第一章 問題関心
Twitterとは、リアルタイムの情報ネットワークで、興味のあることについての最新の話題や意見、情報を知ることのできるソーシャルネットワーキングサービスである。情報の発信・受信、またコミュニケーションの場として今や世界中で広く使用されている。2006年7月にObvious社(現Twitter社)によって英語版のサービスが開始された。日本では、日本国内での利用が米国内に次いで多かったことから、2008年4月にサービスが開始され、これは他言語版では初のことであった。その後瞬く間に広がりを見せ、2012年7月には全世界でユーザー数が5億人を超えたと発表されている。我が国日本でも、昨年8月に1秒あたりのツイート数で14万3199という数字を叩き出し世界記録を塗り替えるなど、今や人々の間で圧倒的な存在感を放っている。
しかし考えてみれば、Twitterに似たサービスは他にも存在しており、決して特別な技術が使われているわけでもない。また、FacebookやMixiなどの日記機能やコミュニティの存在、アプリケーションの追加など、プラスアルファの機能、凝った演出はなく、実にシンプルなものである。では、ここまで世界中に広く普及し愛されている理由は一体なんなのだろうか。
そこで本論文では、Twitterのコミュニケーションツールとしての役割に特に注目し、各機能にも着目しながら人と人とがどのように繋がっていくのかということについて考えてゆく。その中で、他のSNSサービスとは異なるTwitterだからこそ実現可能な何か、Twitterならではの特徴を探っていきたい。