【注】
(1) 佐久病院の理念は次のようなものである。
佐久総合病院理念(油井 2010)
佐久病院は「農民とともに」の精神で、医療および文化活動をつうじ、住民といのちと環境を守り、生きがいある暮らしが実現できるような地域づくりと、国際保健医療への貢献を目ざします。
行動目標
一、第一線医療の充実と高度専門医療の向上をはかり、地域完結型医療体制の確立を目指した病院再構築を実現します。
二、農業と地域社会の問題を直視し、メディコ・ポリス構想の精神を継承して、地域の内発的発展に協働します。
三、研究と教育は病院の重要な役割であることを自覚し、佐久病院らしい医師教育、職員教育および研究活動の充実をはかります。
四、プライマリー・ヘルス・ケアを包含する農村医学の考え方を学習し、実践するとともに、発展途上国の国際保健医療に貢献します。
五、患者さんを第一に考え、医療の質向上および患者安全、職員満足の向上を目的とする活動を推進します。
(2) 南砺市民病院の理念は次のようなものである。
南砺市民病院理念(南砺市立医療機関の紹介パンフレットより)
南砺市民病院は「医療・保健・福祉活動を通じて市民の健康で豊かな生活に貢献します」を基本理念に、市民の安全・安心を守るため、専門的な治療をする「確かな医療」と充実した生活を支援する「温かい医療」を展開しています。
「確かな医療」ではMRIや64列CTの早期導入とともに7:1看護体制、病院機能評価認定など急性期医療の充実に取り組み、「温かい医療」では訪問診療・看護・リハビリなど在宅医療の充実に努めるとともに健康教育として170回を超える「コントDE健康」講演会など広く県内に知られた特色ある活動を行っています。
平成21年度には初期研修医2名を迎えるとともに、平成23年度から富山大学総合診療部と連携した後期研修システム「NANTO家庭医養成プログラム」を実践し、4名の後期研修医が勤務するなど臨床病院をしての教育機能の向上に努め、更には研究会や学会参加、大学院進学・認定看護師資格取得支援など人材育成も積極的に進めております。
また、院内保育所の整備や育児短時間制度、全病棟2交代制導入など女性職員に優しい職場づくりとともに、耐震化事業として平成26年度完成に向けた新たな病棟の建設や手術室、画像診断室、透析センター、外来診療室、医局の整備など急性期医療の機能強化と前庭や駐車場、食堂整備など良好な療養環境の充実を図っています。
南砺市民病院は、市民が幸せに生涯を過ごせる街づくりを市民と共に築いていけるよう努めていきます。
(3) 森下(2003)は、これと同様のことを〈「ええっ、どういうこと?」の笑い〉として説明している。例えば、私たちは「オウム」という鳥に対して「オハヨウ」とか「オカエリナサイ」とかいった単純な言葉をくり返す鳥である、という固定観念がある。そこで私たちが「『桃太郎』の昔話を全部語って聞かせるオウム」をテレビで見たとしたら、「ええっ、どういうこと?」と違和感を覚えつつ、おかしくてたまらないのだ。その違和感やおかしさは『図式のズレ』からやって来る。本来ならこの『図式のズレ』にとまどいや不愉快を感じてよいはずなのに、ある種の新鮮な愉快さを感じる逆説的な事態が生じているのである。このオウムの姿は、私たちのオウムに対する常識的図式をくつがえし、それから大きくはずれた姿をしめすことによって、私たちを笑わせるのである、と述べている。ただし、本論文で検討した「コント」の事例は、「規範的行動」の予測可能性という点で、森下の「オウム」の例とは異なっている。