第一章
問題関心
多くのソーシャルネットワークサービス(以下SNS)では、ユーザーは自身のアカウントのプロフィール情報を設定することができる。プロフィール情報はそのサービスのユーザーにとって、他のユーザーに自分について知ってもらうにあたっての最初の情報になるものである。このプロフィール情報は必ずしも実際の自分を忠実にあらわすものである必要はなく、ユーザーは各々の思うように自由なプロフィールを作成することができる。こうして作成されるプロフィールはときに“アバター”(自分の分身としてのキャラクター)となり、実際の自分とは異なる属性を持つことがある。これは裏を返すと、プロフィールの書き方次第で“見せたい自分”を演出できるということでもある。こうしたSNSのプロフィールに散見される“編集された自己像”について、戦略的自己呈示、あるいはセルフブランディングの一種といえるのではないかという仮説のもと、その実態を明らかにすべく調査を行う。
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