Nursery Rhymes
Nursery Rhymes(ナーサリー・ライムズ)とは?
それは Mother Goose(マザーグース)。英米の子供たちに古くから口ずさまれてきた口承歌の事です。アメリカではマザーグースと呼ばれる事が圧倒的に多いとされていますが、イギリスではナーサリー・ライムズと呼ばれる事が多いそうです。
そもそもマザーグースとは何でしょうか。その意味は 由来は?? そしてなぜ伝承童謡(集)の別名のように呼ばれるようになったのでしょうか。ここでは、「マザーグース」がこの世に存在するまでのことについて述べていきたいです。
では、先ほどの疑問をもう一度。
マザーグースとは何?
それは
"Histories, or Tales of Past Time"
『過ぎし日の物語 ( 1729 英 )』
…という本に端を発します。この本はフランスの伝承童話作家シャルル・ペローの
"Histoire ou Contes du temps passe. Avec des Moralitez"『過ぎし日の物語ならびに教訓 ( 1697 仏 )』というものが始まりです。
なぜマザーグースに?
"Histoire ou Contes du temps passe. Avec des Moralitez"『過ぎし日の物語ならびに教訓 ( 1697 仏 )』の英訳で、この本の口絵にサブタイトル的に『 Mother Goose's Tales 』と言うフレーズが掲げられていたのです。
そしてこの『 Mother Goose's Tales 』というのが『 Histories, or Tales of Past Time 』という本自体のニックネームとなり、遂にある版からこちらの方が正式な英版タイトルになったと言う事です。
ペロー( 1628 - 1703 )作品について
『 Histoire ou Contes du temps passe. Avec des Moralitez 過ぎし日の物語ならびに教訓』
( 1697 仏 )には原本が存在します。それは出版に先立つ 2 年前( 1695 )、その名も
『 CONTES DE MA MARE LOYE ガチョウおばさんのお話』と言うタイトルで書かれた手書き本でした。
内容は当時の国王・ルイ14世の姪、マドモアゼル・エリザベットへの献辞に始まる『眠れる森の美女』
『赤ずきん』『青ひげ』『ネコ先生』『妖精物語』の5編からなる伝承童話集です。(ちなみにこの手書き本は
最近= 1953 年になって発見された物です。)そしてこの手書き本は、『原稿』に近い意味があったようです。
当時のフランスはブルボン朝絶対主義真っ盛りで、魔女狩り・宗教裁判が横行し、国王の出版許可が
無いと本を刊行できない御時世でした。そんな中で加筆され、新たに3編の童話を加えて刊行されたのが
『過ぎし日の物語ならびに教訓』ではないかと言われています。『ガチョウおばさんのお話』という
オリジナルタイトルは、その時のさじ加減によってサブタイトルへと追いやられたのでしょう。