惹かれたそうだ。ちなみにそのキャッチコピーは「世界にひとつのオリジナルケーキ」だ。

 他の受講者はもとからお菓子作りが好きだという人が多かったが、Cさんはケーキらしいケーキは高校の家庭科で作ったくらいで、お菓子作りはそんなに得意ではないのだという。しかし、Cさんの作品を見ているとそんな感じはしなかった。講座を見学しているときにみせてもらったバラの花はとても綺麗に作られていた。

Cさんはシュガークラフトを始めたときのことについて次のように述べている。

 

坂田:シュガークラフトをやる前って、何か先入観とかってありました?

C :それが分からなかったん。分からないから、何か「へー」って感じでカルチャーショックでもないけど、こういうものもあるんだなって感じで。砂糖を練って伸ばした生地から花を作るってことが分からなくて。クリスマスケーキのしぼり出しのデコレーションでバラの花作ったり、バターケーキみたいな感じ。ああいうのはちょっとはできるかなって。しぼり出しぐらいはできるかなって感じはあったけど。でも全然違ってて、「へー」って、いちばん最初はそうだった。

 

インタビューからはどうしてもシュガークラフトをやりたかったというようには感じられなかったし、むしろCさん本人も「最初なんか違う世界って感じで、私にちょっと合わないかなって思ったりもしたけど」と語っている。それでも知らない世界に飛び込んで、新しい楽しみを発見したという感じだろうか。やっていくうちに自分なりの目標や楽しみを見出しているように感じられた。以前に(講座の)先生が作ってきたシュガークラフトのケーキを食べて、そのときのバラの花を見て「こんなん作れたらいいな」と思ったことがあったそうだ。このことも続けていく上でのひとつの目標となったのではないか。講座中も、熱心に作品を作っている姿が印象的だった。また、続けていくうちにうまくなってきて、人に誉められるとうれしいそうだ。

 

インタビューを行ったときは、ちょうど県民カレッジの文化祭である学遊祭に向けての作品作りに追われているときだったのだが、「学遊祭の当日に、自分の作品がみんなのと一緒に飾られてたら、やっぱりうれしいね。達成感はありますよね。作品として残ってるし。実際やっているからね、やったーって感じはあるね。」とも語っている。

 

(4)単位のこと・お金のこと

 Cさんは県民カレッジで講座を受講し始めて8年目ということもあり、講座に出た分だけ単位を持っている。ちなみに1時間につき1単位である。おそらくインタビューをした人の中では最も多くの単位を持っていると思われる。県民カレッジでは100単位刻みで表彰されるという制度があるのだが、Cさんも100単位取得したときに表彰されたそうだ。当時、Cさんはその制度を知らなかったので驚いたという。単位に関してCさんはあまり意識していない。

 

C :私はあんまり意識はしない。ただ単に(単位が)たまってて、「あれっ?」ってうれしかった。でも、それで「また200単位まで頑張ろう」という強い意志もなかった。行けたらいいな。行けるときに習っときたいなーみたいな。

 

ある程度単位が貯まり、それが表彰という形になったときに「次もまた頑張ろう」と意識するのかと思っていたが、そうでもないようだ。「行けるときに習っときたいなー」といういい意味でのマイペースさが続けていく力になっているように感じられた。

 

 また、講座を受講するにあたり数千円のお金が必要なことについてどう思うかと尋ねると、答えにつまることなく「安い」と答えられた。県民カレッジの運営は、富山県文化振興財団の予算で行われているので、他のところで習うことを考えれば安いのだ。シュガークラフトは東京の有名な先生に習えば材料費を含んで1回で1万円必要だとCさんは言っていた。

県民カレッジでシュガークラフトを習うのは安いので、もうちょっとお金を出しても大丈夫かと聞くと、講座運営費が5,000円くらいになり、作品によって違うが、材料費を含んで合計1万円くらいになると考えるし、自宅が遠いので通うのも考えると言っていた。Cさんにとっては「安いから来れるのもある」というのが大きな魅力となっているようだ。

 

 

 

 

 

 

2、Eさんの場合

Eさん

富山県内在住の女性。32歳。主婦。家は自営業。

今年度から受講。シュガークラフト、シュガーアート講座の両方を受講。

 

 
 

 

 

 

 


(1)シュガークラフトを始めるまで

 Eさんは以前からシュガークラフトをやりたいと思っていた。「シュガークラフト 富山県」とインターネットで検索したときに、この県民カレッジの講座しかヒットしなかったのだという。去年頃からシュガークラフトをやりたいと思っていたが、去年は受講者の募集が締め切られた後だったので今年度の講座が開講されるまで待ったそうだ。

 シュガークラフトの本を見て、普通のケーキとは違う繊細さや色使いに惹かれたという。

 

講座に参加するまでをEさんはこのように語っている。

E :何か本買っても、実際じゃあ独学でやろうという気にはならなかった分野だった。例えば普通のお菓子作りだったら、あっバター買ってきて小麦粉買ってきてちょっとやってみようってなるけど、シュガークラフトはあんまり普及してないせいか、テレビとかでもやらないし。

F :材料とかも。

E :そうそう、大変ながじゃない?お金かかるがじゃない?とか、買っても出来んがじゃない?みたいなのがあって、本だけ見て過ごしとった。

坂田:あっ、じゃあ壁みたいなのがあったんですか?

