3章 調査概要

1節 調査概要

 

本稿では、まちづくり活動を行う学生のアイデンティティの変化に注目し、その特徴について調査する。そこで、学生によるまちづくり活動の事例として、富山市中心商店街にある「まちなか研究室MAG.net」と、そこを拠点に活動する富山大学のサークル「まちなかメイクアップサポーター」を取り上げた。そのサークルに所属する4名の学生に計6回のインタビュー調査を実施し、彼らが行ってきたまちづくり活動や、その活動の中での学生以外の地域住民との関わりかたなどについて尋ねた。

 


 

2節 まちなかメイクアップサポーターについて

 

テキスト ボックス: 図 1 富山まちなか研究室MAG.netの外観 今回、富山市における学生まちづくりの例として、富山市中心商店街にある「富山まちなか研究室MAG.net(以下MAG.net)」を拠点に活動する街なかメイクアップサポーターを取り上げる。街アップは、富山大学の公認サークルであり、今年で設立7年目である。富山市の中心商店街の活性化を目的に、イベントの運営などを精力的に行っている。2015331日時点で、約30名の学生(いずれも富山大学生)が在籍している。週1回、水曜日の17:0019:00にミーティングを行っている。研究室にはコーディネーターが常駐し、平日13:0021:00、土日祝11:0019:00の間は常に開放されている。MAG.netを管理しているのは株式会社まちづくりとやまの社員である。株式会社まちづくりとやまは富山市が策定した「富山市中心市街地活性化計画」のもとで賑わい溢れる中心商店街の再生のために各種事業に取り組む第3セクターのTMOTown Management Organization=まちづくり会社)である。MAG.netに常駐する職員はコーディネーターと呼ばれ、学生とともに街アップの活動を進める存在であるとともに学生メンバーからは、「最も身近な大人」だと認識されている。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

3節 インタビュー概要とインタビュイーのプロフィール

 

これまでに4名の方に計6回のインタビューを実施した。

                       

平成27518日 Mさんインタビュー

平成27629日 Mさんインタビュー(2回目)

平成277月 2日 Yさんインタビュー

平成28119日 Aさんインタビュー 

平成288 8日  Aさんインタビュー (2回目)

平成281024日 Nさんインタビュー

 

 

【インタビュイー】*学年はインタビュー初回当時のもの

 

@ 富山大学人文学部4年 Mさん (女性)

昨年度まで富山大学まちなかメイクアップサポーターの代表を務めていた。

街アップは1年生の6月から参加しており、約310か月在籍していた。出身は新潟県柏崎市。

 

A 富山大学人間発達科学部3年 Yさん(男性)

街アップのメンバー。2年生の4月から活動に参加しており、約29か月在籍中である。出身は石川県金沢市。

 

B 富山大学経済学部3年 Aさん(男性)

街アップのメンバー。入学とほぼ同時期に活動を始め、現在は約3年間9か月在籍中である。出身は富山県富山市。

 

C 富山大学経済学部4年 Nさん(男性)

街アップのメンバー。入学とほぼ同時期に活動を始め、現在約39か月在籍中である。Aさんと同期のメンバーである。出身は石川県白山市。