第一章 問題関心

日本は世界に例をみない超高齢化・少子化社会を迎えつつあり、2005年には65歳以上の人口が占める割合は20%となった。さらに2050年には35.7%になると予想され、3人に1人が高齢者となり、中高年や高齢者が社会の大半を占めると言われている。一方、晩婚化や出生率の減少により、家族の介護負担や社会の負担も増えてくる。(磯邉 2010より)厚生労働省の2000年の政策に「健康日本21」が掲げられた。その内容は病気の早期発見、早期治療という二次的医療が中心ではなく、むしろ疾病に掛からないよう生活習慣病を予防する一次的医療を重視している。これに伴い、医療機関から地域に出ていき、ボランティアで地域住民の健康を守る活動が全国的にも増えつつある。

本論文では、富山県南砺市を拠点に活動するボランティアグループ「コントDE健康」の活動に注目し、この活動の持つ独自性、そして地域医療の可能性を探っていきたい。