第一章     問題関心と調査概要

 

富山市内を中心に活動するアマチュア演劇集団は、市内にある小劇場を利用して活動を行なっている。その小劇場のひとつに「フォルツァ総曲輪」(以下フォルツァ)という所がある。フォルツァは他の小劇場に比べて内部構造や設備が特殊であり、厳密にいうと小劇場と呼ぶには難しいものであるのだが、フォルツァを頻繁に利用する、あるいは近年になってフォルツァを利用し始める演劇集団が存在している。いったいなぜ彼らは、他の小劇場でなく、特殊なフォルツァを利用するのだろうか。そこで今回本調査では、フォルツァの他劇場と異なる点、フォルツァ特有の性質などを調べたい。またそのうえで、富山市の中心商店街に存在するフォルツァで演劇が行なわれることで、商店街の活性化につながるなど、まちなかで演劇をすることによって起こり得る影響というものがあるのか、またその影響は演劇でしか起こり得ないのかということも追及してみたい。

 まず本調査では、フォルツァに勤務するスタッフ2名にインタビュー調査を行ない、フォルツァの設立のプロセスから、演劇に対するフォルツァの姿勢など、フォルツァの詳細についてインタビューを行なった。

 

日時:20131125

場所:フォルツァ総曲輪5階応接室

インタビュイー:Mさん

 フォルツァ設立時から現在までフォルツァに勤務するチーフスタッフ。また「富山市民まちづくりの会¹」の代表としても活動している。勤続年数は7年。

 

日時:2014129

場所:フォルツァ総曲輪5階応接室

インタビュイー:Nさん

 大阪芸術大学舞台芸術学科卒で、舞台装置や照明についての知識が豊富であることから、主にフォルツァの多目的ホール関係の作業に携わるスタッフ。勤続年数は23年。