第一章　問題関心

　2014年12月、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が内閣で閣議決定されるなど、現在日本は地方創生に本格的に乗り出している。この「まち・ひと・しごと総合戦略」において、「地方における安定した雇用の創出」と「地方への新しい人の流れづくり」が基本目標の一つとして掲げられた。この状況を鑑みても、地方におけるU・Iターン就職支援に関する施策が重要視されるようになるのは明らかではないだろうか。では、現在地方においてどのようにＵターン就職が行われ、どのような支援がなされているのだろうか。本稿では、まずUターン希望者がどのような理由からUターンを決意したのか、またそのUターンのための就職活動においてどのような問題を抱えているのかを明らかにしたいと考えている。それらを踏まえたうえで、地方行政が行っている支援はUターン希望者にとって果たして役立つものになっているのかということについても考察していきたい。