AUTOCODE for Windows


 アンケート調査など自記式質問紙調査における自由回答項目の計量的分析は、データの数量化−コーディングに大きな困難があります。体験したことのある方はご存じでしょうが、文章とコード表を照らし合わせながらコーディングしていくのはかなり大変な作業ですし、複数の人間でコードする場合には判断基準の意志統一が難しいし、判断に困るような例はどんどん出て来るし、大量のデータだと、コードしているうちにコードルールを変更したくなったり、だんだんと判断が変わってきて、結局もう一度最初からやり直したり・・・・。

 AUTOCODEは、こういった問題のいくつかを解決するために開発したプログラムです。コンピュータによる自動コーディングはコーディングにかかる労力を節約し、コーディングの一貫性を高め、コーディングルールを明示化することによってチェックを容易にします。
 しかし、最初に断っておきたいのですが、AUTOCODEはコーディングを「完全に」自動化するプログラムではありません。AUTOCODEの主な機能は2つです。

コーディング機能

 まず一つは、コーディングルールと自由回答の文章を照らし合わせて、それぞれの回答にコードを割り当てる機能です。コーディングルールを作成することにより、手作業によるコーディングでは曖昧になってしまうことの多いコーディングの基準を明確にすることができま、それを第三者に評価してもらうこともできるようになります。またコーディングルールさえできてしまえば、コーディング作業は一瞬の間にできてしまいますので、コーディングルールの作成に十分な手間をかけることができます。

コーディングルール作成支援機能

 コーディングルールの作成は大変な作業です。AUTOCODEの場合は回答文の中に出現する文字列を検索してそれに対応するコードを出力するのですが、そのためには検索する文字列のリストを実際の回答文から抽出する作業が必要になります。MS−DOS版のAUTOCODEではこの作業はエディタなどを用いて行っていたのですが、膨大な時間がかかっていました。
 Windows版のAUTOCODEは、コーディングルール作成の省力化を主要な目的として開発しました。省力化といっても自動的にルールを作成してくれるわけではなく、検索すべき文字列の選択はあくまでも分析者が考えなくてはなりません。しかし、コーディング結果をリアルタイムに表示させながら、回答文から検索すべき文字列を抽出してゆくAUTOCODEのユーザーインターフェイスは、エディタなどを用いるよりもずっとコーディング作業を楽なものにしてくれるはずです。

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