注釈
注1 空き家が放置される原因
西山(2016)によると、「空き家」に対する認識にズレが存在するという。栃木県宇都宮市が2013年に行った「空き家実態調査」では、空き家所有者に対するアンケート調査が実施された。アンケートの記入前の最初の設問を「空き家であるか」「空き家でないか」としたところ、回収された914件中282件が「空き家ではない」と回答している。調査する側は、水道栓の利用状況など一定の定義に基づき「空き家」と認定してアンケートを依頼しているが、調査を受ける側は「一時的に留守にしている」「隣に親族が住み、管理している」「毎年4〜5回庭の手入れをし、宿泊している」 等の理由から「空き家ではない」との判断されている。「適切に管理されているもなは空き家ではない」「たまに利用しているものは空き家ではない」といったように、所有者によって「空き家」に対する定義が異なっている。このような「空き家」に対する認識のズレもまた空き家が放置されてしまう原因となっている。
注2 ボルダリング
ロープを使用せず、岩や石が凸凹と突き出した壁を壁面の石(ホールド)を利用して、手と足だけで上っていくスポーツ。フリークライミングの一種。
注3 アマルフィ
アマルフィは急峻なアマルフィ海岸に面して築かれた街である。街の中心には千年の歴史をほこるアマルフィ大聖堂があり、それを取り囲むように地中海都市特有の坂道と狭い路地が複雑に入り組んでいる。
注4 DIY
DIYとは、専門業者ではない人が自身で何かを作ったり、修繕したりすること。英語で「自身でやる」という意味をさすDo
It Yourselfの略語。
注5 からほりまちアート
大阪市中央区空堀地区においてまち歩きを楽しみながら、この地区の魅力を知ってもらうため、町屋や路地にアート作品を展示するイベント。大手前大学では2002年よりこのイベントに参加、卒業後も運営スタッフとして活動を続けている人もいる。(川窪ら2009)
注6 カヌーショップ滞在
2004年、2006年、2008年と夏休みを利用して、沖縄県・西表島のカヌーショップに長期滞在させ、滞在先の仕事を体験させている。2008年には、台風による住宅の雨漏りに悩む住民に対し、住民自身で行うことのできる修繕工事の指導を行った。(川窪ら2009)
注7 メディア・芸術学部建築・インテリア専攻
兵庫県西宮市にある大手前大学さくら夙川キャンパスにある学部。文系ならではの視点で建築とインテリアを学んでいる。
注8 研究費補助
ただし、その補助の金額や使い道については述べられていない。
注9 大手前大学の活動2009~2011
川窪ら(2009;2010;2011)によると、学生の参加人数は、2009年:3年生3人、2010年:4年生3人(2009年から継続参加)、3年生2人の計5人、2011年:4年生1人、3年生2人の計3人(全員が初参加)
注10 AIR
AIRとはArtist
in Residenceの略称。国内外より招待したアーティストが尾道市斜面地区に滞在しながら創作活動を行い、その作品を展示するイベント。
注11 本の家
NPO会員のM氏が所有する築100年の木造三軒長屋。M氏がこの家を「図書室のように本を置いて、ベッドで寝ころびながらのんびりと読書を楽しめる空間として利用したい」という希望を持っており、「本の家」と命名。(川窪ら2010)
注12 一般社団法人住まい・まちづくり担い手支援機構から助成金
斜面地エリアにおける空き家バンクを活用した長期空き家の把握と脱空き家化事業」という名目で助成金を得た。事業企画の概要は以下の通り。
地域の再生のためには、空き家バンクで行っている窓口業務から発展させ、面的な既存ストックの状況把握と脱空き家化の傾向の把握に基づき、地域住民や空き家の家主、新規入居者に対し、活用方法や修復方法の検討や提案などの脱空き家化の道筋を示す場や媒体を構築するような「脱空き家化事業」が必要であると考える。本活動はNPOのコミュニティのネットワークと空き家バンクの窓口業務を活かした脱空き家化事業により、斜面市街地の住環境再生を捉え直すための基礎を築くことを目的としている。(川窪ら2010より引用)
注13 青少年育成に関するNPO助成事業
JTが社会貢献活動の一環として特定非営利活動法人などの非営利法人が行う「青少年の育成」につながる事業に対して助成を行うものである。2011年度は、193件の申請の中から全国で45法人が総額約5,500万円の助成を受けた。
注14 アクアの森
以前は宗教団体の施設があった場所で、現在はほぼ建物が壊され、45m2ほどの木造家屋の一部が空き家として残されている。(川窪2011)
注15 クリエイ党
富山大学芸術文化学部の学生と、高岡の職人が一緒にモノづくりをすることで伝統産業のあたらしい価値を見いだすことを目的としているサークル。2010年5月に設立。
注16 未来トランスポートビジョン策定事業
「新幹線開業後を見据えた将来的な公共交通のあり方を調査研究する」ことを目的に平成23年から3年事業として実施。高岡の中長期的な課題を整理し理想の街をイメージすることで必要な公共交通の在り方について研究を行う高岡の青年団体組織によるプロジェクト。
注17 富山大学芸術文化学部
富山大学8学部のうち芸術文化学部だけが高岡キャンパスをもっている
注18 シェアハウスの賃貸料
入居開始当時(2013年3月)の入居者募集の広告によると、家賃は月に30,000〜32,000円、共益費は5,000円(電気、水道、ガス、インターネット)、さらに補償金として30,000円を預かっている。
注19 ほんまちの家の利用料
時間貸しプラン 2,000円/時
ドミトリープラン 1人/3,500円(定員5名/4名)
一棟貸切プラン 25,000円(定員9名)
注20 高岡市若者チャレンジ応援事業
若者世代の柔軟で斬新な発想をまちの活性化やにぎわいの創出につなげるため、若者自らが企画・実施する事業や若者の高岡市への定住につながる新規の事業・イベントに対し支援をしている事業。