おわりに

本論文では、「コントDE健康ボランティアグループ」の活動に焦点を当て、インタビューやフィールドワークを2年間継続して行った結果をまとめた。初めのうちは調査というスタンスで見学させていただくだけであったが、途中から自分もグループのメンバーの一員として講座に参加させていただくことができ、山口さんをはじめとするメンバーの方々にも親しくしていただいていろいろなお話を聞かせていただくことができた。

 医療従事者という多忙な職業の方々が毎回10人以上集まり、仕事の合間を縫って深夜に台本の読みあわせを行い、それを16年間継続できるというのは、口で言うほど簡単なことではない。中には、夜勤明けで前日ほとんど寝ていないにも関わらず講座に参加しておられる看護師さんもおられた。しかし、メンバーからこの講座に対してネガティブな発言が聞かれたことはなかった。

 他の健康講座を見ても、笑いと演劇を融合した健康講座で、これだけ長く続いているものは他にも例がなく、全国的に見てもこの活動は画期的な取り組みといえるのではないだろうか。山口さんは講座の前にいつも聞き手に向かって「みなさんに笑ってもらえるおかげでこれだけ長く続いている。今日はぜひとも、大いに笑って、つっこんでほしい」とおっしゃっている。聞き手からの声援を力にし、この先もできる限りこの活動が続いていくことを願いたい。

 最後に、お忙しい中快くお話を聞かせてくださった山口さん、観客の方々、いつも私を暖かく迎え入れてくださったメンバーのみなさんに心から感謝いたします。