佐藤 裕(社会学・教授) 15:00~16:00
「言語ゲームと人工知能――AIは本当に「考えて」いるのか」
二本松 直人(心理学・講師) 16:00~17:00
「災害時における集団支援の心理学」
【概要】
○佐藤 裕 「言語ゲームと人工知能――AIは本当に「考えて」いるのか」
ウィトゲンシュタインからヒントを得た(独自の)「言語ゲーム」概念を用いて、思考などの人間のいとなみと人工知能がしていることを比較する。これは、人文社会科学の「知」と、自然科学的な「知」を接合する試みでもある。
今回の発表は発表者のいくつかの既存研究(最も大きく依存するのは下記の文献)をベースにしており、また今年度と昨年度の「行動・社会文化入門」で人工知能について話した内容をさらに深堀りしたものでもある。
(参考文献:佐藤裕,2019,『人工知能の社会学――AIの時代における人間らしさを考える』ハーベスト社)
○二本松 直人 「災害時における集団支援の心理学」
日本は災害大国であり、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震と立て続けに発災し、深刻な被害を及ぼしている。そのような状況下で、集団や災害時の支援に関する心理学は、臨床心理学、災害心理学、家族心理学など様々な学問領域が発展してきている。集団を扱う心理学のなかには、個人における心身のストレス軽減を目指すものだけではなく、コミュニケーションや集団内外の関係性に焦点を当てていることも少なくない。
本発表では、東日本大震災後の被災者支援に関して、これまで発表者が行ってきた研究と実践について報告する。また、発表者が立脚する家族心理学の観点から、今後に求められる研究や萌芽的な計画の展望について述べる。