イギリス文学史 composed by Satoshi Takahashi

とりあえず文学の始まりからロマン主義時代前までのイギリス文学史についてまとめました。

西暦イギリス文学関係
410ローマのBritain島支配終わる
750このころBeowolf成立
1066ノルマンの征服。ウィリアム一世即位(1087)
1154プランタジネット朝始まる
1337英仏間百年戦争始まる
1380Wyclifが聖書の翻訳を始める
1382Chauser,Troius and Criseyde
1387Chauser, The Canterbury Tales執筆開始
1455バラ戦争
1469Malory, Le morte d'Arthur
1475W.Caxton, 最初の英語による印刷物出版
1485ヘンリー七世即位
1516More, Utopia
1534The Charch of England成立。Englandの宗教改革成る
1535Sir Thomas More処刑される
1558Elizabeth一世即位
1576最初の常設公開劇場The Theatreを建設
1579Spencer, E., The Shepheardes Calender
1587Scotland女王Mary処刑される
1588スペイン無敵艦隊(The Armada)撃破
1590Spenser, Faerie Queene T〜V
1593ペスト流行のためロンドンの劇場が二月から年末まで閉鎖
1595Shakespeare, Romeo and Juliet
1596Shakespeare, A Midsummer Night's Dream
1597shakespeare, The Merchant of Venice
1599グローブ劇場開場
1600shakespeare, As you Like It
1601Shakespeare, Humlet
1603ジェイムズ一世即位
1605Shakespeare, Othello
1606Shakespesre, King Lear, Mackbeth
1634Milton, Comus
1642清教徒革命始まる
1644Milton, Areopagitica
1649チャールズ一世処刑。共和制が始まる
1667Milton, Paradise Lost
1678Bunyan, The Pilgrim's Progress, Pt.i
1688名誉革命
1707England, Scotlandを合併,Great Britain成立
1711AddisonとSteeleがThe Spectatorを創刊
1714ジョージー一世即位,ハノーヴァー朝始まる
1719Defoe, Robinson Crusoe
1726Swift, gulliver's Travels
1731イギリス公用語としてのラテン語全廃
1740Richardson, Pamela
1742Fielding, Joseph Andrews
1749Fielding, Tom Jomes
1755Jhonsonの英語辞典成る
1760Sterne, Tristram Shandy
1765Walpole, The Castle of Otranto
1767この頃からイギリス産業革命

最初の文学作品はベオウルフである。これは英雄叙事詩であった。それはOEで書かれていた。頭韻によって響きが強められ、各行は強音節によりリズムがとられていた。  それからMEがとってかわる。1350−80年頃の北西中部地方では、頭韻と脚韻を組み合わせたかなり技巧的な詩形を駆使して、宗教的主題を歌う詩人が現れた。
中世文学の華はChaucerである。彼の作品の『カンタベリー物語』は中世英文学の金字塔と呼ぶにふさわしい。
中世末期には、英語が成熟し、知識・情報の伝達手段となり始めていた。さらに、活字・印刷術が確立した。そして時代はルネッサンス、宗教改革を迎える。
Moreの代表作は『ユートピア』である。彼の描く理想郷『ユートピア』は当時のヨーロッパ、そしてイギリスの実体を、完全に裏返した描写に他ならない。このように架空の土地を現実社会の陰画として描き、そのことによって現実を風刺する文学のジャンルをユートピア文学と呼ぶ。
そもそもルネッサンスは演劇の時代であった。英国ルネッサンスの場合、それは近代国家成立の1つのプロセスと合致しており、したがって近代英語の確立期と重なっていた。その時期、マーロゥやシェイクスピアなどの天才がshowの要素と近代化としての成熟を迎える英語を組み合わせた。
MarlowはUniversity Witsのなかで本当に才能に恵まれていた者である。最高傑作と呼ばれる『フォースタス博士』の主人公は知識と快楽の地平を無限に拡げようとする飽くなき欲望の激しさにおいて、まさしくルネッサンス人の典型であった。
シェイクスピアは4つの期に分けられるだろう。
第一期
この頃の作品としては、『ヘンリー六世』『リチャード三世』『ロミオとジュリエット』『夏の夜の夢』である。
第二期
『ヴェニスの商人』『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』『ジュリアス・シーザー』『十二夜』『お気に召すまま』である。
第三期
四大悲劇はこの時代に書かれた。(『ハムレット』『オセロゥ』『マクベス』『リア王』)『尺には尺を』はプレブレムコメディースを代表する。
第四期
この時期彼はリラックスして穏やかな気持ちで3つの劇を書いた。『シンベリン』『冬物語』『嵐』である。これらは俗に<ロマンス劇>と呼ばれる。
17世紀前半、最も活躍したのはFrancis Baconであろう。彼は政治家、および思想家として卓越していた。哲学的考察および表現の手段として英語を使用したことはきわめて画期的であった。思想家としての彼の業績はすばらしく、王立協会(The Royal Society)が世紀後半の思想風土を決定するとき、その協会の守護聖人的な役割を果たすことになる。
17世紀後半という時代を代表したのは宮廷を中心にする旧勢力であった。時代の思想と感性を代弁しつつ、時代に歓迎される文体で創作を続けたJohn Drydenはこの時代の代表である。しかし、彼は政治・思想的にははっきりと旧体制側に立っていたため、名誉革命以後のドライデンは過去の人になってしまった。が、文学者としての私的活動は衰えず、数多くの翻訳を残している。
18世紀は市民社会の成長期であった。リアリズムが発達するのは必然的だった。そしてジャーナリズムが起こる。Daniel Deforeは天性のジャーナリストであった。彼の文学は事実性、面白さ、道徳的教訓の3つの組み合わせのもとに成立する。これは18世紀英国ジャーナリズムの基本的性格であるとともに、小説の誕生の原点でもある。
18世紀の中期から後半にかけてはSamuel Johnsonの時代であった。『英語辞典 (The Dictionary of the English Language, 1755)』を完成させたのは、学者としての業績でありつつ、知識の普及者としての大功績であり、まさしくこの時代の英国の知的・文化的ニーズに応えたものであった。
18世紀はもうひとつ特筆すべき達成をみせた。それは小説という新しいジャンルの誕生をうながし、かつその急速な成長を可能にしたことである。
小説は比較的下層の階級が生み出したジャンルであった。急速に経済力を蓄えた市民階級の間に、新しい読書階級が現れる。男だけでなく、女性もである。彼らが欲しがったのは面白くて、しかも人生の行き方の教訓を教えてくれそうな文学だった。まさしくその需要に応えたのが小説であった。そしてそれは様々な主義を反映し、色々な表現方法の中で発展し現在に至る。

参考文献:イギリス文学史   川崎寿彦著 成美堂出版
イギリス文学史入門 川崎寿彦著 研究社出版