★☆★ガリヴァー旅行記とは☆★☆ |
[主な作品] |
『ガリヴァー旅行記』(Travels into Several Remote Nations of the World by Lemuel Gulliver 1726) |
[作品解説] |
当時の政治、社会を痛烈に風刺する小説である。第1篇では、船医ガリヴァーの乗った船が難破し、自力で泳いでリリパット(小国)の国の海岸に辿り着き、捕らえられる。国王に戦争の助言をする。リリパット国の法律、習慣、教育の実情を知り、危うく自国に帰還する。第2篇では、給水のために、ブロブディンナグ(巨人国)に上陸するが、取り残されて、捕らえられる。国王はイギリスの風俗習慣、政治、教育などについて聞きただす。ガリヴァーは愛国心からイギリスの現状を説明し、国王に助言もするが、受け入れられない。国王の巡幸に同伴後、イギリスに戻る。第3篇では、空中の浮島ラピュタ、ラグナグ、グラブダブドリッブおよび日本への渡航記となっている。第4篇では、船長のガリヴァーが、乗組員に騙されて、船室に監禁されたのち、海岸に置き去りにされる。そこは、馬と人間(ヤフー)が入れ替わった国フウイヌム(馬の国)で、ここでも主人に請われて、イギリスの国情について語る。それに対して主人はイギリスと人間を批判する。ガリヴァーはこの国で幸福感に浸っていたが、突然国外退去命令が下され、イギリスに帰る。 |
[作者] |
ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift 1667-1745) アイルランドのダブリン生まれ。世俗的野心に燃えて聖職者となるが、キリスト教を風刺した『桶物語』など世相および政治風刺の作品を公にし、社交界、文壇、政界で注目されるようになる。また、若い恋人ステラとの邂逅を『ステラへの手紙』に書いている。発作的な眩暈に苦しみ、精神を病んだまま没する。 |