E :あった。もう難しそうやから見とるだけ、みたいな。

 

実際にシュガークラフトを始めるまではこのように「やってみたいけど難しそう」といった不安のような、先入観のようなそんな気持ちだったEさんだが、県民カレッジでの講座を受講していろいろな発見があったようだ。

 

(2)シュガークラフトに触れた喜び

 前から漠然とシュガークラフトをやりたいと思っていたEさんだが、今年からシュガークラフト講座とシュガーアート講座、一度に2つの講座を受講することになる。

 

講座に参加してからのことをこう語っている。

E:ずっとやりたかったことができて、すごい満足感はあるよね。すごいやってみたくて、本とかは買ったり、雑誌とかでシュガークラフトのページとか見て、「あーかわいいけどどうやって作るがいろ?」って思っとったことが、上手にできないまでも、「こうやって作るがやったんや」ってのが分かって、それが満足。(中略)すごい満足感はあるし、(講座の回数が)6回、だよね、まだたった6回だけど。技術的には上がってないけど、知識がね、「あっ、この粉に水混ぜればやかったがや」みたいな(笑)

 

 シュガークラフトを実際に始めてからは、自分のずっとやりたかったことが形となった喜びも大きかっただろう。また、本を見ているだけでは分からなかったことが、実際に先生に教えてもらうことでどんどん分かるようになっていく楽しさもあったことだろう。実際に私も作品を見ているだけでは「これはどうするんだろう?あれはどうするんだろう?」という疑問ばかりが先行していたが、実際にシュガークラフトをやらせてもらうと、「あー、こういうことか」と妙に納得するのだ。Eさんにとって、まさに「百聞は一見に如かず」だったのではないか。講座に関しては、(半年で終わってしまうので)出来れば通年でやってほしいという希望を持っており、もうちょっと何か作りたいという物足りなさも感じていると語っている。

 

 2つの講座に参加しているEさんだが、入門タイプのシュガークラフト講座の受講者の皆さんとはお互いに初心者であり、年も近いということで連絡先を教えあったり、誰かの家に行ったりしているという。また、お菓子作りやシュガークラフトに興味のない友達だと、そういったことを話しても「シュガークラフトって何?」とも聞いてくれないし、「あの型、どこで見かけた?」と話す機会もなく反応が薄いが、この講座の受講者とはそういう話ができるからうれしいという。それに、そういった会話が仲良くなるきっかけにもなったそうだ。

 

(3)日常生活

 自宅から富山市まで遠いEさん。それぞれの講座は隔週土曜日に交互に行われているので、2つの講座を受講しているEさんは週1回富山市まで車を運転し講座に来ている。

 普段は家が自営業なので、留守番で昼間は家にいなければならず、夕方も6時を過ぎないとなかなか買い物などには行けないそうだ。講座のある土曜日も講座の始まる9時半までに富山市まで行かなければならないし、家に帰ると1時頃になってしまうので、出掛ける前にご主人の昼食を準備したりと、週末にしては慌しい朝を過ごしているそうだ。

 

(4)単位のこと・お金のこと

 県民カレッジの講座を受講してもらえる単位について、Eさんは特に意識することはないという。また、単位目的で来ているわけでもないという。あくまでもシュガークラフトに魅力を感じ、シュガークラフトをやりたいと思って来ているのである。やりたいことが偶然ここ(県民カレッジ)にあって受講しているという感覚なのだそうだ。

 

また、お金の面に関しては、やりたいことができたからだろうか、もう少しお金がとられても構わないという。この講座の費用に関して「別にもうちょっとお月謝が取られてもー、やってみたかったぐらい、だからー、「えー、こんなんでいいが?」」と感じたそうだ。さすがに、何万とかだと来ないが、もう少しお金がかかってもいいという。それはやはり、ずっとやりたいと思っていたことができたからだろうか。

 県民カレッジの費用の安さについては「試してみるのにいい値段」で、「興味を持つきっかけになる」と感じている。シュガークラフトはずっとやりたかったことなので、お金のことは少しぐらい高くてもいいという感覚だが、もし他のことを習うなら安く教えてもらいたいと考えているそうだ。