第一章 問題関心

 

近年日本では婚活ブームが続いている。婚活という言葉は、2007年に朝日新聞社の雑誌Aeraで白河桃子、木村恵子によって生み出された結婚活動を略した新語である。その後、2008年に白河は家族社学者である山田昌弘と共に『「婚活」時代』を出版し、ベストセラーとなった。そして、2008年ユーキャン新語・流行語大賞では「婚活」がノミネートされた。これをきっかけに婚活という言葉は流行し、メディアでも注目され、婚活を題材にドラマが制作され、様々な婚活本も出版されるようになった。そして社会的に婚活が浸透してきたのと同時に、経済状況の悪化から若者も保守化し安定した暮らしを望んで結婚するために早くから活動する若者が年々増加してきている。

筆者はまず、ブログ分析を通して婚活を行っている女性の日々の日記を読んで婚活から恋愛、結婚に行きつくまでにどのようなことが語られるかの考察を行った。それを通して、ブロガーにとって婚活とは一体どんなものなのか、今までの恋愛とは何が違うのかと疑問を持ち、婚活の生の現場を知りたいという問題関心は強まった。しかし、ブロガーが公開している情報は少なく、ブロガーの婚活を深く知ろうと調査することは困難である。そこで、婚活の現場を知るために筆者自身が婚活の現場に身をおき、フィールドワークによって現場の雰囲気を調査し、婚活をする女性に対しインタビュー調査をすることで、ブログ分析を行っていた時に抱いた関心を追求していこうと考えた。

本論文では、婚活中の女性が相手の男性に求めるもの、言い換えればターゲット設定をどのようにしているのか、今までの恋愛と婚活は何が違うのか、結婚に向けて積極的に活動する婚活の実態を明らかにしていきたい。