第一章 問題関心

 

日本に住む外国人児童たちは数々の問題を抱えている。中でも特に深刻なものは、母語の違いから発生する学習不振の問題である。彼らの多くは日常会話のみならば日本語を母語とするものと同じようにこなすが、実際のところ、学校の勉強には全くついていけてないものがかなり多くいる。母語でスムーズに教育が受けられる日本人との差は、小中学校では学年が上がるごとに開くばかりで、そのまま高校受験を迎えてしまうというのが彼らの現状である。

そこで、彼ら日本に住む外国人児童への学習支援に必要なものは何なのかを調査していきたい。

今回の調査では、富山県高岡市で行われている、富山県在住の外国人児童への学習支援のためのボランティアグループである『高岡外国人の子どものことばと学力を考える会(通称、アレッセ高岡)』をその対象とする。