文部省の平成5年度「学習塾に関する実態調査」(読売新聞・1994・7・3付朝刊)によれば、中学生の通塾率は、1年生が52.5%、2年生が59.1%、3年生が67.1%となり、中学生全体の通塾率は59.9%という結果であった。中学3年生に関して言えば、実に3人に2人が通塾している計算になる。学習塾通いというのはもはや一般的なものになったのである。これだけ一般的なものになった塾通いだが、通っている子供達当人はどう思って塾を続けているのであろうか。
 私は大学生になってから学習塾の講師のアルバイトをしていたのだが、塾にやってくる子供達は決して嫌がっているようには見えなかった。この子達はなぜ塾に来るのだろう、何をもとめてやって来るのだろうと思ったことがこの卒業論文の出発点である。
 ここではまずこの卒業論文の章だてを説明しておく。
第1章では学習塾の定義・分類と発展してきた経路についてである。これは学習塾というものそのものがどういうものなのかということを大きく捉えてみていく。
第2章では学習塾の現状についてまとめる。ここでは近年目まぐるしく変化する学習塾の現状を1995年以降の資料を使って示す。そして3章以降での分析に関わってくる説の紹介を行なおうと思う。
第3章では私が今回この卒業論文のために行なった調査についての概要の説明と、分析を紹介する。
第4章では3章よりもさらに細かい分析を行い、第5章で総括とこれからの学習塾に対しての考察を行なう。
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