第六章 まとめ

 

これまでSNSにおけるオフ会の役割を調査してきた。SNSは見ず知らずの人々が交流を行う場としての機能を果たしており、オフ会はSNSでのコミュニケーションをさらに深める場として存在している、と当初は思っていた。しかし、調査を進めていく過程で、実際はそのように単純ではないことがわかった。SNSにおけるオープンな空間とオフ会におけるオープンな空間、SNSにおけるクローズドな空間とオフ会におけるクローズドな空間、この四つが複雑に繰り返されることにより、メンバー間の交流が深まっていくのである。

SNSの特徴として、「出会ったことのない、同じ趣味を持つ人との多くの出会い」が挙げられる。インターネットが普及するまでは、地縁や学校縁などの限られた縁の中でしか、人と関わることができなかった。しかし、インターネットによって見ず知らずの人との縁を生み出すことができるようになったのである。

mixiにおいても、出会ったことのない見ず知らずの人々が共通の話題で盛り上がっている。そこには多くの人々との出会いがあり、一度オフ会に参加しFace to Faceの関係になれば、その関係はこれまでの関係以上に強いものとなり、より親密な関係を築くこともできる。このことは、SNSにおけるオフ会の機能として、多くの人々との繋がりから自由に縁を選び出し、深い関係を築いていくことも可能であることを示している。

SNSが登場してから会員数は年々増加しており、インターネットでの出会いからFace to Faceの関係になるというケースもそれほどめずらしいことではなくなったように思う。使い方によれば、自分の人生を大きく変えるような人との縁を生み出すかもしれないSNSとオフ会に、今後も注目していきたい。