第2回講義の感想と質問

  1. 日本人←→異国人という間での差別は比較的よくあると感じるのに、日本人←→日本人における民族性や身分、家柄といったものに差別意識を感じにくいのは日本人という民族が自然と異質なものを排除しようとする概念を持っているからだと思う。
  2. 僕の部落問題、江戸期の農村の基本概念となっているのは白土三平の『カムイ伝』である。部落は戦乱期以前から存在する流民を明確化し、不自由を強制し体制下においたのもので、農民の心理的安定のために置かれた。法や規範として差別を定めると差別する方は心理的安定を得る。自分より下がいると。人間として仕方ないかもしれないが、しっかり考えねばならないと思う。
  3. 生まれた場所や集団で、その人間を拒絶する人間が立する理論も概念もわからないが、自分の中にも差別を肯定してしまうモノがあるのは否定できない。自分より劣っている(と思い込める)存在を作ると優越感に浸れて、自分の弱さを隠せるから。差別する方もいつか差別されると思っているから、自分が差別されるのを防ぐため、他人を差別するのだと思う。だからといって「差別」そのものを肯定できない。だた、自分が何らかの「差別」の当事者であるのは事実だ。
  4. 高校の頃の日本史の授業で、富山県の呉西はほとんど被差別部落はないと教師が言っていた。そのことを表すかのように僕の住んでいる所では、地区のことを呼ぶときに「部落」という言葉が平気で使われていた。(その教師は、富山県の外、特に関西地方では部落という言葉を使う際には十分に注意しなければいけないと授業の最後に付け加えられていたことが記憶にある)
  5. 次の時間も授業なので時間内に終らせてください。
  6. 人が人を見るときに、血筋や地域など、その人が持つ付加価値を、あたかもその人の価値そのもののように考えてしまう傾向があると思う。部落差別の問題や外国人労働者の問題はその例として挙げられるだろう。人が”人を見る目”を持ち合わせていない。
  7. 同化と異化が同時に働くという所に納得。今までは同化と異化を別に考えていたような気がする。同化すると異化が起こる。同化と異化を考え合わせて差別を考える必要がありますね。
  8. 「部落差別」は一種の門地差別であり、憲法の主旨に反していると思う。「解放令反対一揆」について教科書で取り上げないのは何故か?
  9. 今日の授業の中で特に印象に残ったのが「エスニシティ」の所で先生が言っておられた『異質な文化の排除』というものです。ここで、大相撲のことを思い浮かべました。どういうものかというと、(今回の在日朝鮮人のことではない)小錦関が言った(?)とされている「外国人だから昇進できないんだ」という言葉である。これにより、日米マスコミが大きく取り上げたことがあった。考えてみればハワイ出身の力士はほとんどが帰化(または申請中)している。今日の授業にあてはめれば集団社会(相撲の世界)に生きる異質な集団(外国人力士)を同化していると言えるのではないか。(…しかし、この世界は同化ばかりで異化はしていない[見えない]が)と思うのである。彼らはプロである以上、”外国人労働者”と位置付けることもできる。マスメディアへの露出が大きい分、顕著な例だと思う。同化と異化の反する作用が微妙に絡み付いて同和問題(部落差別)や外国人労働者(特に朝鮮の人)が構築されているということを学んだ。
  10. 部落差別が存在することは知っていたけれど、現在においても資料のような(結婚差別や差別落書き事件など)ひどい差別が行われていることは知らなかった。エスニシティの問題の方がよく知られているような気がするが、部落差別はまだまだ根強く残っていることはショックだった。
  11. 私たちの世代は部落差別の問題を実体験として経験したことも少ないし、中には聞いたこともないという世代。企業が採用の際に身元調査をしているということには驚いた。個人の能力ではなく、そういうことで不採用になるのはひどいと思う。
  12. 富山県に住んでいると、差別問題が強く叫ばれていることをあまり感じない。それは、富山という地域において、差別に対する意識が弱く、実際差別というものが少ないからだと思う。でも、全国的に見ると(特に関西方面)差別が多い。富山県で同和教育を行う時、大変そうだと思った。
  13. 「同和」教育に対する反発というのは、たしかに「寝た子を起こすな」なのかもしれないが、同じ社会の中でこのようなことが行われていることを知ることは大切であるので、「同和」教育は必要なのではないかと思う。
  14. 最後の「同化」と「異化」のメカニズムの説明はよくわかった。これでいろいろな差別の仕組みが明らかになると思った。被差別部落については、初めて聞いたことばかりで驚いた。
  15. 私の住んでいる町にも部落差別がありました。私の家出はそんなことを言われたことはありませんが、友人にはそこの子とはあまりつきあうなと言われた子もいました。とても納得のいかないことでした。
  16. 戦争中にはさんざん日本人としてあるようおしつけていたのに、戦争後には何の保障もしていない在日韓国朝鮮人問題が気になった。
  17. 部落問題での「寝た子を起こすな」という文句がすごく印象に残りました。私から見たら「逃げ」であり、ちゃんと立ち向かう方がよいと思うけど、きっとその部落の地域の人たちから見たらすごく複雑な気分なんだと思う。
  18. 今日の講義に出て来た同化と異化の話で私はよく外国人のことを話にするとき「私たちは○○」とか「あなたたちは△△」という表現を思い出しました。同族意識というものもこういった差別問題に大きく関っているのではないかと思いました。
  19. 在日朝鮮人・韓国人そしてそのほかの外国人労働者は受け入れがとても厳しくなっている。しかし、現状では彼らがいなければ今の日本は成り立つことはないだろう。若者のいわゆる3Kばなれを支えていてくれているともいえる。そういった人々が不法就労となっているのはよくない。法が人を差別するとはおかしいと思った。
  20. 部落差別というのは歴史の授業の時に話を聞いたことはあるが、自分の周りにはないので、なぜそんなに根強く残るのかが不思議であったけれど、同化させようとすれば、するほど反発が起こるのは日本人の性格上の大きな特徴だと改めて思った。
  21. 高校の時、うちの町の町議会議員は被差別部落に対して差別的な発言をして「解同」からものすごい糾弾を受けていた。差別するつもりはないけれど、あの糾弾に対しての疑問は忘れることはできない。
  22. 差別にも、同化圧力というものと異化圧力というものがあるときいて、なるほどなぁと思いました。

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