注釈

(注1)監獄法…七五条からなこの法律の中身を見ると、「監獄内の規律及び秩序の維持」という点ばかりに重きが置かれており、受刑者への処遇概念は全く記されていない。

 

(注2)安城市乳児刺殺事件…逮捕された容疑者が刑務所から仮釈放されたばかりの男だったことから、以後、刑務所での矯正教育のあり方を疑問視する声が社会に拡がっている。

 

(注3)名古屋刑務所受刑者暴行師匠事件…関わった刑務官は、特別公務員暴行陵虐致死容

疑で、逮捕・起訴。

 

(注4)行政改革会議…民間有識者15名からなる諮問機関。

 

(注5)刑務所改革…監獄法の全面改正を視野に入れた改革に乗り出した。

 

(注6)法務省の幹部職員及び全国の行刑施設の施設長が参集した会…「現場刑務官の人権意識の希薄さ」や「刑務所運営の不透明さ」、「社会復帰につながる処遇の必要性」を訴える。

 

(注7)受刑者処遇法…名古屋刑務所事件等の反省を踏まえて、総則に「受刑者の人権尊重」が明記されている。また、「刑事施設視察委員会」を各刑務所に新設するなど、を各刑務所に新設するなど、行刑運営の透明化をはかる。受刑者の処遇に関しても、刑務作業中心の画一的な管理方式を改め、矯正教育を重視する姿勢へと転じた。

 

(注8)「触法・虞犯障害者の法的整備のあり方検討」…目的は「家族や地域福祉から見放された障害者を矯正施設に押し付けるのではなく、社会で支えあう仕組みをつくる。

 

(注9)虞犯・触法等の障害者の地域生活支援に関する研究…厚生労働省の担当者を連れて、矯正施設や更生保護施設を訪問。また、法務省の協力のもと、矯正施設内の障害者についての実態調査を行う。

 

(注10)リーガル・ソーシャルワーク研究委員会…外部委員として山本もメンバーの一人となっている。強制や保護の分野にも社会福祉士が積極的に関わっていこうとする日本福祉士会の方針を受けてスタート。

 

(注11)保護観察所連携加算…触法障害者を受け入れた施設に対して、一定程度の報酬を上乗せする制度。

 

(注12特別養護老人ホーム(特養)老人福祉法において、65歳以上の者で、身体上または精神上著しい障害があるために、常時介護を必要とし、かつ在宅生活が困難な者が入所する施設とされている。施設で提供されるサービスは、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、健康管理、機能訓練、レクレーション行事の実施、相談、家族や病院・福祉事務所との調整、金銭管理等の代行業務等、生活を行う上での幅広いものである。入所した人の多くはそこで残りの余生を過ごすため、重度の要介護者にとっては「終の棲家」的存在となっている

 

(注13)グループホーム…認知症高齢者グループホーム、認知症対応型共同生活介護とも呼ばれている。社会福祉法人や地方自治体、NPOなどによって運営される地域密着型の介護施設であり、主に軽度の認知症高齢者を受け入れてる。認知症をもつ高齢者が68人程度で共同生活を送り、家庭的な雰囲気の中で、認知症をよく理解し、訓練された職員によってケアを提供する方法。ただし、身体状態が悪化し、1人で着替え・食事摂取・排泄などができなくなったり、慢性疾患のために日常的な医療ケアが必要になったりすると退去しなくてはならない。

 

(注14)軽費老人ホーム…社会福祉法人や地方自治体などが運営する福祉施設で、自治体の助成を受けて有料老人ホームよりも比較的低い利用料でサービスを提供し、主に生活に対する不安のある要支援の高齢者、特に60歳以上の後期高齢者を受け入れている。 身寄りがない、家庭環境や経済状況などの理由により、家族との同居が困難な高齢者が暮らす軽費老人ホームには、食事を提供する「A型」と、食事を提供しない「B型」があり、さらに「C型」と呼ばれるケアハウスがある。軽費老人ホームの役割は基本的に「生活」のサポートであり、常時介護が必要な状態になった場合、施設によっては特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームなどに移らなければならないケースもある。

 

(注15)指導監督…@面接その他の適当な方法により保護観察対象者と接触を保ち、その行状を把握する。A保護観察対象者が遵守事項を守り、生活行動指針に即して生活・行動するよう必要な指示その他の措置をとる。B特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施する。

 

(注16)補導援護…@適切な住居等を得たり、同所へ帰住するよう助ける。A医療・療養、職業補導・就業、教養訓練を得るよう助ける。B生活環境の改善・調整、生活指導等を行う。

 

(注17

〈一〉生活困窮者を済(すく)

 生活保護受給者をはじめ、経済的に困っている人の医療費を無料にしたり減額したりする「無料低額診療事業」を積極的に行っている。平成27年度は延べ202万人が対象となった。また、済生会生活困窮者支援「なでしこプラン」も実施している。対象者をホームレスやDV被害者、刑務所出所者、障害者、高齢者、在留外国人等へも広げ、医療・福祉サービスにアクセスできない人たち訪問診療、健康診断、予防接種等を無料で行う事業で、平成27年度は延べ15万人に実施した。

 

〈二〉医療で地域の生(いのち)を守る

最新の医療機器、高度な技術、手厚い看護、超急性期から亜急性期、慢性期・リハビリと段階に合わせて対応し、常に患者の立場に立った医療を提供する。災害時には地域を越えてスタッフを派遣。救命救急から慢性期、そして生活再建に向けた心のサポートまで、緊急時も段階に合わせた支援活動を展開している。

 

〈三〉医療と福祉、会を挙げて切れ目の無いサービスを提供する

済生会は医療・保健・福祉を総合して提供できる団体である。全組織が連携し、施設・設備・人というすべての資源を動員して切れ目のない、シームレスなサービスを提供している。そして、高齢者や子どもたち、障害者が当たり前にその一員となり、共に生きる地域づくりに貢献する。

 

(注18)協力雇用主に対する支援制度…協力雇用主とは、犯罪の前歴等のために定職に就くことが容易でない保護観察対象者等を、その事情を理解した上で雇用し、改善更生に協力する民間の事業主を指す。協力雇用主に対する支援制度とは、保護観察の対象となった人等を雇用し、就労継続に必要な生活指導や助言などを行う事業主に対して奨励金を支払う制度で、年間最大72万円が支払われる場合もある。言葉遣いや貯金についてなど、雇用以外のことに関しても指導や助言を行い、保護観察所に報告をする。

 

(注19A型作業所…通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が可能である障害者が一般就労を目指しながら働く。就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供と、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う。利用者と事業所が雇用契約を結ぶため、収入の安定と各種保険の適用が約束される。

 

(注20B型作業所…通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である障害者がA型・一般就労を目指しながら働く。就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供と、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う。年齢や体力の面で雇用されることが困難となった者が対象となる。

 

(注21)地域社会内訓練事業…矯正施設内では更生が困難と考えられる不起訴(起訴猶予)、執行猶予になった障がい者を、福祉事業所で受け入れ、障がい者の特性に応じた更生教育を行う試み。