第四章 本研究の調査に関する概説

 以降の第五章、第六章、第七章、第八章においてはそれぞれ、章ごとの観点に従って調査を行った。そこで、この第四章では以後の各章についての調査目的、調査方法等をまとめ、記述していく。

 

第一節      調査概要

 まず第五章についてであるが、第三章から、YouTubeにおいては運営によるクリエイター支援がニコニコ動画に比べ、充実していることが確認できた。特にクリエイター育成という点において、実践すべき活動が個別具体的に記載されている。そこで、第五章においては運営のクリエイター育成プログラムが、実際に活動している投稿者によってどの程度、実践されているのかをニコニコ動画と比較しながら明らかにする。また、その結果から、YouTuberが投稿する動画の特徴を見出す。

第六章では投稿者の動画ジャンルについて扱っていく。YouTubeとニコニコ動画では動画ジャンルに差異がみられるかどうか調査する。なぜここで動画のジャンルを扱うかというと、ジャンルを調査することにより、それぞれの動画共有サイトで活動する投稿者の志向性がみえてくると考えたからである。

 第七章では、日本で活動しているMCNを取り上げ、MCNの概要や変遷、具体的な企業とのタイアップ動画の特徴について調査していく。MCNとはYouTubeチャンネルと提携し、主にクリエイターのマネジメント等を行う組織である。近年、このMCNYouTuberが提携し、企業とクリエイターとのタイアップが活発に行われている。なお、調査対象は日本で最も規模の大きいMCNである「UUUM(ウーム)」とする。

 第八章では、YouTubeとニコニコ動画の両サイトにおけるコメント機能に焦点を当てて調査していく。コメント機能の違いによって生じる特徴はないか、また投稿されたコメントの質的な違いはないか、そしてコメントは動画投稿者にどのような影響を与えているのか、両サイトを比較しながら行っていく。