1章 問題関心

 共働き家庭や働く女性の増加などにより、家庭や地域の子育て機能、教育力の低下が問題視されている中、昼間、保護者が家庭にいない児童を、放課後及び長期休暇中保育する、学童保育事業の需要が高まっている。

民間専門団体の全国学童保育連絡協議会は,学童保育について,「共働き家庭や母子・父子家庭の小学生の子どもたちの毎日の放課後(学校休業日は一日)の生活を守る施設」であり,「学童保育に子どもたちが入所して安心して生活が送ることができることによって,親も仕事を続けられ」,「学童保育には親の働く権利と家族の生活を守るという役割」を持つと紹介している。学童保育の需要が高まる中、地域における具体的な展開はどのようになっているのだろうか。本論文では次のように調査と分析を進めたい。まずは、国の施策の変遷をたどる。ここで大まかな事業の沿革、流れを理解する。次は事業主体の拡大をポイントにしながら、自治体の動きとして富山市の場合どのように事業を行っているのかを調査し、その後、どのような主体が事業に参入し、どのようなことを行っているのかを調査、分析していく。