第一章 問題関心

 

近年、子育てを積極的に行う男性達が様々なメディアで取り上げられてきている。彼らは「イクメン」と呼ばれており、この「イクメン」という言葉は、2010年ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンにも選ばれた。2009年には、男性も子育てしやすい社会の実現に向けて育児・介護休業法が改正され、男性が育児休業を取得しやすい環境づくりへと大きな一歩を踏み出した。厚生労働省はこのような制度見直しと合わせ、2010617日に、「イクメンプロジェクト」を発足し、育児に積極的に取り組む男性を「イクメンの星」として専用サイトで紹介したり、男性向けの育児イベントを行ったりしている。さらに、育児休業を取りやすいように企業への広報も強化し、仕事と家庭を両立できる環境を整える狙いである。また、「FQ JAPAN」というイクメンに特化した雑誌も発売されており、男性の育児参加に対する注目度の高さが窺える。

 今研究では、男性の育児休業の抱える問題点と育児介護休業法とのミスマッチを指摘し、その上で、今後さらなる男性の育児参加をすすめるには何を行う必要があるのかを両立支援に積極的な企業の取り組み事例を参考にして考えたい。