☆Mother Gooseの世界☆

  ☆☆☆マザーグースの世界へようこそ!!☆☆☆ 
 
日本で私たちは小さい頃から子守歌や童話、童謡などに慣れ親しんできました。多少の違いはあるけれど、いわゆるその英米バージョンがマザーグースにあたるのです。私は英米の文化に興味があるので、英米の人達にとても身近なマザーグースに関していろいろ紹介したいと思います。 

・マザーグースとは?


マザーグースとは、イギリスやアメリカの子供たちの間で古くから伝承されてきた童謡のことを指します。子守唄、物語、なぞなぞ、早口言葉など、様々な唄を含み、その数は1000とも2000とも言われています。子供が最初に出会う絵本がマザーグースなのです。

・なぜマザーグースというのか?


フランスのペローの童話集が1792年にイギリスで出版されたとき、その副題がMother Goose's Tales'というものでした。ペローの童話集には『赤ずきん』や『シンデレラ』などが載せてあります。
イギリスの出版業者ジョン・ニューベリーはこのタイトルを拝借して自分が編集した童謡集に’Mother Goose's Melody'と名付け、1765年頃に出版しました。これ以降、伝統童話集にMother Gooseというタイトルが付けられるようになりました。日本では大正11年に北原白秋が『まざあ・ぐうす』を出しMother Gooseという呼称が知られるようになりました。

ここで、マザーグースの中で短い唄を一つ紹介します

"Humpty Dumpty sat on a wall"

Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses,
And all the king's men,
Coildn't put Humpty together again.

『ハンプティ・ダンプティ』      

ハンプティ・ダンプティ塀の上に座ってた
ハンプティ・ダンプティおっこちた
王様の馬でも
兵隊みんなでも
バラバラ・ハンプティは元に戻せない

 

【解説】
この唄に出てくるハンプティ・ダンプティというのは、卵を表しています。フランスを始め、ドイツ、デンマーク、スウェーデンと、ヨーロッパ各地に卵の紳士を題材とした唄が伝わっています。ハンプティ・ダンプティの唄は、もとは卵を答えとするなぞなぞであったが『鏡の国のアリス』によってなぞなぞであったことを忘れられるほどよく知られるようになりました。日本で言うと”覆水盆に還らず”といった所ではないでしょうか。  
『鏡の国のアリス』を例に出しましたが、マザーグースは映画や物語など多くの作品に登場しています。日本でわらべうたが映画のタイトルに引用されている例はあまりありません。『この子の七つのお祝いに』『花いちもんめ』『うしろの正面だあれ』ぐらいでしょうか。 一方英語圏では、マザーグースは数多く映画のタイトルに引用されています。映画での引用が多いということは「英語圏の人にとってマザーグースが身近なモノである」という証でもあります。 
日本のわらべうたは子供時代の思い出につながった「郷愁をかきたてるもの」として映画に引用されることが多いようです。その点が大人の引用が多いマザーグースとの大きな違いとなっています。マザーグースが子供のみならず大人にとっても身近な存在である理由は何でしょうか?その理由の一つとして「成り立ち」があげられます。マザーグースには戯れ唄や物売りの呼び声など、もともとは子供のための唄ではないものがたくさん含まれています。
「子供部屋の押韻詩」という意味のNursery Rhymeは、子守歌など「子供部屋から生まれた」唄だけでなく、格言や歴史唄など「子供部屋に保存された」大人の唄をも含んでいるのです。そこが子守歌や遊び唄を中心に発展した日本のわらべうたと大きく異なる点です。 

〜コメント〜
マザーグースに最初に出会ったときの第一印象は、リズムの良さです。英語で韻ををふんでいて、テンポのいい唄だと思いました。中学生の時に英語の先生に教えてもらったのが最初の出会いです。その時は英語圏の人の童謡ってこんなんなんだー、と単純に思っていただけだったけれど、その後私の好きなビートルズの曲にマザーグースがたくさん引用されていると知って、大変興味がわきました。映画や音楽、童話、子守歌などあらゆる場面で登場するマザーグース。自分でいくつか読んでみたけれど、まだ直訳の意味しかとれません。もっとたくさんマザーグースにふれて、自分で解釈して内容を読みとれるようになりたいです。ぜひぜひみなさんも一度マザーグースの世界に足を踏み入れてみてください!!!!