第一章 問題関心

1970年代後半以降、詰襟・セーラー服からスーツ・ブレザー等にたくさんの学校がモデルチェンジを行っており、現在ではさまざまなデザインの学校制服が存在する。

松田(2005)は高校卒業間もない生徒に対して質問紙調査を行った。その中の質問の一つに着こなしについて尋ねるものがあり、どのような工夫していたかという内容であった。その結果として女子では、スカート丈の調整、スカーフやリボンの結び方、市販のニット類を着る、靴下の種類、男子ではズボンの腰履きがあった。このように学校規定の制服の着方をせず、自分なりに制服を「着崩す」生徒が数多く存在する。1980年代にはスケバンと呼ばれるロングスカートの女子高生が登場し社会問題となった。1990年代にはコギャル文化が話題となり、スカート丈を短く改造したり茶髪・金髪にメイクをしたりする女子高生が登場し、2000年代に入るとルーズソックスが女子高生の間で流行した。ファッションの流行と同じように制服の着崩し方にも流行があり、さまざまな制服の着崩し方が存在する。女子高生の制服着崩しの実態を調査することでこのような着崩し行動が何を意味するのか、何が影響しているのかを調査していきたい。今回の調査ではより着崩し行動が見られそうな女子に限定して調査を行う。