草薙太郎の横顔と活動



草薙 太郎(くさなぎ たろう)
昭和25年生まれ。東京大学工学部及び文学部卒。同大学人文科学研究科修士課程を経て、現在富山大学人文学部言語文化学科英米言語文化講座教授。日本シェイクスピア協会会員。

著書:『知らず知らずに成功するーーシェイクスピアはマーフィー理論を実践した大成功者だった』(産能大学出版部1988)

『シェイクスピア全作品論』(共著、研究社出版1992)。

1998年10月1日から1999年7月31日まで文部省在外研究員としてロンドン大学ウォルバーグ研究所に留学。

今年(2000年)の活動としては、10月神戸で開かれるシェイクスピア学会で《セミナー3》「17ー18世紀におけるシェイクスピア劇の改作について」に参加。その発言の趣旨は・・・・・・・・・・Dobsonがいう「国家的詩人」の確立過程、Burkeの政治性、Garrickの舞台、Margreta de GraziaがいうMaloneのテキストのブルジョア的客観性志向への一過程、これらの「相互関連」といった改作解釈因子に、錬金術からニュートンの科学にいたる科学と、英国教会の思想的背景を加えたい。「宗教」から「科学プラス道徳」の時代への変貌ということで改作のモラルの変遷が説き明かされ、情報化時代という今日的テーマにつながる。・・・・・・・・・・(なおシェイクスピア学会のセミナーは参加者は審査の上で選任される一種のレフェリー制。数年前、立命館大学で開かれたシェイクスピア学会で「シェイクスピア研究とコンピュータ」というセミナーにも参加。)

無事終了。感想としては科学史をシェイクスピア学に受け入れてもらうには、さらに地道な努力が必要ということであった。現在、立ち上がった科学技術社会論学会が扱う「科学コミュニケーション」と、シェイクスピア、能楽などのテキスト研究を重ね合わせ、日本伝統の「技術」の本質と、英米文化としての「科学技術」との関係を探る。