2−2 年齢とヒーローのイメージの関係
1.ヒーローとは何か?
図2-2-1

表2-2-1
ヒーローは近い?遠い?
| 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60以上 |
遠い | 74.2% | 41.5 | 43.4 | 41.0 | 29.0 |
中間 | 22.6 | 50.9 | 54.7 | 46.2 | 51.6 |
近い | 3.2 | 7.5 | 1.9 | 12.8 | 19.4 |
上の図と表を見ていただきたい。この表で注目したいのは、ほぼ若い方が「遠い」が多く、ほぼ年を取るほど「遠い」が減って「近い」が増えていることである。。ところで、このような質問に答える際には、自分なりのヒーローを想像しているはずである。つまり、ヒーローとは何か、ということを想定して近いか遠いか判断しているはずだ、ということである。
そこで、図を見ると、「憧れの対象」が20・30代の若い年代で多く、「心の支え」が年を取るほど多くなっていることから、「憧れの対象」としてのヒーローは中間ないし遠いと感じられ、「心の支え」としてのヒーローは中間ないし近いと感じられている、という仮説に達する。また、前年齢ともに多い「理想の人物・尊敬の対象」は、中間ないし遠いと感じられているのではないか。
そこで、以上のような仮説をもっと具体的に検証したい。「憧れの対象」としてのヒーローは、例えば芸能界・スポーツ界のスターやマンガや映画にでてくるヒーローなどであろう。華やかなイメージで遠い存在と感じられるのではないか。また、「心の支え」としてのヒーローは、具体例を出すのは難しいが、「あの人のように自分もがんばろう」と思えるような存在が挙げられる。実際に会ったことがあろうと無かろうと、心理的にそれほど距離を感じていないのではないか。
そこで、年齢的な特徴としてまとめると、ほぼ若い年代ほど「遠い憧れの対象」としてのヒーローのイメージが強く、年を取るほど「近い心の支え」としてのヒーローのイメージが強いということである。また40代で「ストレス解消」が多いのは、日ごろストレスを多く感じているからだろう。
2.どんなヒーローを望むか?
図2-2-2

表2-2-2
ヒーローは常識か非常識か
| 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60以上 |
常識 | 32.3% | 62.3 | 50.9 | 56.4 | 71.9 |
中間 | 35.5 | 30.2 | 28.3 | 28.2 | 28.1 |
非常識 | 32.3 | 7.5 | 20.8 | 15.4 | 0.0 |
上の図と表を見ていただきたい。大体「常識を覆すことをする」ヒーローを望む人が多い年齢層では「非常識」の割合が高い。これは、「非常識」という言葉を、「常識をわきまえていないやつ」ではなく、「常識では考えられないような活躍ぶり」という風に捉えたからであろう。逆に「非常識」が7.5%であるのに、「常識を覆すことをする」が17%の30代は、「常識をわきまえないやつ」と捉えたからであろう。
年齢的な特徴としてまとめると、「非常識」と答えた人が多い20代と40代では「常識を覆すことをする」ヒーローを望む人が最も多く、また、「常識」と答えた人が多い30代と60以上では「他人のために生きる人」というヒーローを望む人が最も多い。多少強引だが他人のために生きる人というのは常識的な人ということになるだろう。また、50代だけが「頂点に立つ強者」が多いが、50代は権威主義的な人が多いのかもしれない。
担当:松浦 志耕
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