第7回 社会的比較の理論と差別意識論

0.前回の「練習問題」のヒント

  1. 「結婚・出産退職をする女性が多いので女性は雇用しない・重要な地位につけない」というのは偏見によるものか?
  2. 「親や親戚が反対するので被差別部落出身者の婚約者との婚約を破棄する」というのは偏見によるものか?
  3. なにげなく「差別語」や「差別的表現」を使ってしまうのは偏見によるものか?
  4. セクシュアルハラスメント(例えば職場での地位を利用して性的関係を迫る)は偏見によるものか?

1.攻撃対象の選択

 なぜ偏見が生じるのかをもっと根本的に考えてみる  前回の「偏見の形成」の説明の中で最も根本的な原因は「攻撃の置き換え」と「投射」 とするなら、「なぜ特定の人たちが攻撃の対象に選ばれやすいのか」ということが大きな問題
  1. ヴァルネラビリティという考え方
  2. 関係性の構造
  3. 偏見(攻撃)との間での悪循環

2.社会的比較の理論

1)社会的比較理論

2)下方比較の理論

3)下方比較理論の含意

3.社会意識としての偏見・差別意識

 個人の心の中に存在するものとしてではなく、社会的に共有されている(価値)意識としての差別意識 →なぜ共有されるのか

1)外在的要因

2)内在的要因

4.人権意識論

 「偏見がない」ことが十分条件か?  →単に「偏見がない」だけではなく、積極的に差別をなくそうとする態度が必要

人権意識の中身

5.「悪意の差別論」という問題

 偏見理論(差別の心理的な原因に関する理論)は場合によっては、差別の社会的解決の障害になりうる。

1)差別告発に対する感情的反発

2)「差別者」の特殊化


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