(1742-1799) ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルクは日本では無名に近い存在ですが、ドイツではアフォリズム的断片を集めた『控え帖』(Sudelbuch)の著者として有名です。しかし『控え帖』は、生前はその存在自体知られていませんでした。18世紀の同時代人たちにとってのリヒテンベルクは、ゲッティンゲン大学の数学・天文学・実験物理学の教授であり、「ゲッティンゲン懐中暦」(Göttinger Taschen Calender)の編集者でした。その「懐中暦」に連載されたウィリアム・ホーガース(1697-1764)の銅版画についての解説はたいへん人気が高く、後に大幅に加筆されて独立した解説書(『ホーガース銅版画の詳細な解説』)として出版され、著者の死後も長く人々に読みつがれました。当サイトでのリヒテンベルク紹介は、まずはこの版画解説から開始したいと思います。 『ホーガース銅版画の詳細な解説』(Ausführliche Erklärung der
Hogarthischen Kupferstiche)は1794年からほぼ毎年一冊刊行されました。ここではその中から下記の代表的作品を取り上げて、リヒテンベルクの興味深い解説のさわりをご紹介していきます。 (参考:ホーガース銅版画の画像は、下記の書籍やサイト等でご覧になれます) |