3−1 マンガのイメージについて
今回、富山市内に在住している220人を対象として行われた調査の結果によって、各年齢代、階層の男女が持っているマンガのイメージがある程度わかるようになっている。以下は統計データの単純集計に基づいて、質問項目にAに近いグループ・中間派・Bに近いグループのように三つに分けて、示していることを説明してみる。
(%)
A | Aグループ | 中間派 | Bグループ | B |
子供向け | 53.0 | 42.7 | 4.3 | 大人向け |
高尚 | 9.6 | 65.1 | 25.4 | 低俗 |
現実的 | 11.0 | 30.3 | 58.6 | 非現実的 |
大雑把 | 22.7 | 56.7 | 20.7 | 細かい |
理解しやすい | 63.7 | 28.7 | 7.7 | 理解しにくい |
マイナー | 15.9 | 54.7 | 19.4 | メジャ |
かたい | 2.0 | 23.8 | 74.3 | 柔らかい |
垢抜けている | 22.8 | 64.4 | 12.6 | 野暮ったい |
親しみやすい | 71.5 | 20.8 | 7.7 | 親しみにくい |
安価 | 60.7 | 35.0 | 4.4 | 高価 |
不真面目 | 23.3 | 65.5 | 11.2 | 真面目 |
マニア向け | 13.1 | 42.7 | 44.2 | 大衆向け |
軽い | 54.9 | 41.3 | 3.9 | 重い |
長編 | 15.6 | 48.8 | 35.6 | 短編 |
内向的 | 18.7 | 45.6 | 35.8 | 外向的 |
単純 | 51.0 | 37.9 | 11.2 | 複雑 |
身近 | 55.4 | 27.5 | 17.1 | 縁遠い |
未熟 | 21.5 | 63.4 | 15.1 | 成熟 |
感情移入できない | 16.1 | 41.5 | 42.5 | 感情移入できる |
愚劣 | 14.5 | 63.6 | 21.8 | 知的 |
q1子供向け・大人向け
Aグループは半数以上の113人で53%に占める。「中間派」は91人で42.7%に占める。Bグループは僅か9人で4.3%に占め。相関係数からみると年が上になると「子供向け」の意識が強くなる傾向が示す。特に男性の方。
q2高尚・低俗
Aグループは20人で9.6%しか占めてない。中間派は一番多い。136人で、65.1%にしめる。「低俗派」は53人で、25.4%に占める。年が高くなると「低俗」のイメージが強い。
q3現実的・非現実的
「非現実的」と考えるグループは124人で58.6%に占める。女性の方は「非現実的」と考える人が多い。
q4大雑把・細やか
「中間派」の考えが半数以上。56.7%に占める。
q5理解し易い・理解しにくい
Aグループは133人63.6%に占める。
q6マイナー・メジャー
中間のイメージが110人で54.7%に占める。「メジャーに近い」グループは59人で29.4%に占める。年が上になるとマイナーにイメジー強い。
q7かたい・やわらかい
「やわらかい」と考えるグループは153人で74.3%に占める。女性の方はやわらかいと考える人が多い。
q8垢ぬけている・野暮ったい
中間の意見が半数以上多いが(133人、64.6%)、「垢ぬけている」のグループも37人で22.8%に占める。相関係数から見ると年が上になると「野暮ったい」に近いIイメージを持つ。
q9親しみ易い・親しみにくい
男女とも「親しみ易い」に集中して、148人で71.5%に占める。年が上になると親しみにくくなる傾向がある。
q10安価・高価
安価に近い意見が最も多い。(135人。60.7%にしめる)
q11不真面目・真面目
中間の意見が最も多い。(135人、65.5%)
q12マニア向け・大衆向け
中間の意見は42.7%、「大衆向け」の意見は44.2%に占める。
q13軽い・重い
中間の意見は41.3%にしめる。「軽い」というイメジーをもつ人は113人で54.9%にしめる。
q14長編・短編
中間の意見は48.8%にしめている。「短編」というイメジーをもつグルプは73人で35.6%に占める。
q15内向的・外向的
中間派は93人で45.6%にしめる。Aグループは73人で35.8%にしめす。「内向的」の意見の2倍弱になっている。相関係数からみると40代、50代の人は「外向的」のイメージが強い。
q16単純・複雑
Aグループが強くて、51%に占める。
q17身近・縁遠い
Aグループは55.4%に占める。
q18未熟・成熟
中間の意見が一番多い。63.45%に占める。
q19感情移入できない・感情移入できる
Aグループの意見は中間の意見よりやや強くて、42.5%に占める。
q20愚劣・知的
中間の意見が最も多い(63.6%)、「知的」に近い意見は21.8%に占める。
マンガについての総合的なイメージは、子供向け、低俗、非現実的、理解しやすい、柔らかい、親しみ易い、安価、大衆向け、軽い、単純、身近、感情移入できる。
次は、特に単純集計と相関係数でより明瞭な傾向を示している質問項目にグラフで分析しようと思っている。
この図を示しているように、「子供向け」を意識しているAグループの人は、年齢の増加とともに増加している傾向かある。20代の36%からいきなり60代の66%に登ってくる。特に、70代の全員が「子供向け」と認識している。このため、年齢との関連が強いと推測できるだろう。

まず、ここではっきり示しているのは「柔らかい」と認識している人は調査された人の七割に占めていること。また、この中には、男性の68%により、女性の方は81%で13%を上まっている。女性は男性より、感性的に物事を認識する点を注目すべきと思う。

人数グラフから見ると最も分かりやすいかもしれない。「柔らかい」に近い意見を持つ人は153人がいる。

「親しみ易い」という意見は絶対の優位に占めている。七割の人はこれを認めている。「親しみにくい」は、本当にわずかである。やはり、マンガは画面でストーリーを補助すること、また、あまり画面で表現しにくいものをとらないのもこの親しみ易いの原因であろう

七割の148人は「親しみ易い」と答えた。このグラフは、より直感的にこの傾向をしめしている。

このグラフで、60%に占める「安価」のイメージを示している。マンガの値段の安さは幅広い読者層を獲得する一つの重要な手段であろう

このグラフで、「軽い」というやや強くの割合(55%)を示している。軽いというイメージはどこから生まれたのか?たぶん、これはマンガの最大の弱点であると思う。わかりやすい、親しみ易いの企画で誕生した低層の娯楽はマンガの宿命で、勿論人の知的の要求を満足出来ないのはしばしば現れる。人はある時点まで、マンガから脱離するのは普通であって、マンガよりもっと高層の知的なものを求めるわけである。
黄新宇
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