第3章 調査について


 これまで、第1章で各国の育児の現状と日本の育児の現状を、第2章で男性、父親の置かれている立場について見てきた。働く母親にとっては、誰よりも父親の育児参加を望んでいる。そしてその働く父親は、育児に参加したくても参加しにくい社会のなかで悩んでいる。そのような状況の中で、育児書の著書が育児の中の父親の役割をどのように考えてきたのかを調査することは、社会が父親の役割をどのように考えてきたかを知る手がかりになるだろう。
 ここでは、その育児書の調査における概要を説明したい。

1調査対象

 育児書(社会学者の著書のように、著者の研究内容が書かれているものではなく、子育てのマニュアル本のように、日々の子育てをどのように行えばよいか、が書かれてあるものを調査の対象とした。また、その育児書の対象となっている子どもの年齢は、0歳から6歳のものを使うことにした。そして、その育児書は1945年から1995年までに発刊されたものを対象としている。)

2調査方法

 育児書の中に出てくる「父親」という言葉を、その場面と、置かれている状況とで分類する。その際、「両親」「親」と同じ意味で使われている「父親と母親」「お父さんお母さん」という言葉は、「父親」を特記したわけではないので分類の対象をしなかった。
 分類の際には、特に「父親」の置かれている状況を表す項目は、独断で決定したため、わかりにくいこともあると思われる。そこで、項目の内容説明を別冊の資料につけたいと思う。また、分類の際に、その年代ごとに「父親」の出場回数が変化するが、これは対象となった育児書のページ数や対象図書の選択方法に原因があるため、今回は、「父親」の出現回数の増減には触れないことにした。

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