Forest Gump
フォレスト ガンプ





この映画は私のお気に入りです。アメリカの1960年代を知るのにとても役立つ映画だと思います。まずはあらすじから紹介していきます。

<あらすじ>
    知能指数70以下で、ベビーブーマーの一員として生まれたフォレストの半生をたどったストーリーになっています。まず、フォレストという名前は南北戦争の英雄であり、クー・クラックス・クランの創始者でもあったネイサン・フォレストにちなんでつけられたものなのですが、この映画の中のフォレストは反対に、子どもの頃からいじめられる立場にあります。幸いにも彼は足がとても速く、いじめっこたちから逃れることができ、さらにこの足の速さが認められ、学生フットボールのチームにスカウトされることになるのです。そしてそこでも体は鍛えられ、不思議な能力を発揮し、その後はベトナム戦争のヒーローとして、または卓球の選抜チームのメンバーとして中国に行ったりするなど、様々な面で活躍をします。60年代のアメリカを切り抜けたフォレストの人生はまさに波瀾万丈でした。そして成功をおさめたフォレストは南部に戻り幸せな人生を送ることになるのです。


    フォレストは知能指数が低いとはいえ、彼は世界一幸せな男だった気がする。彼は賢い人たちが知る苦しみを知らない。戦争の悲惨さや差別を受けている黒人たちの怒り、そんな事実にさえ、彼は何の価値もおくことはなかったのだ。すべての価値を「無」として、目の前にある事実を素直に受け入れ、なすがままに生きていたからこそあれだけの波を乗り越えていくことができたのだろう。ベトナム戦争に参戦しながらも、ジョン・レノンと会話を交えたり、中国に卓球の代表選手として行ったりできたのもフォレストだからである。
   どういうわけか反戦集会場で集会に紛れてしまってスピーチをすることになったシーンは本当に印象的だった。彼が、戦争についての思いを述べる唯一の場面かと思いきや、音声がとぎれて何も聞き取ることはできなかった。それは私たちにその判断を委ねていたのだろう。ベトナム戦争のヒーローではあったが、兵隊としていっしょに行った黒人の友人を失った悲しみから、戦争がもたらした悲しい結果を語ったのかもしれない。
  そしてあと一つ、最初と最後に舞う白い羽がとても心に残った。風に吹かれるままに飛んでいく羽はまさにこれからのフォレストの人生を描いているようだった。


   この映画の中で流れてくる音楽は60年代の名曲ばかりで、私が紹介したボブ・ディランの曲も含まれていました。さりげなく流れてくる音楽にも耳を傾けてみてください。その時代背景がさらによ〜くわかります。